全てに干渉する能力を手に入れた俺はこの世界の管理者になることを決めました

ゆに

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第33話 戦闘狂

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ニールは覚醒したマヒルの一太刀でダウンした

5人の中の壁役が奥の手まで使っても無力だった……しかもまだ何が起きたのかすらシンド達は理解できていなかった


ニール心配だが、気にかけている余裕もない

マヒルはすぐにターゲットをアレフに変えた


「くっ……!」

何もしない訳にはいかない、アレフは爆撃をマヒルに向けて放った


ボゴォォォン


マヒルを確実に巻き込み爆発は起きた


「よし! やった!」

思ったよりも上手く当たった、これならダメージはあるはずだ、アレフは勝ち誇った表情で爆発の煙を覗いた


「……」

シンドはサードアイで先に状況を把握していた


無傷だ


何事もなかったかのように、マヒルは煙から歩いてアレフに向かってきた


「くそっ! くそっ!」

マヒルは心のどこかで聞いていないことがわかっていた

準備していたかのように爆撃を何度も連続でマヒルに放った


「ムダよ……」

ミュウが自信げにつぶやいた


爆撃の煙が立ち込めていた

ハァ ハァ……


かなりの数の爆撃を行い、アレフは息が切れていた

しかし、またも何もなかったかのように煙の中からマヒルの影が見えてきた

影はアレフに近づき、腕を振りかぶるような仕草をとっていた

煙ごしにマヒルの手の先からオーラが鋭く尖って出ているのが見えた

形状は今までもマヒルがしてきた剣状のオーラと同じだったが、鋭さは別格だった
オーラが濃縮されすぎて透明に見えていた


ニールはこれにやられたのか……


アレフはやられることを覚悟したのか、少し冷静にマヒルを見ていた


マヒルがアレフに向けて右を振り下ろしたとき


ギィィィィン


アサヒが刀を抜き、刃の部分でマヒルのオーラを受け止めた


アレフは驚きのあまり、腰を抜かして地面に膝をついた


「兄さん……」

アサヒの言葉になんの反応も示さず、つば迫りあいの状態は続いた




少し離れた場所でシーナは異変を感じていた


何か大きな変化が起こる

そんな予感を感じた

それまでずっと抱きしめていた冷たくなったペディとマニィをそっと離して地面に寝かせた


「ごめんね、姐さん達……行かなきゃ」

「シーナ! 俺も!」

近くの木の幹に座り休んでいたソーマはシーナが動いたのに反応した

走り出したソーマは後ろを少し振り向いた


「ソーマ…… ここに戻って来るからね」

「…… 墓作ってやらないとな」

シーナは前を向いたままソーマに顔を見せようとしなかった

数分間走っただろうか

シーナはサングラスをかけ周りを見渡した


「あれ、すぐ近くにキョウドウがいる……」

キョウドウはまだライアと戦っていた

「でかい爪の奴と戦ってる」

「もしかしてライアか?」


ソーマはシーナが気にしている方へ歩き出した

「あっ」

ソーマの視線の先では、キョウドウとライアが戦っていた


2人ともなんだか楽しそうだ

ライアがキョウドウに飛びかかった

キョウドウはオーラソードを構える

オーラソードの射程に入るところでライアは一瞬身を引いた

飛びかかってくると思ったキョウドウはオーラソードを頭上に振り上げ前かがみになった

それを見たライアがキョウドウの横腹を狙い水平に爪で攻撃をする

無防備な体制なキョウドウは自分の分身をオーラで出し、分身のオーラソードで爪を切り落とした

爪を切り落とされたライアを狙い、キョウドウ本体がライアに剣を振り落とした

が、ライアは素早くそれを回避した


こんな攻防をずっと繰り返していたようだ


「戦闘狂だ……」

楽しそうに戦っているキョウドウ達をみてソーマはそう表現した

「ソーマ、行こう、その2人は関係ないでしょ」

シーナはキョウドウ達よりも早く問題の場所である子供のいるところへ行きたかった

「そうだな」


その時だった

シーナ達の上空スレスレを小型ジェット機が通過した


「うわっあぶねっ!」


想像以上に間近を通過したジェットにソーマは思わず声をだした


ライアもジェットに気付き戦いの手を止めていた

あれは、博士のジェット
なぜここに来ているんだ?

疑問がライアを取り巻いていた


「悪いな、この勝負は預ける」

ライアはジェットの方へ向かうことにした

「なんだ、どうした?」

キョウドウは1人事態に気付いていなかった

「はじめから違うと思ってはいたが、お前は俺らが狙うべき者ではなさそうだ、もう戦う理由がない」

ライアはそう言うとジェットの方に向けて走りだした

キョウドウは、よく意味がわからなかったが、ライアの後をついていくことにした

「用があるなら俺も手伝うぞ!」

ライアはキョウドウをチラッと見たが、無視して走り続けた


あのジェット機、シーナが向かおうとしてる方向へ向かってないか……

ソーマはジェットの方向が気になっていた

「目的は同じかもね」

シーナとソーマもまた走り始めた
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