アイデンティティ

那月

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本当の姿

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「……完璧に思い出したわね。アタシも、あのファイルを手に入れたから7年前のあんたに何が起こったのかわかったわよ」

 
 何を暗い顔をしてやがる、お前らしくもない。先代の総長もジーナも、大勢の部下達の命も失ったのは俺のせいだ。それを知って同情したか?

 
 俺だってガキの頃のお前には同情してんだ、それであいこだろ。突っ立ってるんだったらこっちから行くぜ。

 
 肉弾戦は嫌いじゃねぇ。俺は瞬時に間合いを詰め、回し蹴りを繰り出しながら2つの銃を撃ち鳴らす。避けられるのはわかっていたからな。

 
 わざと避けられる場所をあけて、そこへ飛び込んだところへ次を構えていた銃で狙撃。今度は足を直撃し、崩れ落ちた。

 
 地面を上手く転がり、勢いのまま起き上がって2発の弾丸を斬る。日本刀を左手に持ち替え、右の拳を大きく振り上げたので俺は横に跳び退く。

 
 またあの超怪力で地面を叩き壊すつもりか!「はぁぁぁっ!!」と気合いと共に振り下ろされた拳は地面を打ち砕き、まっすぐ亀裂が走る。
 

 避けきれなくて足を隆起した地面にひっかけてしまった。うつぶせに倒れ、頭上でヒュンッと空を切る音が聞こえたので本能的に横に転がる。
 

 俺の体があった地面に日本刀がグサリ。危機一髪。思ったよりも深く刺さってなかなか抜けないでいるリアの腕を撃ち抜き立ち上がった。


 どんだけ我慢強いんだよ?力づくで抜いた日本刀が土を弾き飛ばし、俺の目に入って視界を奪ったその一瞬。左肩に鋭い痛みが走った。


 斬られたか。反射的に銃を握る手を振り上げるとリアの顔面に直撃したようで、うめき声を上げたリアは怒ってさらに左腕を深く斬りつける。
 

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