moon child

きょうだい

６P

「おぉ、そーゆーことや！目ぇの前に水鏡何枚か重ねたらスコープみたいになるやろ？そのスコープで遠くの敵さんに狙い定めて、わいの電気で強化された矢で射貫くんや。なんや、相性バッチリやな」


「ユラは一見、しっかりしているようで天然っぽいですが、実はやっぱり頭がいいですよね」


「……それぇえ、シャノンが言う？」


「えっ、何か、おかしかったですか？僕、変なこと言いましたっけ？」


「大丈夫だ、間違ったことは言っていない。シャノン、右斜め後ろ約８０メートル先にリンクスがいるゆえ、下がってほしい」


「うわっ！い、今、僕が移動する前に放たなかった！？ギリギリ避けましたけど、ちょっとかすりましたよ。ほら、髪が射貫かれてますって！」


「先っぽだけじゃなぁあい。だめシャノン、先回りされてるわっ！あたしじゃ届かないぃッ」


「伏せとけぇッ！！っと、おっしゃぁー！とっさに近くにあった車投げたんやけど、上手く命中したな。シャノン、怪我ぁないか？」


「怪我はないです、けど。いくらとっさだったからって、怪力だからって車を投げますか？結構大迫力というか、怖かったんですよ」


「大きい方が当たりやすいやろ？し、白ハウンドにや！そんな恨めしそうな目ぇで見んでくれぇっ」


「今はまだ笑っていられますけど、これから先、ハウンドやリンクスよりも強い者と戦う時はこんなことできませんよ。ライトやレンマが戦ったあの黒い男や、カラスをやった者……」


「そうだな。あの重力男は性格的にユラ、能力的に俺、頭脳とパワー的にレンマと似ているみたいだし。あの双子はバラバラにしないと面倒そうだった」