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涙のあと
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しおりを挟む子供らしさが抜けてキリリとした大人の顔、体つき。少し背も伸びているのか?つまり、成長していた。オレンジの右目が爛々と輝く。
完全に踏み潰される前に、血を吐きながら月刀を振るい足を膝から切断。一旦離れてケダモノがそれでも立っているのを確認すると最接近。
離れたところから駆け出し、月刀が光を帯びる。スカイブルーの右目が大きく開かれサイコキネシスでケダモノの動きを封じ、加速しながらライトは叫んだ。
「これで、最後だぁぁあああぁぁぁぁああぁぁぁぁっ!!!!」
ライトの体から雷龍、水龍、炎龍が飛び出し、ライトが袈裟懸けに斬りつけたと同時にケダモノに突っ込んだ。
その最後の一撃の時、チユニはライトの背中に複数の人影を見た。ライトに力を与えた、13人の彼らの背中を。
原爆を数発爆発させたようなすさまじい衝撃と地響きが轟き、あまりの衝撃であらゆるものが壊れた。
月子研究所のビルの影に隠れていたチユニは意識を失い、目を覚ますとあたりはシンと静まり返っていた。
ライトは?ケダモノは?どうなったんだ?恐る恐るビルの影から這い出ると、そこには白と黒があった。
黒は、胴体に大きく斜めに刀傷の口が空いている、真っ黒な像のようになってしまった神楽。膝を突きうなだれていて、風に吹かれると少しずつ塵になって散っていく。
そうか、ケダモノが死んで元の神楽の体に戻ったんだな。だが心も体も死んでいる。
白は、刀を振り下ろした格好のままで白い石と化してしまっているライト。真っ白ではない、少しだけ透明がかって灰色も混ざっているこれはもしかすると、月の石か?
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