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第11章
⑧
しおりを挟むもはや典型的なドラマパターンだけど。俺かまだフラフラながらも「やめろ、俺は嬉しくねぇよ!」って叫んでいるハスキーさんが彼女を無力化させるしかない。
ギュッとボトルを握りなおすと、もう片方の手に力を感じた。蛍様の手をつないでいる手だ。
「さっきから何をバカなことをベラベラベラベラ。あんた、酔ってるでしょ?シラフじゃあこんなこと思いつかないし、怖くてできないものね?」
蛍さんが、もう1本あった空のボトルを握って彼女に向けた。
「1度、水でも頭からかぶって冷静になったら?あんたが言ったこと、まとめたら『ハスキーさんは永遠にナンバーワンになれない』なんだけど?本当にそうかしら?急にハルトが下落することだってあるかもしれない。ハスキーさんのお姫様達が頑張って頑張って、いつかフッと1位をとることだってあるはずよ?それをあなたは、自分じゃないとそれができないって言ったのよ?理解できた?」
蛍様、目がマジなんだけど。すんごい煽ってない!?彼女が酔ってるのは気づかなかったけど。
蛍様の静かな剣幕にやっとハスキーさんが立ち上がり彼女から包丁を奪おうとするが、ビッ!と包丁を向けられ動けない。
警察が来るまでの時間稼ぎ?でも、今の彼女には火に油。
「はんっ!ドロボー猫が言うことなんて全く理解できないわ!ゴタクはいいから、さっさと死になさいっ!!」
まさかの、2本目の包丁を隠し持っていた。両手に1本ずつ包丁を構えて突っ込んでくる!片方を受けてでも包丁を弾き飛ばさないと。
俺は飛び出して、歯を食いしばりながらボトルを振り上げた。目の前に2本の包丁が迫る。
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