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距離
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しおりを挟む「あの兄弟、両親が共働きだから夕方までこうして一緒に遊んでるのよ。アタシもたまに遊んでもらってる。可愛いでしょ?」
「クソガキはクソガキだ。俺を不審者呼ばわりしやがって」
「あの目つきは不審者よ、お巡りさんがいなくて良かったわね。で、散歩?それとも、何か思い出してここに来たの?」
「思い出したぜ。俺が昔、テメェにストーキングされた挙句にお守りをするようになったんだってな」
この公園にも、昔の思い出はある。テスト前には良い点を取らそうと俺から呼び出し、ミッチリ猛勉強。そしてその翌日、山を越えたご褒美にたっぷり遊んでやった。
この公園でサッカーをしたりバドミントンをしたり。そういえば、いつの間にかスポーツ系は嫌だからと家でトランプとか折り紙に変わったんだったか。
「偏った思い出し方ね。ムカつくけど、いいわ、思い出そうとしてくれているのは嬉しいから誉めてあげる。でもどうやって思い出し……ちょっと、その写真初めて見たんだけど!盗撮っ!?」
俺は生意気なリアの目の前にあの写真を突き出してやった。綺麗な顔が青ざめたかと思えば、一瞬で真っ赤に。
思い出したいきさつをかいつまんで話し、反応を見て記憶の真偽を確認。真剣な顔で聞いているあたり合っているようだな。
「お前、親と離れて遠くの施設に入ることになったから会えなくなっちまったんだろ?サヨナラも何にも言わねぇで行っちまうから、連絡もとれねぇし死んだかと思ったぞ」
「急だったのよ。連絡をしようにも、持ち物は全部捨てられちゃったから。手紙を書こうと思ったんだけど住所も知らなかったしね」
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