moon child

那月

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肆号

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 店の奥には有料の、イスとテーブルが用意されたブースがある。そこは温かい液状のチョコレートが噴水のように流れるチョコレートファウンテンがあり、果物を付けて食べるらしい。


 チョコレートファウンテンのチョコはミルクチョコ、ホワイト、ブラック、イチゴ、抹茶があり、ブースに入る前にお金を払えば30分の食べ放題だとか。


 ルカは財布と相談しながら、試食して気に入ったチョコをカゴに次々と入れていく。有り金を使い果たす気か。


 レナはしばらく手ぶらで店の中をブラブラ眺めてからカゴを取り、イチゴ味を、特に派手なドピンクなのを中心に入れていく。


「あれ、レナってコーヒー苦手じゃなかったっけ?」


 背後からルカがカゴの中を覗き、驚いたレナはバッとカゴを隠した。顔が真っ赤だ。結構真剣に集中して選んでいたようで、飛び上がるほどの驚きよう。


「あ、あぁぁぁ主……いつも仕事大変だし、お世話になってるから。なんとなく気が乗ったからあぁ、特別にプレゼントしてあげるのっ!何か文句あるうぅ!?」


「ないけど、レナはやっぱり優しいのね。あたしも、皆にこれを買ってあげようと思って。ユラにはこれ、甘さ控えめのチョコ大福、抹茶味」


「やさっ!?…………ルカの方が優しいじゃない。それ、甘いのか甘くないのかいまいちね……」


「うん??……美味しかったよ?」


 そうじゃないんだよなぁ。違うんだよなぁ。何でそう……あーっ!みたいな心境の、レナであった。


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