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SS セタが組織に入るまで 〜ホストクラブ殺人事件〜
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ここはニューヤド区ウキヨ町
世界一の歓楽街とも言われるこの街でセタはホストをしている。
華やかな街で最も人気のある店、ラ・ルメール
サンゲンの組織に所属しているセタはかつてそこのNo.2だった
ラ・ルメール店内はテーブル席が20席用意され、鮮やかな装飾と妖艶な照明で独特の世界観を作り出している。
セタはいつも通り上客相手に接客していた
セタは自身のオーラを相手に飛ばすことで相手の記憶を操作する能力を持っている
しかし、客相手には能力を使わない
それがセタのポリシーだった
自分の実力、即ち、自分の魅力だけで客を満足させる
そうでなければホストをしている意味がない。
「ねぇセタ、今日は飲みたくないけど話を聞いてもらいにきたの……」
最近ではこう客も珍しくない
セタは客に対して高級品を頼ませる様なことはしたことがなかった。
「酒なんてオマケだ……ここは俺と話をする空間なんだ、なんでも聴かせてくれ」
スタッフに高級なミネラスウォーターを持って来させた
「セタからのプレゼントです」
スタッフの言葉を聞きくと女性客は嬉しそうに微笑み、セタとの会話を弾ませた。
2時間くらいたっただろうか……
結局女性客は高級なフルーツ盛りを頼み満足そうに帰って行った。
それがセタの営業スタイルだった
周りがガツガツと営業する中、あくまでマイペースにそして、目先の利益に囚われない
そんなセタを尊敬し慕うものも少なくないが、飄々と結果を出す姿を妬む者も多かった。
その日の終わり……
いつものように営業終了後、スタッフ達と売り場のテーブルを囲み話をしていた
「セタさん、凄いっすね、今日は酒無しで高額ですか?」
調子の良い話口でホスト仲間のムサシが乗せてきた
「別に大したことじゃない」
持ち上げられることは珍しいことじゃない
セタは軽くあしらった。
「お客様はアルコールじゃなくて、俺に酔ってるんだってか? すごい自信だねぇセタさんよぉ」
嫌味な言い方……こいつはホストのヒエンだ
ヒエンはどんな手を使ってでも売上を伸ばそうとする、業界では正統派と言われるタイプのホストだ。
女を札束としてしか見てなく、破滅させた女も少なくない、それだけでなく、身内に対しても悪評を巻き、蹴落とし続けてきたため仲間からの評判は悪いが結果を出し、ようやくNo.5まで上り詰めた。
ここまでしてようやく上り詰めたヒエンに取ってガツガツしてないセタは気に入らない、蹴落としたい対象だった。
嫉妬されることだって珍しいことではない、セタはヒエンの罵声を相手にもしなかった。
「そうやって、いつまでも済ましてろ! いつか痛い目にあうからな!」
下品な言葉遣いだ……セタはヒエンに関わらずに別の者との話を続けた。
それから数日後、事件が起きた
昼過ぎ、セタがまだ寝ている頃、電話が掛かってきた。
「おう、俺だ……」
決まりの応答で電話にでる
「セタ……やばいぞ」
ラ・ルメールのオーナーだった。
オーナーはいつも「忙しい」が口癖で姿を見せない、何かあるときは大概電話だった。
「やばいって言われても……俺は何もした記憶が無ぇ」
本当に心当たりが何もないセタは素直に答えた
「ヒエンが自殺した……」
「は?」
「遺書があったみたいでな、そこにお前の名前が載ってるらしいんだよ」
「俺の名が?」
俺がヒエンによく思われてないのは確かだ……
だが、もちろん俺は何もしていない……
ヒエンを自殺させるほど追い込むようなことはないはずだが……
オーナーはその後、警察から連絡があるかもしれないとセタに伝え電話を切った。
仲間が死んだ……
疑われているみたいだが、何が起きたのか知りたい、セタは自ら警察に事情を話しに行った。
ニューヤド警察署に着くと、思ったよりも丁寧にあしらわれた。
容疑者として扱われてる訳じゃないのか……?
調べ室に案内されるとそこにいたのはサンゲンだった。
「俺以外は外に出てくれ」
セタが連れてこられた矢先、サンゲンは調べ室から他の者を排除した。
なんだこいつは……
この時がセタとサンゲンのはじめての出会いとなる。
「能力者だな……」
サンゲンは開口一番セタに向けて言った。
俺の事を知っている?
こいつオーラが出ている……
能力者は普段から体からオーラを放っている、能力者であるかはそれを見たら判断が可能となる。
こいつも能力者か……
「そんなに構えなくていい……」
「お前は何者だ……? 能力者がこんな所でなんのようだ?」
「なんだ、わかってたのか……もちろん君に危害を加える気は無い、ついでに俺は警察じゃないしな」
「警察じゃないだと? じゃあ何故ここにいる?」
「俺は能力者を集めている、それで君をスカウトしに来たんだ」
「……お前は何者だって聞いてるんだよ」
「失礼……俺は検事をやっている、ただ近々それを辞め組織を立ち上げるつもりだ」
「なんだ、やっぱり警察側の人間じゃないか」
面倒だ、こいつの記憶を操ってヒエンの事を聞き出し帰るか
「俺を操ろうとしても無駄だぞ……」
知ってる?
こいつ俺の能力を見たことがあるのか?
「お前何故それを……?」
サンゲンは勝ち誇った表情で笑みを浮かべた
「俺は未来が見えるんだ」
「未来だと……」
「それが俺の能力だこの先のことも見えている」
先が見えている人生なんてつまらない……それがセタの持論だった。
「じゃあ、俺がこれからどうなるのか教えてもらおうか」
答えの真逆の事をしてやる……それでこいつは帰るだろう
サンゲンはまた笑みを浮かべた
「君は俺の組織に入ることになる」
バカか……そんなところに入る訳……
「ヒエンは能力者に殺された、これは殺人事件だ」
「何?」
調べ室の外から刑事が入ってきた
「話が違うぞ、捜査情報は言わない約束じゃ……」
「参考人に話を聞いてる途中だ、出て行ってくれ!」
サンゲンは強めの語彙で刑事を追い返した
「……すまないな、と言うわけで事件を捜査してるのは事実だ」
サンゲンはまた、落ち着いて話し始めた
「一般人が気付かない所で、能力を使った犯罪が増えている、俺はこれからそれを取り締まる組織を作る予定だ」
俺以外にも能力を使える奴がいるのか……
「君の能力は素晴らしい、ぜひ俺の組織に入ってもらいたいと考えている」
セタは元々、ホストに憧れていたわけではない
昔からなんでも一番だった
何をやってもそれなりに結果をだしてしまうセタは日々に退屈していた。
周りは何故こんなにもできない者が多いのか、俺よりも努力することができるものはいないのだろうか……
出来る者ゆえの悩みはセタの意欲を低下させていった。
ホストを始めたのは、自分とは最もかけ離れた事をしてみようと思ったからだ
周りからは官僚間違いなしと言われるような学歴と知性だったが、決められたレールを嫌うセタはそれを望むもの達を驚かせる意味も込めホストを始めた。
結局、ホストを始めても成功し、みるみる成果を上げていった。
目の前にいる人を喜ばせ成果を上げさせる、実力主義のホストの世界にそれなりにやりがいを感じ、天職なのではと感じだしていた。
そこに来てのサンゲンの話……刺激的ではあるが、悩んでいた。
「すぐ答えて欲しいわけではない……よく考えてくれ」
「まずはヒエンだ……俺はヒエンの事を知りたいんだ」
「じゃあ逆に試させてもらおう、ヒエンを殺した犯人を見つけてみせてくれ、それくらいできない者なら、俺の組織には必要ない……」
試されてるのか……
セタの心に火がついた
「乗ってやるよ……ヒエンの犯人は俺が見つけてみせる」
サンゲンは笑みを浮かべながら立ち上がり調べ室を出て行こうとした
「君は俺の組織に入ることになる……」
振り返る事なくセタに告げ、サンゲンは出て行った。
サンゲンか……気に入らないやつだが、やろうとしてることに興味はある
あいつに言われたままでいるのは気に入らない
ヒエンを殺した犯人を必ず見つけてみせる。
セタはその夜、セタを慕うムサシにヒエン死んだ時の情報、近しい人物を調べるように指示した。
数日後
「セタさん、いやぁキツかったですよ……人使い荒いなぁ、一応言われた事色々とわかりましたよ」
ムサシは敏腕だ……言われた通り、あちこち聞き回り情報を探ってくれたようだ
「悪いな、で、ヒエンはどう死んでたんだ?」
「首を吊ってたみたいです」
首吊り……自殺なら定番ってとこか
「それを見たやつは?」
「はい……ヒエンの彼女が発見したそうです、そこで首を吊ったヒエンと遺書を見つけた、と」
「彼女なんだな……で、遺書には何が書いてあった?」
「すいません……詳しくはわからないんですが、セタさんのせいで俺はこうなったと書いてあったそうです」
「それは誰に聞いた?」
「ヒエンの彼女です」
ヒエンの彼女……話を聞いてみるか
「他に最近、ヒエンに恨みを持ってそうな奴とかはわかったのか?」
「うーん……あいついろんな奴から恨み買ってはいたんで……」
後はしらみつぶしに調べるしかないか……
girl'sクラブ ロザリオ
ここでヒエンの彼女は働いているらしい
それなりに繁盛しているキャバクラのようだ。
黒服に案内され、セタは席に着いた
雰囲気は悪くないか、まあごく普通のキャバクラだな
セタは店の様子を観察していた
店自体に怪しい雰囲気は感じられない
「カヲルでーす、おまたせ~」
こいつがヒエンの彼女か
「はじめての人に指名されるなんてびっくり! 何で私の事指名してくれたの?」
軽いノリのタイプか
「いやぁ店頭の写真見てドキッとしちゃってさぁ」
いつもより、高いトーンの声で軽いノリを出した
「まじぃ? 始めてだよこんなの、でもうれしいよ、ありがとぉ」
カヲルはセタの水割りを作り出した
「カヲルは彼氏いるの?」
「いないよぉ、どぉしたらできるのか教えてよぉ」
「俺の横にいたら今すぐに彼氏できたっていえるよ」
「エヘヘ、お上手だねぇ」
水割りをセタに渡した
「ほんとねぇ、いい人がいればいいんだけどねぇ……」
「ヒエン……」
セタがボソッと呟く
その言葉を聞くと、カヲルの表情が強張った
「あなた誰ぇ? なんでその名前を知ってるのよぉ」
セタはいつも通りのトーンに戻り落ち着いて話出す
「ヒエンとはどんな関係だ?」
「知らないよぉそんな人……」
困ったような態度を取っているが、内心慌てているのが見ててわかる
「彼女だったんだろ?」
「ち、違うってぇ……」
「俺が遺書に書いてあったセタだ」
カヲルの瞳孔が開いた
「あなたがセタ……?」
態度が変わった
「俺はヒエンがなんで死ななきゃいけなかったのか知りたいんだ、知ってることがあれば教えてくれないか?」
カヲルは目に涙を浮かべ出した
「帰ってください、いいたくありません……」
嘘だ……
この女嘘泣きをしている。
このタイミングでこ 嘘の涙……何を隠している?
セタはカヲルをじっと見つめた
見つめられていることに気付いたカヲルはセタと目を合わせた
セタが能力を使い出す
カヲルの目から生気が失われだした。
これくらいでいいか……
「ヒエンの事を教えろ」
「はい……」
カヲルは機械のように無機質にセタの質問に答え出した。
「私はヒエンと付き合ってました……でも、暴力は振るうし、私のお金を持っていくし、もう好きじゃありませんでした」
ヒエンに気がないのは確かだったか……
「ヒエンは何故自殺した?」
「わかりません……」
「遺書の内容は?」
「セタが怖い、このままだとセタに殺されると書いてありました」
俺に殺される?
「死ぬ前のヒエンに何か変化はあったのか?」
「急にブツブツ言うようになっていた様な気がします……」
事前に兆候があったと言うことは死ぬ前に無理やりやられた訳ではないと言うことか
だが、どんな能力だ?
俺が怖いという遺書の言葉も関係があるのか?
まあそれはいい
「嘘泣きをした理由は?」
カヲルは黙り込んだ
しばらくしてゆっくりと話し始めた
「ムサシ……ムサシがそう言うから」
ムサシだと?
ラ・ルメール店内でムサシはくつろいでいた
営業時間を終えくつろいでいる中、仲間たちとは離れ一人で考え事をしているようだ
「なぁムサシどうしたんだ……」
「さっきからなんか一人で言ってるぞ……」
いつもと様子が違う……周りはムサシを心配していた
そんなところにセタが入ってきた
「セタさん、今日は休みだったはずじゃ」
「セタ、珍しいな終わりに来るなんて」
仲間の声掛けを相手にせず、セタはムサシの元に向かった
「ムサシ」
セタの声にムサシが振り向いた
「セタさん! 休みなのに会いにきてくれたんですか!?」
一見、違和感のないいつもどおりのムサシだった
「ムサシ……カヲルに何を言った」
「えっ? だ、誰ですかカヲルって?」
露骨に焦り出した……やっぱり何か知っている……
セタはムサシにも能力を使った
ムサシの目から生気が無くなる
「セタ……お前が憎い……お前さえいなければ……」
ムサシはセタが質問をする前から話を始め出した
俺の能力にやられたら、俺が質問しなければ何も答えないはずだ
別に能力をかけられてるか
セタの携帯が鳴り出した
「おう、俺だ」
「セタ、なんだ職場に来てるのか?」
オーナーだった
「誰からそれを?」
「そんなことはどうでもいい、それより警察は大丈夫だったのか?」
「お陰様で……」
「ヒエンの周りを嗅ぎまわってるって聞いたぞ……変な事はやめとけ、ろくなことにならないぞ」
「アンタがヒエンを殺したってバレるからか?」
オーナーの動きが止まった
「セタ……いきなり何を言い出すんだ……」
「はじめから分かっていた、アンタが犯人だってことはな、俺にオーラが出てることがバレるのを恐れていつも俺の前に出てこれないんだろ? 今も俺がいるのを大声でスタッフに知らせて隠れていた……」
ムサシが立ち上がり、スタッフルームの部屋の扉を開けた
扉の先にはオーナーが電話を構えて立っていた
オーナーの体にはオーラが纏っている
「能力者同士ならオーラが出てることが分かっちまう」
オーナーから大量の汗がしたたり落ちていた
「問題は能力だったが、それも分かってきた。 アンタの能力は感情操作だ、相手の感情を増幅させる能力で自分の思うようにコントロールしている」
オーナーはじっと黙っている
「図星だったか……」
「分かったからどうなんだ」
オーナーの表情が冷酷なものになった
店内にいる者たちがオーナーの周りに集まりだす
「御察しの通り俺は大衆の感情を操作できる、クラブのオーナーとしては理想的な能力だ」
オーナーは自信満々に演説を始める
「客の恋愛感情を増幅させれば店はもうかる、気に入らない奴は殺せることも分かった……」
「ヒエンか……」
「実験は成功だったよ、あいつの恐怖心を最大限に増幅させてやったらこの通りだ、はじめてのことだったがこれはすごい能力だよ」
ヒエンは俺への恐怖心から自殺した……だから遺書に俺の名が書かれてたのか……
「そして今回はセタ……お前に対する怒りをここにいる全員に増幅させた」
店内にはスタッフ含めて50人くらいの人がいる
その全員がセタを睨んでいた
ムサシもセタに向かってきている
「頭が切れる奴は嫌いなんだよ……しかもそんな奴が能力を使えるようなら最悪だ」
「だから俺を警察に差し向けようとしたのか」
「本当は、あのまま捕まってもらえれば良かったんだけどな、流石に遺書に名前乗ってる程度じゃ掴まらねぇよな……」
「……」
「この人数相手じゃどうしようもないだろ……」
オーナーがオーラを高め出した
それに反応するように、スタッフ達がセタに一斉に迫ってきた。
この人数はまずい……この状況は想定していなかった……
セタは観念し、目を閉じた
「合格だ」
セタは確かにそう聞こえた
ものすごい風だろうか、セタの周りに台風のような風が吹き荒れた。
この風はオーラ、なのか……?
「もういいぞ、カミウマ」
風が止んだ……
「!?」
セタは店内を見渡し、驚愕した
オーナーも含めてみんな倒れている……
さっきの風のせいなのか……?
「すばらしい能力と観察力だ、むしろセタには簡単すぎる課題だったな」
サンゲンが店内に立ってきた
「こいつがセタか……大したもんだな」
サンゲンの相棒、カミウマも一緒だった
全員を倒したのはカミウマの体をオーラに変化させる能力を使ったものだった。
「何故ここに?」
「未来が見えるって言ったろ、こうなることはわかっていた」
サンゲンはさも当然のようにセタに伝えた
「とりあえず、ラ・ルメールのオーナーは逮捕だ、これが俺達のはじめての扱いになる訳だ」
セタは言葉が出なかった、もうここにはいることはできないが、サンゲン達についていってもいいのだろうか……
「早く来いよ、俺と一緒にこの世界を管理していこう、君はその第一号だ」
「考える時間もなしか……」
言葉とは裏腹にセタは微笑んでいた
ホストクラブ ラ・ルメールの洗脳殺人事件
これを機にサンゲンの組織は注目を浴び、公式な能力集団立上げの第一歩となった、この時から国に提出した名簿にはセタの名前が入る。
こうしてセタはサンゲンの組織の入ることになったのだった。
世界一の歓楽街とも言われるこの街でセタはホストをしている。
華やかな街で最も人気のある店、ラ・ルメール
サンゲンの組織に所属しているセタはかつてそこのNo.2だった
ラ・ルメール店内はテーブル席が20席用意され、鮮やかな装飾と妖艶な照明で独特の世界観を作り出している。
セタはいつも通り上客相手に接客していた
セタは自身のオーラを相手に飛ばすことで相手の記憶を操作する能力を持っている
しかし、客相手には能力を使わない
それがセタのポリシーだった
自分の実力、即ち、自分の魅力だけで客を満足させる
そうでなければホストをしている意味がない。
「ねぇセタ、今日は飲みたくないけど話を聞いてもらいにきたの……」
最近ではこう客も珍しくない
セタは客に対して高級品を頼ませる様なことはしたことがなかった。
「酒なんてオマケだ……ここは俺と話をする空間なんだ、なんでも聴かせてくれ」
スタッフに高級なミネラスウォーターを持って来させた
「セタからのプレゼントです」
スタッフの言葉を聞きくと女性客は嬉しそうに微笑み、セタとの会話を弾ませた。
2時間くらいたっただろうか……
結局女性客は高級なフルーツ盛りを頼み満足そうに帰って行った。
それがセタの営業スタイルだった
周りがガツガツと営業する中、あくまでマイペースにそして、目先の利益に囚われない
そんなセタを尊敬し慕うものも少なくないが、飄々と結果を出す姿を妬む者も多かった。
その日の終わり……
いつものように営業終了後、スタッフ達と売り場のテーブルを囲み話をしていた
「セタさん、凄いっすね、今日は酒無しで高額ですか?」
調子の良い話口でホスト仲間のムサシが乗せてきた
「別に大したことじゃない」
持ち上げられることは珍しいことじゃない
セタは軽くあしらった。
「お客様はアルコールじゃなくて、俺に酔ってるんだってか? すごい自信だねぇセタさんよぉ」
嫌味な言い方……こいつはホストのヒエンだ
ヒエンはどんな手を使ってでも売上を伸ばそうとする、業界では正統派と言われるタイプのホストだ。
女を札束としてしか見てなく、破滅させた女も少なくない、それだけでなく、身内に対しても悪評を巻き、蹴落とし続けてきたため仲間からの評判は悪いが結果を出し、ようやくNo.5まで上り詰めた。
ここまでしてようやく上り詰めたヒエンに取ってガツガツしてないセタは気に入らない、蹴落としたい対象だった。
嫉妬されることだって珍しいことではない、セタはヒエンの罵声を相手にもしなかった。
「そうやって、いつまでも済ましてろ! いつか痛い目にあうからな!」
下品な言葉遣いだ……セタはヒエンに関わらずに別の者との話を続けた。
それから数日後、事件が起きた
昼過ぎ、セタがまだ寝ている頃、電話が掛かってきた。
「おう、俺だ……」
決まりの応答で電話にでる
「セタ……やばいぞ」
ラ・ルメールのオーナーだった。
オーナーはいつも「忙しい」が口癖で姿を見せない、何かあるときは大概電話だった。
「やばいって言われても……俺は何もした記憶が無ぇ」
本当に心当たりが何もないセタは素直に答えた
「ヒエンが自殺した……」
「は?」
「遺書があったみたいでな、そこにお前の名前が載ってるらしいんだよ」
「俺の名が?」
俺がヒエンによく思われてないのは確かだ……
だが、もちろん俺は何もしていない……
ヒエンを自殺させるほど追い込むようなことはないはずだが……
オーナーはその後、警察から連絡があるかもしれないとセタに伝え電話を切った。
仲間が死んだ……
疑われているみたいだが、何が起きたのか知りたい、セタは自ら警察に事情を話しに行った。
ニューヤド警察署に着くと、思ったよりも丁寧にあしらわれた。
容疑者として扱われてる訳じゃないのか……?
調べ室に案内されるとそこにいたのはサンゲンだった。
「俺以外は外に出てくれ」
セタが連れてこられた矢先、サンゲンは調べ室から他の者を排除した。
なんだこいつは……
この時がセタとサンゲンのはじめての出会いとなる。
「能力者だな……」
サンゲンは開口一番セタに向けて言った。
俺の事を知っている?
こいつオーラが出ている……
能力者は普段から体からオーラを放っている、能力者であるかはそれを見たら判断が可能となる。
こいつも能力者か……
「そんなに構えなくていい……」
「お前は何者だ……? 能力者がこんな所でなんのようだ?」
「なんだ、わかってたのか……もちろん君に危害を加える気は無い、ついでに俺は警察じゃないしな」
「警察じゃないだと? じゃあ何故ここにいる?」
「俺は能力者を集めている、それで君をスカウトしに来たんだ」
「……お前は何者だって聞いてるんだよ」
「失礼……俺は検事をやっている、ただ近々それを辞め組織を立ち上げるつもりだ」
「なんだ、やっぱり警察側の人間じゃないか」
面倒だ、こいつの記憶を操ってヒエンの事を聞き出し帰るか
「俺を操ろうとしても無駄だぞ……」
知ってる?
こいつ俺の能力を見たことがあるのか?
「お前何故それを……?」
サンゲンは勝ち誇った表情で笑みを浮かべた
「俺は未来が見えるんだ」
「未来だと……」
「それが俺の能力だこの先のことも見えている」
先が見えている人生なんてつまらない……それがセタの持論だった。
「じゃあ、俺がこれからどうなるのか教えてもらおうか」
答えの真逆の事をしてやる……それでこいつは帰るだろう
サンゲンはまた笑みを浮かべた
「君は俺の組織に入ることになる」
バカか……そんなところに入る訳……
「ヒエンは能力者に殺された、これは殺人事件だ」
「何?」
調べ室の外から刑事が入ってきた
「話が違うぞ、捜査情報は言わない約束じゃ……」
「参考人に話を聞いてる途中だ、出て行ってくれ!」
サンゲンは強めの語彙で刑事を追い返した
「……すまないな、と言うわけで事件を捜査してるのは事実だ」
サンゲンはまた、落ち着いて話し始めた
「一般人が気付かない所で、能力を使った犯罪が増えている、俺はこれからそれを取り締まる組織を作る予定だ」
俺以外にも能力を使える奴がいるのか……
「君の能力は素晴らしい、ぜひ俺の組織に入ってもらいたいと考えている」
セタは元々、ホストに憧れていたわけではない
昔からなんでも一番だった
何をやってもそれなりに結果をだしてしまうセタは日々に退屈していた。
周りは何故こんなにもできない者が多いのか、俺よりも努力することができるものはいないのだろうか……
出来る者ゆえの悩みはセタの意欲を低下させていった。
ホストを始めたのは、自分とは最もかけ離れた事をしてみようと思ったからだ
周りからは官僚間違いなしと言われるような学歴と知性だったが、決められたレールを嫌うセタはそれを望むもの達を驚かせる意味も込めホストを始めた。
結局、ホストを始めても成功し、みるみる成果を上げていった。
目の前にいる人を喜ばせ成果を上げさせる、実力主義のホストの世界にそれなりにやりがいを感じ、天職なのではと感じだしていた。
そこに来てのサンゲンの話……刺激的ではあるが、悩んでいた。
「すぐ答えて欲しいわけではない……よく考えてくれ」
「まずはヒエンだ……俺はヒエンの事を知りたいんだ」
「じゃあ逆に試させてもらおう、ヒエンを殺した犯人を見つけてみせてくれ、それくらいできない者なら、俺の組織には必要ない……」
試されてるのか……
セタの心に火がついた
「乗ってやるよ……ヒエンの犯人は俺が見つけてみせる」
サンゲンは笑みを浮かべながら立ち上がり調べ室を出て行こうとした
「君は俺の組織に入ることになる……」
振り返る事なくセタに告げ、サンゲンは出て行った。
サンゲンか……気に入らないやつだが、やろうとしてることに興味はある
あいつに言われたままでいるのは気に入らない
ヒエンを殺した犯人を必ず見つけてみせる。
セタはその夜、セタを慕うムサシにヒエン死んだ時の情報、近しい人物を調べるように指示した。
数日後
「セタさん、いやぁキツかったですよ……人使い荒いなぁ、一応言われた事色々とわかりましたよ」
ムサシは敏腕だ……言われた通り、あちこち聞き回り情報を探ってくれたようだ
「悪いな、で、ヒエンはどう死んでたんだ?」
「首を吊ってたみたいです」
首吊り……自殺なら定番ってとこか
「それを見たやつは?」
「はい……ヒエンの彼女が発見したそうです、そこで首を吊ったヒエンと遺書を見つけた、と」
「彼女なんだな……で、遺書には何が書いてあった?」
「すいません……詳しくはわからないんですが、セタさんのせいで俺はこうなったと書いてあったそうです」
「それは誰に聞いた?」
「ヒエンの彼女です」
ヒエンの彼女……話を聞いてみるか
「他に最近、ヒエンに恨みを持ってそうな奴とかはわかったのか?」
「うーん……あいついろんな奴から恨み買ってはいたんで……」
後はしらみつぶしに調べるしかないか……
girl'sクラブ ロザリオ
ここでヒエンの彼女は働いているらしい
それなりに繁盛しているキャバクラのようだ。
黒服に案内され、セタは席に着いた
雰囲気は悪くないか、まあごく普通のキャバクラだな
セタは店の様子を観察していた
店自体に怪しい雰囲気は感じられない
「カヲルでーす、おまたせ~」
こいつがヒエンの彼女か
「はじめての人に指名されるなんてびっくり! 何で私の事指名してくれたの?」
軽いノリのタイプか
「いやぁ店頭の写真見てドキッとしちゃってさぁ」
いつもより、高いトーンの声で軽いノリを出した
「まじぃ? 始めてだよこんなの、でもうれしいよ、ありがとぉ」
カヲルはセタの水割りを作り出した
「カヲルは彼氏いるの?」
「いないよぉ、どぉしたらできるのか教えてよぉ」
「俺の横にいたら今すぐに彼氏できたっていえるよ」
「エヘヘ、お上手だねぇ」
水割りをセタに渡した
「ほんとねぇ、いい人がいればいいんだけどねぇ……」
「ヒエン……」
セタがボソッと呟く
その言葉を聞くと、カヲルの表情が強張った
「あなた誰ぇ? なんでその名前を知ってるのよぉ」
セタはいつも通りのトーンに戻り落ち着いて話出す
「ヒエンとはどんな関係だ?」
「知らないよぉそんな人……」
困ったような態度を取っているが、内心慌てているのが見ててわかる
「彼女だったんだろ?」
「ち、違うってぇ……」
「俺が遺書に書いてあったセタだ」
カヲルの瞳孔が開いた
「あなたがセタ……?」
態度が変わった
「俺はヒエンがなんで死ななきゃいけなかったのか知りたいんだ、知ってることがあれば教えてくれないか?」
カヲルは目に涙を浮かべ出した
「帰ってください、いいたくありません……」
嘘だ……
この女嘘泣きをしている。
このタイミングでこ 嘘の涙……何を隠している?
セタはカヲルをじっと見つめた
見つめられていることに気付いたカヲルはセタと目を合わせた
セタが能力を使い出す
カヲルの目から生気が失われだした。
これくらいでいいか……
「ヒエンの事を教えろ」
「はい……」
カヲルは機械のように無機質にセタの質問に答え出した。
「私はヒエンと付き合ってました……でも、暴力は振るうし、私のお金を持っていくし、もう好きじゃありませんでした」
ヒエンに気がないのは確かだったか……
「ヒエンは何故自殺した?」
「わかりません……」
「遺書の内容は?」
「セタが怖い、このままだとセタに殺されると書いてありました」
俺に殺される?
「死ぬ前のヒエンに何か変化はあったのか?」
「急にブツブツ言うようになっていた様な気がします……」
事前に兆候があったと言うことは死ぬ前に無理やりやられた訳ではないと言うことか
だが、どんな能力だ?
俺が怖いという遺書の言葉も関係があるのか?
まあそれはいい
「嘘泣きをした理由は?」
カヲルは黙り込んだ
しばらくしてゆっくりと話し始めた
「ムサシ……ムサシがそう言うから」
ムサシだと?
ラ・ルメール店内でムサシはくつろいでいた
営業時間を終えくつろいでいる中、仲間たちとは離れ一人で考え事をしているようだ
「なぁムサシどうしたんだ……」
「さっきからなんか一人で言ってるぞ……」
いつもと様子が違う……周りはムサシを心配していた
そんなところにセタが入ってきた
「セタさん、今日は休みだったはずじゃ」
「セタ、珍しいな終わりに来るなんて」
仲間の声掛けを相手にせず、セタはムサシの元に向かった
「ムサシ」
セタの声にムサシが振り向いた
「セタさん! 休みなのに会いにきてくれたんですか!?」
一見、違和感のないいつもどおりのムサシだった
「ムサシ……カヲルに何を言った」
「えっ? だ、誰ですかカヲルって?」
露骨に焦り出した……やっぱり何か知っている……
セタはムサシにも能力を使った
ムサシの目から生気が無くなる
「セタ……お前が憎い……お前さえいなければ……」
ムサシはセタが質問をする前から話を始め出した
俺の能力にやられたら、俺が質問しなければ何も答えないはずだ
別に能力をかけられてるか
セタの携帯が鳴り出した
「おう、俺だ」
「セタ、なんだ職場に来てるのか?」
オーナーだった
「誰からそれを?」
「そんなことはどうでもいい、それより警察は大丈夫だったのか?」
「お陰様で……」
「ヒエンの周りを嗅ぎまわってるって聞いたぞ……変な事はやめとけ、ろくなことにならないぞ」
「アンタがヒエンを殺したってバレるからか?」
オーナーの動きが止まった
「セタ……いきなり何を言い出すんだ……」
「はじめから分かっていた、アンタが犯人だってことはな、俺にオーラが出てることがバレるのを恐れていつも俺の前に出てこれないんだろ? 今も俺がいるのを大声でスタッフに知らせて隠れていた……」
ムサシが立ち上がり、スタッフルームの部屋の扉を開けた
扉の先にはオーナーが電話を構えて立っていた
オーナーの体にはオーラが纏っている
「能力者同士ならオーラが出てることが分かっちまう」
オーナーから大量の汗がしたたり落ちていた
「問題は能力だったが、それも分かってきた。 アンタの能力は感情操作だ、相手の感情を増幅させる能力で自分の思うようにコントロールしている」
オーナーはじっと黙っている
「図星だったか……」
「分かったからどうなんだ」
オーナーの表情が冷酷なものになった
店内にいる者たちがオーナーの周りに集まりだす
「御察しの通り俺は大衆の感情を操作できる、クラブのオーナーとしては理想的な能力だ」
オーナーは自信満々に演説を始める
「客の恋愛感情を増幅させれば店はもうかる、気に入らない奴は殺せることも分かった……」
「ヒエンか……」
「実験は成功だったよ、あいつの恐怖心を最大限に増幅させてやったらこの通りだ、はじめてのことだったがこれはすごい能力だよ」
ヒエンは俺への恐怖心から自殺した……だから遺書に俺の名が書かれてたのか……
「そして今回はセタ……お前に対する怒りをここにいる全員に増幅させた」
店内にはスタッフ含めて50人くらいの人がいる
その全員がセタを睨んでいた
ムサシもセタに向かってきている
「頭が切れる奴は嫌いなんだよ……しかもそんな奴が能力を使えるようなら最悪だ」
「だから俺を警察に差し向けようとしたのか」
「本当は、あのまま捕まってもらえれば良かったんだけどな、流石に遺書に名前乗ってる程度じゃ掴まらねぇよな……」
「……」
「この人数相手じゃどうしようもないだろ……」
オーナーがオーラを高め出した
それに反応するように、スタッフ達がセタに一斉に迫ってきた。
この人数はまずい……この状況は想定していなかった……
セタは観念し、目を閉じた
「合格だ」
セタは確かにそう聞こえた
ものすごい風だろうか、セタの周りに台風のような風が吹き荒れた。
この風はオーラ、なのか……?
「もういいぞ、カミウマ」
風が止んだ……
「!?」
セタは店内を見渡し、驚愕した
オーナーも含めてみんな倒れている……
さっきの風のせいなのか……?
「すばらしい能力と観察力だ、むしろセタには簡単すぎる課題だったな」
サンゲンが店内に立ってきた
「こいつがセタか……大したもんだな」
サンゲンの相棒、カミウマも一緒だった
全員を倒したのはカミウマの体をオーラに変化させる能力を使ったものだった。
「何故ここに?」
「未来が見えるって言ったろ、こうなることはわかっていた」
サンゲンはさも当然のようにセタに伝えた
「とりあえず、ラ・ルメールのオーナーは逮捕だ、これが俺達のはじめての扱いになる訳だ」
セタは言葉が出なかった、もうここにはいることはできないが、サンゲン達についていってもいいのだろうか……
「早く来いよ、俺と一緒にこの世界を管理していこう、君はその第一号だ」
「考える時間もなしか……」
言葉とは裏腹にセタは微笑んでいた
ホストクラブ ラ・ルメールの洗脳殺人事件
これを機にサンゲンの組織は注目を浴び、公式な能力集団立上げの第一歩となった、この時から国に提出した名簿にはセタの名前が入る。
こうしてセタはサンゲンの組織の入ることになったのだった。
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