moon child

肆号

２P

「あ、おかえりいぃルカぁ……って、何でそんなビショ濡れなのよっ！？雨なんか降ってないわよねえぇ！？」


　屋上でのユラと別れ部屋へと戻ってきたルカを出迎えたのは、同室のレナ。床に寝転がって漫画を読んでいた。冒険ファンタジーがお好みのようだ。


「ユラと手合わせしてボロ負けしたの。シャワー使うから」


　そう言って風呂場に向かったルカは、シャワーを浴びながらチョコレートのストックが残り少ないのを思い出した。


　だから早々に出て髪を適当に乾かすと、下着をつけながらレナの元へ。大丈夫、パンツはちゃんとはいている。


「レナ、街に新しいチョコレートの専門店ができたの。一緒に行かない？」


「ちょっとルカ！いくら女の子同士だからって、それはちょおぉーっと……せめてブラはつけてよおぉ。って、ブラのサイズギリギリじゃない、見せつけてんのおぉ？サイテー」


「これ、ちょっと小さいけどデザインが気に入ってるから。で、行く？オープン記念にオリジナルストラップを無料でくれるんだって」


　明らかにサイズ違い、ものがデカすぎて可哀想なブラを無理に着け服を着るルカ。布面積が少なすぎて、服を着ていなければすぐにポロリしてしまいそう。


　そんなルカをものすごい不快そうに睨み付けているレナは、それでも行く気はあるらしく漫画を元の本棚に戻す。鏡を見ながら髪を整え、ニヤッ。


「仕方ないわねえぇ。気が向いたから、このあたしがついて行ってあげるわ。感謝なさい」


「うん。あ…………お金、あんまりない。買い溜めできない……」


　着替え終わり財布の中身を確かめたルカは、チラッと視線をレナに向けた。