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ハートビート
4P
しおりを挟むイライラしすぎてちょっと手加減できなかったわ、ごめんね。これで4人が終わった。あと1人。目が合うと逃げたわ。
最初の1人が壁と仲良しになってから今までずっと腰を抜かして漏らしていた、ピアスを耳や口にいっぱいつけた若い男。こけ逃げして笑えたわ。
「ふぅ。お待たせイチカ、もう大丈夫よ。さ、帰りましょ?」
「う、うん……筆頭、どこも怪我してへんねやな。やっぱすごいわ。強うてかっこようて、私のあこがれやわ。けど……」
血を拭ってから日本刀を鞘に戻し、イチカの手を引いて路地裏から出る。
出る寸前、顔に返り血がついてるってイチカが拭いてくれたわ。少し前までは他人の血を見るのも触れるのもできなかったのに、ありがとね。
路地裏を出て少しして。イチカは不安そうにアタシを見上げてこう言ったの。
「昨日、何かあったんやろ?筆頭が何も言うてくれへんから皆、様子がおかしいて思うても怖うて声もかけられへんねや。もし、私なんかで良かったら相談に乗るで?難しい話やっても話聞くだけならできるし。筆頭、私達の話は聞いてくれるけど自分のことはあんまり話してくれへんから……」
「イチカ、あんた…………ありがとう、すっごく嬉しいわ。なんだかここが軽くなった気がする。そうね、誰かに相談するのも大事よね」
「そうや。だって筆頭が元に戻らんと、絡んでくる男全員がさっきみたいに無差別タコ殴りの刑になるやろ。さっきので3回目やで?もう怖いわ」
「え、そんなに?ごめんね、なんかイライラしちゃって。男を見るとつい昨日のことを思い出して……っ」
「筆頭筆頭、怖いオーラがにじみ出とるから。抑えて」
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