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神楽とチユニ
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しおりを挟むゴロゴロロロ……カッ!バリバリバリドッガァァァァアアァァァァンッ!!!!
今まで見たことのない、超巨大な雷が近くに落ちた。あたりは真昼間以上に明るく眩しくなり、落雷の衝撃と震度8レベルの地揺れで体ごと脳を揺さぶられるようだった。
病室。カーテンで囲まれたベッドでは、様々な機械を体につけられた少女が眠っている。
口には酸素、腕には点滴、胸には心電図など、この子がいかに重篤なのかが見て取れる。少女――カラスは生と死との境目にいる。
頭は殴られ、体中を斬られ、あちこち骨が折れていた。足は、もう動かない。何よりも心臓ギリギリを貫かれていたのが致命傷だが、これで生きているのが不思議なくらいだ。
「…………」
病室に来てから数時間が経つが、チユニのそばにいるミレイナはずっとカラスの手を握っている。
ベッドの横にしゃがんで、カラスの左手を両手で包み込むようにして握り、ただただジッと見えない目で見つめ続ける。まるで、その手を通じて何か会話をしているような。
それくらい真剣に、ミレイナは彼女の手を離さない。食事の時間になってチユニがご飯を差し出しても首を横に振り、少しも食べようとしない。
お腹がすかないからいい、ということらしいが。ミレイナを1人にするわけにもいかないし、かといって自分は空腹だ。だからチユニは背を向けいそいそとおにぎりをほおばった。
完全に1人になるわけではない。1度命を狙われたカラスだ。また狙われるかもしれないので、病室の中と外に2人ずつ戦闘部員を配置している。
本当はあと1人ずつでも護衛を増やしたいところだが、4人が限界。他は全員、街のあちこちに出現した黒いハウンドとリンクス、新種の白いハウンドとリンクスの討伐に出ている。
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