moon child

本物の偽物

３P

　次の瞬間、双子の足元が爆発した。ゴドォォッ！！と爆音が轟き、同時に間欠泉のごとく大量の冷たい水が双子を殴り上げた。


　双子は地上のことに気を取られ、密かに地下で起こっていることに気が付かなかった。途中で大量の武器を操っているのが、見えないワイヤーを操るレナに変わっていることに気が付かなかった。


　モロに食らった双子は勢いよく吹き出した水柱に押し上げられ、宙高く舞い上がる。


　武器のコントロールをレナに任せたヒロキは、地中にある太い水道管を爆発させたのだ。ついでに、そのままだと街中が水浸しになるのですぐに破片と固めた土で穴を塞いで水を止めた。


「ざっまぁ！そのまま爆死で終わらせてやるわよぉおっ！」


　笑いながらビシィッと中指を立ててベーと舌を出してみせたレナは数十個の手りゅう弾を一気に、空中で体勢を立て直そうとしている双子にぶつけた。


　ドッゴォオォォォォオオォォォンッ！！！！


　さっきとは比べ物にならないほどの轟音が響き渡り、あたりの水分が蒸発して水蒸気が立ち込める。見えない。


　サイコキネシスで空中に縛られて双子は避けられなかったはずだ。それでも、相手はあの神楽が生み出した月子壱号の子供だ。意識を集中させ双子の反撃に備える。


　シュウゥゥゥと立ち込める水蒸気は近くで戦っているレンマと月影をも巻き込み、一時停止。状況が見えない。


「ヒロキ、レナ、伏せろッ！！」


　瞬間、ヒロキとレナの前が暗くなった。かと思えばゴッ！と低く鈍い音が響きまた明るくなる。目の前には、月影がいた。


「がぁぁっ！！」