moon child

きょうだい

７P

「我らの甥や姪にあたるとか。他にも人造月子がいないとも限らぬ。何より、本物の壱号がどういった人物なのかがわからぬのは恐ろしいな」


「へぇ、ユラでも恐ろしいとか言うんだ？僕は想像するのも怖くて怖くて嫌だよ」


「ハクト、あと１０分はゆっくり休んどってえぇんで？ルカも、無理に会話に参加せんでも」


「主にレンマがうるさくて眠れない。それに、話をしながらでも休める。とっておいたチョコ、ハクトにあげる。あ、これも」


「何この袋。チョコ……なんだよ、ね？何か…………うわっ、変な味っ」


「ハクトのための特注品なんだって。前にカラスがくれた。ライトに頼まれて急いで作ったとか。ハクトのための大事なチョコだから、あたしは絶対食べちゃダメだって。我慢した。すごく我慢したの」


「ル、ルカがチョコを我慢した？大事件だぜ。いや、なんでもないっす」


「ライトがカラスに？不味いけど、これ…………いつもの薬混ぜてる感じがする。あれ、貧血体質だから、血液を早く多く生成できるように開発された薬」


「この日のため、かもしれませんね。こうなる未来を知っていたからこそライトは、それを作らせて預けた」


「ライトって一体どっちの味方なのよおぉ。中途半端すぎて、わっけわかんないわあぁ」


「未来の全部を知っとったわけやないやろう。せやから中途半端なことしかできひんで、何も言わんかったんや。あんな悲しそうな顔、初めて見たわ」


「今頃、どこで何をしているんでしょうね？受け入れてはいましたがあの双子に拉致されたわけですし、どこかに監禁されているとか」