143 / 231
ハートビート
4P
しおりを挟むイライラしすぎてちょっと手加減できなかったわ、ごめんね。これで4人が終わった。あと1人。目が合うと逃げたわ。
最初の1人が壁と仲良しになってから今までずっと腰を抜かして漏らしていた、ピアスを耳や口にいっぱいつけた若い男。こけ逃げして笑えたわ。
「ふぅ。お待たせイチカ、もう大丈夫よ。さ、帰りましょ?」
「う、うん……筆頭、どこも怪我してへんねやな。やっぱすごいわ。強うてかっこようて、私のあこがれやわ。けど……」
血を拭ってから日本刀を鞘に戻し、イチカの手を引いて路地裏から出る。
出る寸前、顔に返り血がついてるってイチカが拭いてくれたわ。少し前までは他人の血を見るのも触れるのもできなかったのに、ありがとね。
路地裏を出て少しして。イチカは不安そうにアタシを見上げてこう言ったの。
「昨日、何かあったんやろ?筆頭が何も言うてくれへんから皆、様子がおかしいて思うても怖うて声もかけられへんねや。もし、私なんかで良かったら相談に乗るで?難しい話やっても話聞くだけならできるし。筆頭、私達の話は聞いてくれるけど自分のことはあんまり話してくれへんから……」
「イチカ、あんた…………ありがとう、すっごく嬉しいわ。なんだかここが軽くなった気がする。そうね、誰かに相談するのも大事よね」
「そうや。だって筆頭が元に戻らんと、絡んでくる男全員がさっきみたいに無差別タコ殴りの刑になるやろ。さっきので3回目やで?もう怖いわ」
「え、そんなに?ごめんね、なんかイライラしちゃって。男を見るとつい昨日のことを思い出して……っ」
「筆頭筆頭、怖いオーラがにじみ出とるから。抑えて」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説







久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる