上 下
4 / 16

4 ユニークスキル

しおりを挟む
 パァァァァン!

 ドサ……

 バタン。


 ふぅ……

 このダンジョンのモンスターを倒すのもずいぶん楽になってきた。


■ ■ ■ステータス■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

名前:クラム
性別:男
年齢:43

所有スキル
最強軍団 
スキルレベル:9
CP:9/9
[兵士]
 傭兵(CP1) Lv1
 狩人(CP2) Lv1

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

 近くにいるモンスターを倒しているうちに気付けばスキルレベルも9まで上がった。

 倒し始めはサクサク上がっていたレベルもそろそろ上がらなくなってきた。このあたりにいるモンスターはみんなスライムレベルの雑魚ばかりだもんな、はじめてモンスターを倒せたことに浮かれて倒しまくっていたけど、正直やりすぎなくらい倒しまくってきた。

 もっとスキルレベルが上がったら新しい兵士が増えるのかな?
 次はどんな兵士が使えるようになるのか、楽しみだ。


「キキキキ」

 おっ、この声はゴブリン。

 こいつもここで何度も倒した今や楽勝な相手だ。


 陸の相手には傭兵が相性がいい。

ポポポポポポンッ!

「「「「ウォーーーーーーーーー!!」」」」

 一気に6体の傭兵を出した。

 ゴブリン程度なら傭兵3体もいれば楽勝だ、まぁ景気付けに一気に倒してやる。

 オーバーキルって奴だ!


 ポコポコポコポコポコ!!

 6体もの傭兵に囲まれたゴブリンは身動きも取れず瞬殺した。

 うーん……なかなかの強さだけど、相変わらず間抜けな攻撃音だ。


 倒したゴブリンが消滅していくのと共に頭の中から声が聞こえてきた。

ーオーバーキルボーナスで経験値が多く入りますー

 ほへぇぇぇ……

 そんなものがあったのか、それなら雑魚相手でも戦力を温存するより、思いっきり倒しに行った方がいいのかもな。



ースキルレベルが上がりましたー

 おおっ! やった!
 オーバーキルボーナスのおかげでスキルレベルまで上がった。

 これでスキルレベルが大台の10に到達だ!


ー新兵士『盗賊』が使えるようになりましたー

 うおーー!! まさかの新兵士!

 こりゃすごい、さっそくステータスを確認してみるか。


■ ■ ■ステータス■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

名前:クラム
性別:男
年齢:43

所有スキル
最強軍団 
スキルレベル:10
CP:15/15
[兵士]
 傭兵(CP1) Lv1
 狩人(CP2) Lv1
 盗賊(CP2) Lv1
 ・ユニークスキル:アイテム優先

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


 あっ、いつもよりも多くCPの上限が増えてる!

 いままではスキルレベルの数値と同じだったのに、基本のアップにプラスして「+5」されたみたいだ。

 レベルが大台に到達すると、基本値にさらにボーナスが入るのかな?
 これで使える数が増える、ますます強くなるぞ!


 さてさて、問題の盗賊は……っと。

 コストは狩人と同じか。

 ってそれよりももっと気になるのはこの『ユニークスキル』ってのだ。

 アイテム優先?
 どういうことだ??

 言葉だけじゃ具体的にどんなものなのかわからないなぁ……


ポンッ!

 考えるよりも実際見たほうが早い!

「フンッ」

 キザな第一声を上げ、盗賊が出現した。

 大きさはこれまで通りのミニチュアサイズだ。
 バンダナを頭に巻いて、ナイフを手に持っている。

 こいつも傭兵とは違い鎧ではなく、軽装だ。
 『盗賊』ってだけあってスピード重視なのかもな。

 他の兵士と同じように盗賊も俺の元を離れキョロキョロとあちこちを移動しはじめた。


 傭兵よりも数倍動きが早い、こりゃ追いかけるのは大変だ……

 で、肝心の『アイテム優先』っていうのはどう影響するんだ?


 盗賊は結構な速度で、あちこちを確認して回りグングン進んでいく。

 おいおい……
 先に行きすぎだろ。



 こんな薄暗い洞窟の中じゃ少し離れるとどこにいるか見えなくなってしまう……


 タタタタタタッ

 足音は聞こえるけど、もうどこにいるか見えなくなった。

 この流れ……今まで通りだと、モンスターを勝手に見つけて戦い始めるながれだけど……



 カチッ

 カチッ


 音が変わった?


 叩いてるような音だ。

 やっぱりモンスターと戦ってるのか?

 大丈夫か? 一体で勝てるような強さには思えないぞ……


 パキッ


 何かが外れたような音がした。


 争っているようには聞こえなかったな。

 何をしてたんだ?



 盗賊はタタタタと小気味いい足音をさせ、俺の元まで戻ってきた。
 手に何か持って帰ってきてる。


「それ……もしかして!」

 はじめのスライムと戦ったときに見つけた宝石と似てる。
 今度のは前の七色に光っているのとは違い赤色だ。

「お前、これを探しに行ってたんのか?」

「フンッ」

 キザな盗賊は最後までニヒルに振る舞い、宝石を俺に渡したら役目を終え消滅した。

 ふむふむ。なるほどね。

 これが『アイテム優先』ってことか。

 盗賊はモンスターを倒すことじゃなくて、このダンジョン内にあるアイテムを採取してくるのがメインの兵士ってことだな。

 ちょっと待てよ……

 この兵士すごいんじゃないか?

 安全なところに身を隠して盗賊を出しまくっていれば、このダンジョン内にあるアイテムを根こそぎ回収できるんじゃ?

 俺が苦労してアイテムを探索する必要がない。

 しかもこのダンジョン、スキルレベルを上げる宝石が落ちている。

 ここにいればめちゃくちゃ強くなれるかもしれないぞ……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる

遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」 「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」 S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。 村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。 しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。 とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

最弱職テイマーに転生したけど、規格外なのはお約束だよね?

ノデミチ
ファンタジー
ゲームをしていたと思われる者達が数十名変死を遂げ、そのゲームは運営諸共消滅する。 彼等は、そのゲーム世界に召喚或いは転生していた。 ゲームの中でもトップ級の実力を持つ騎団『地上の星』。 勇者マーズ。 盾騎士プルート。 魔法戦士ジュピター。 義賊マーキュリー。 大賢者サターン。 精霊使いガイア。 聖女ビーナス。 何者かに勇者召喚の形で、パーティ毎ベルン王国に転送される筈だった。 だが、何か違和感を感じたジュピターは召喚を拒み転生を選択する。 ゲーム内で最弱となっていたテイマー。 魔物が戦う事もあって自身のステータスは転職後軒並みダウンする不遇の存在。 ジュピターはロディと名乗り敢えてテイマーに転職して転生する。最弱職となったロディが連れていたのは、愛玩用と言っても良い魔物=ピクシー。 冒険者ギルドでも嘲笑され、パーティも組めないロディ。その彼がクエストをこなしていく事をギルドは訝しむ。 ロディには秘密がある。 転生者というだけでは無く…。 テイマー物第2弾。 ファンタジーカップ参加の為の新作。 応募に間に合いませんでしたが…。 今迄の作品と似た様な名前や同じ名前がありますが、根本的に違う世界の物語です。 カクヨムでも公開しました。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

食うために軍人になりました。

KBT
ファンタジー
 ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。  しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。  このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。  そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。  父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。    それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。  両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。  軍と言っても、のどかな田舎の軍。  リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。  おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。  その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。  生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。    剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

いや、あんたらアホでしょ

青太郎
恋愛
約束は3年。 3年経ったら離縁する手筈だったのに… 彼らはそれを忘れてしまったのだろうか。 全7話程の短編です。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

裏社会の令嬢

つっちー
ファンタジー
ある日、学校へ行く途中トラックに轢かれそうになった小さな子供を助けたと同時に身代わりになって死んでしまった私、高ノ宮 千晴は目が覚めたら見知らぬ天井を見上げていた。 「ふぇ!?ここどこっ!?」 そして鏡を見るとそこには見目麗しい5歳?の少女が...!! これは異世界転生してしまった少女、高ノ宮 千晴改めアリス・ファーロストがなんとなく生きていく物語。

処理中です...