全てに干渉する能力を手に入れた俺はこの世界の管理者になることを決めました

ゆに

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第34話 サードアイ

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アサヒとマヒルのつば迫り合いは続いていた

マヒルの心の篭っていない目にアサヒはやるせない気持ちになっていた


マヒルはアサヒの刀を振り払った


最悪の結果になるのはしかたない……わかってはいるが、アサヒは決断しきれていなかった

アサヒは複雑な心境のまま、マヒルから距離を取った


「アサヒ、ここは俺がやる」

そういったのはシンドだった


「シンド…… 目が!」

アレフが真っ先に声を上げた


シンドがいつも閉じていた目を開いている

「大丈夫かなのか?」

アサヒもシンドを心配した

「今までずっと一緒にいたのに、こんな普通に話しかけられたのは、はじめてだな」

シンドは笑っていた

「ここを切り抜ける方法はこれしか思いつかない……」

シンドは何かを決心しているようだった

「シンド……」

アサヒは何も言えなかった


シンドはオーラを額の模様に集めだした

額の模様は動きだし、はっきりと目の形になった


すると、シンド全体がオーラで包まれた


子供がシンドの姿をみて心を躍らせていた

「おぉ、ここで見れるなんて思わなかったよ」

「管理者様、あれは何なんですか?」
シンドの額についてミュウが子供に尋ねた

子供は嬉しそうにミュウを見つめた

「あれはサードアイって言うんだ」


シンドのオーラはさらに高まってきていた



「あれはヨーガ族と言ういつも目を閉じている一族達が持つ特別な能力なんだ」

「ヨーガ族って言うのはみんな目を瞑ってるんですか? 不思議ぃ……」

「そう、そのヨーガ族は普段は広範囲を見ることができる能力を持っているんだけどね、ヨーガ族の中でも選ばれた者だけは両目を開く時に戦闘能力を上げることができるらしいんだよ」

「じゃあアイツはすごい奴ってことなんですね」

「まあそうだね、それでもマヒルに敵うかはわからないけどね」


シンドのオーラから蒸気がではじめた

「シンド…… 凄いことになってる」
アレフはシンドの変化に見とれていた

アサヒはシンドを見て汗をかいていた

命を削っている、この能力は尋常じゃない……


「無理はするなよ」

アサヒがシンドに送れる、精一杯の励ましだった


「この状態で無理をするなってのは無理だけど…… 頑張ってみるさ」


シンドの準備は整ったようでマヒルに向かっていった


マヒルもシンドに歩みよった


先に仕掛けたのはマヒルだった、透明になるまで研ぎ澄ました右手先のオーラでマヒルに斬りかかった


マヒルの動きにシンドは何もせずに立ち止まった


ドッ


重い音だった
マヒルのオーラが、シンドに当たった


アレフは閉じていた目を開きシンドを確認した


「止まってる……」


マヒルのオーラが、シンドを斬ることができず止まっていた


シンドはマヒルの透明なオーラを手で掴んだ


バリィィッ

オーラを掴んだ手を引きよせ、マヒルのオーラを分断した

シンドは手に持ったガラス片のようなマヒルのオーラをマヒルに投げつけた


マヒルはそれを回避するが、左頬をかすり出血した

「自分のオーラでも傷ができるんだな」

シンドがマヒルの傷を見ての独り言だった


「すごい…… シンドあんなに強かったんだ……」

アレフは自ら攻撃をするシンドを見たのはじめてだった


ボッボッボッ


シンドに向けてオーラの塊が放たれたがシンドのオーラに阻まれ、傷はつかなかった


不意打ちか……

シンドが見た先は、ミュウだった


「あわわっ 管理者様! あ、あいつ硬いです! 強いです!」


しかし子供は余裕の表情だった

「意外とやるみたいだね」

子供はマヒルを見つめた


「マヒル…… わかってるよね?」

ミュウはその言葉を聞いてゾクっとした
深層心理に響くような得体の知れない恐怖を感じていた


「はい……」

言葉少なにマヒルは右手先のオーラを再度元の形に戻し、シンドに向かった


マヒルの足にオーラが充満していた


その後だった


マヒルの姿が見えなくなった


消えた?

アレフとアサヒにはそうとしか思えなかった


シンドが危ない!

目をやると、シンドの背後にはマヒルが構えて立っていた


マヒルが右手を横に振った


手応えがない……かわされたか


シンドは宙返りし、マヒルの頭上を飛んでいた


左足ふくらはぎに出血をしている

マヒルのオーラは見た目は同じようだが、よりオーラの密度を高くし、シンドに通るようになっていた

シンドは頭上からマヒルの頭を掴もうとしたがマヒルは首を振って回避した


シンドの動きはなんとか目で追える、速さは敵の方が上か……

アレフはそう分析していた


アサヒはシンドの行動に疑問を感じていた

シンドは何をするつもりだ?

自力で言えばこの状態でも兄さんの方が上だろう

足掻いてるようにも時間を稼いでるようにも見えない……

何かを狙っている


「今ので掴みたかったな……」

シンドの心からの声だったのかもしれない


シンドは左足を引きずっていた

左足にはオーラが消えていた


「もう限界来ちゃったか」

子供がより嬉しそうに話し出した


「限界ですか?」

ミュウが子供に尋ねた


「サードアイのあの能力はね、生命力を燃やしているせいで制限時間があるんだ」

「時間がくるとああやってオーラが廻らなくなってくるんですね」


「そう……そしてあの能力を使った人は最後に……死ぬ」


子供のオーラが黒く淀んだ
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