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肆号
5P
しおりを挟む店の奥には有料の、イスとテーブルが用意されたブースがある。そこは温かい液状のチョコレートが噴水のように流れるチョコレートファウンテンがあり、果物を付けて食べるらしい。
チョコレートファウンテンのチョコはミルクチョコ、ホワイト、ブラック、イチゴ、抹茶があり、ブースに入る前にお金を払えば30分の食べ放題だとか。
ルカは財布と相談しながら、試食して気に入ったチョコをカゴに次々と入れていく。有り金を使い果たす気か。
レナはしばらく手ぶらで店の中をブラブラ眺めてからカゴを取り、イチゴ味を、特に派手なドピンクなのを中心に入れていく。
「あれ、レナってコーヒー苦手じゃなかったっけ?」
背後からルカがカゴの中を覗き、驚いたレナはバッとカゴを隠した。顔が真っ赤だ。結構真剣に集中して選んでいたようで、飛び上がるほどの驚きよう。
「あ、あぁぁぁ主……いつも仕事大変だし、お世話になってるから。なんとなく気が乗ったからあぁ、特別にプレゼントしてあげるのっ!何か文句あるうぅ!?」
「ないけど、レナはやっぱり優しいのね。あたしも、皆にこれを買ってあげようと思って。ユラにはこれ、甘さ控えめのチョコ大福、抹茶味」
「やさっ!?…………ルカの方が優しいじゃない。それ、甘いのか甘くないのかいまいちね……」
「うん??……美味しかったよ?」
そうじゃないんだよなぁ。違うんだよなぁ。何でそう……あーっ!みたいな心境の、レナであった。
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