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第11話 捨て駒
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カクミはトドロキが突き破っていって天井の穴を眺めていた
トドロキのオーラに邪悪なものが消えた、気を失ったのか
「職場戻らなきゃ……」
とにかくアズも無事だったし、仕事終わらせないと……
カクミは部屋を出て行こうとした
「カクちゃん待って! お礼くらい言わせてよ!」
キョウドウとツガマを回復していたアズがカクミを引き止めた
「そうです! カクミさん、お礼をさせてください!」
カナがカクミに寄ってきた
「えっ……そ、そんな…いいよ、ただ来ただけだし」
カクミの顔が赤くなっていた
「まあ回復してもらったとはいえ、みんな精神的な疲労は隠せないだろうからな、話はまた今度にして帰ったほうがいいかもな」
ツガマも話に入ってきた
この人こんな人だったっけ?
もっと不気味にニヤついてる人だったような……
ツガマの変化にカクミは戸惑っていた
「俺は今聞きたいぞ! カクミの強さの秘密が!」
場違いなデカい声をキョウドウが出した
「キョウドウさん、いきなり仲間割れしちゃって大丈夫だったんですか?」
カナが心配そうに尋ねた
「あぁもう決めたことだ、後悔してない!」
晴れた笑顔だ、本当に公開してなさそうだ
アズが天井の穴を見つめた
「ほんと、カクちゃんはすごいなぁ……もう力を使いこなしてるって感じ」
「不思議だよね、私達に会うまで能力のこと知らなかったのにね……」
「ずいぶん団欒してるな、人の事務室で」
何者かの声がした
キョウドウが何かを思い出したかのように声の方を向いた
「サ、サンゲン……」
「残念だよキョウドウ、失敗を恐れるなとは言ったがこんな事になるなんてな……」
サンゲンが部屋に入ってきた
「せっかく色々準備してきたんだが、目指してた前日に台無しか」
サンゲンは悟ったように表情を変えずにキョウドウに話掛けた
「俺は目の前の娘が犠牲になる姿なんて見てられなかった」
「知ってるよ、お前はそういう奴だよな」
サンゲンは水晶を取り出し、キョウドウの前に向けた
「その娘が直してくれたおかげでもう目標は達成できたんだよ」
水晶にはキョウドウ達が倒れている姿が映っていた
「なにこれ、あたし達がやられちゃってるの?」
「未来が映し出されてるってこと?」
「わかるんだよ、これさえあれば……もう少し早く直っていれば組織が壊滅せずに済んだかもしれないけどな」
「……っ」
キョウドウは言葉がでなかった
「だがもういいんだ……これさえあれば……俺とカミウマがいればなんとでもできる……」
サンゲンの表情が冷酷なものになった……
「お前達なんて所詮……捨て駒だ……」
キョウドウの体が浮き上がった
なんだ?
キョウドウが足をバタつかせた
「水晶に映ってたろ? お前らは皆殺しなんだよ」
何もないところからいきなりカミウマが現れた
「うっ……」
キョウドウは首を抑えだした
「大丈夫? キョウドウさん?」
突然浮かび上がり苦しみだしたキョウドウにカナは意味がわからずにいた
ツガマは苦しんでいるキョウドウの首元に何かあることに気が付く
「手? あれは右手か?」
キョウドウは謎の右手に首を絞められ持ち上げられていた
「カミウマ、鎌状のオーラが右手を狙ってると見せかけてお前に飛んでくるぞ」
サンゲンがカミウマに話掛けた
「なっ?」
ツガマは驚いていた
それと同時にツガマからオーラが発射されキョウドウの首を絞めている手を目掛けて向かっていった
そして、ぶつかりそうになった時に方向を変えカミウマに向かっていった
「なるほどね、やるじゃないか」
カミウマは避けるそぶりすらしなかった
オーラはカミウマの体をすり抜けて地面に当たった
「当たったよね今の?」
「うん、当たってると思うけど……かわしたのかな?」
アズとカナは訳がわからず驚くだけだった
「無敵なんだよ、この水晶とカミウマの能力さえあれば」
サンゲンは部屋を出て行こうとした
「ゆっくりいたぶってやれよカミウマ、組織を壊滅させた容疑者達だ、その報いを受けさせてやれ」
出て行こうとするサンゲンの前にカクミが現れた
「なんだ、君か」
「これじゃみんな可愛そうだ……」
「可愛そう?」
サンゲンは少し苛立ったようだ
「結成前日に信じてた仲間に裏切られて組織が壊されたんだぞ、そんな俺よりも可哀想な奴なんていないだろ?」
サンゲンはカクミに水晶を向けた
見えない?
水晶に何も映らない…何故だ?
「カミウマ! キョウドウなんてどうでもいい、まずはこっちを始末しろ!」
予期せぬ事態にサンゲンは焦っていた
カミウマはカクミの方に目をやった
さっきのトドロキの時といい、すごいオーラだったのは間違いないが、俺には関係ない
カミウマが突然姿を消した
キョウドウの首を絞めていた手も消え、キョウドウは床に落ちた
キョウドウは咳き込んではいるが特に命に別状はなさそうだ
「あの右手はカミウマの手……」
キョウドウは何が感じ取っていた
「そんなこともできるんだ……」
カクミがつぶやいた
カクミが目を凝らすとカミウマのオーラがカクミに向かって来ていた
「おそらく、カミウマはオーラそのものになれる」
キョウドウもカミウマの秘密に感づいたようだ
それでもカミウマは余裕だった
わかったところでどうしようもない
俺のオーラそのものになれる能力は誰が何がしようとしても触れられない
そして必要な時だけ実体化して相手を攻撃する
サンゲンの未来予知、俺の能力
これが合わされば誰にも負けることがない
カミウマが両手を実体化させてカクミの首を絞めようとした
「ん?」
動かない……
体が動かせないだと?
カミウマが体が動かせ無くなった、こんなことは今まで経験したことがなかった
ゴッ
カミウマが全て実体化し、床に叩きつけられた
なんだ? 何が起きた?
サンゲンが大量に汗をかき始めた
「まさか……こいつ」
「ちっなんだ今のは」
カミウマは再度全身をオーラに変化させた
「また消えた?」
キョウドウは何かが起きているという事はわかったがついていけてなかった
「無駄だよ」
カクミがつぶやくとカミウマはまた実体化して床に叩きつけられた
サンゲンは大量の汗をかき呼吸も荒くなり今までの冷静な様子がなくなっていた
「ま……まさかコイツ、すべてのオーラを操れるのか?」
トドロキのオーラに邪悪なものが消えた、気を失ったのか
「職場戻らなきゃ……」
とにかくアズも無事だったし、仕事終わらせないと……
カクミは部屋を出て行こうとした
「カクちゃん待って! お礼くらい言わせてよ!」
キョウドウとツガマを回復していたアズがカクミを引き止めた
「そうです! カクミさん、お礼をさせてください!」
カナがカクミに寄ってきた
「えっ……そ、そんな…いいよ、ただ来ただけだし」
カクミの顔が赤くなっていた
「まあ回復してもらったとはいえ、みんな精神的な疲労は隠せないだろうからな、話はまた今度にして帰ったほうがいいかもな」
ツガマも話に入ってきた
この人こんな人だったっけ?
もっと不気味にニヤついてる人だったような……
ツガマの変化にカクミは戸惑っていた
「俺は今聞きたいぞ! カクミの強さの秘密が!」
場違いなデカい声をキョウドウが出した
「キョウドウさん、いきなり仲間割れしちゃって大丈夫だったんですか?」
カナが心配そうに尋ねた
「あぁもう決めたことだ、後悔してない!」
晴れた笑顔だ、本当に公開してなさそうだ
アズが天井の穴を見つめた
「ほんと、カクちゃんはすごいなぁ……もう力を使いこなしてるって感じ」
「不思議だよね、私達に会うまで能力のこと知らなかったのにね……」
「ずいぶん団欒してるな、人の事務室で」
何者かの声がした
キョウドウが何かを思い出したかのように声の方を向いた
「サ、サンゲン……」
「残念だよキョウドウ、失敗を恐れるなとは言ったがこんな事になるなんてな……」
サンゲンが部屋に入ってきた
「せっかく色々準備してきたんだが、目指してた前日に台無しか」
サンゲンは悟ったように表情を変えずにキョウドウに話掛けた
「俺は目の前の娘が犠牲になる姿なんて見てられなかった」
「知ってるよ、お前はそういう奴だよな」
サンゲンは水晶を取り出し、キョウドウの前に向けた
「その娘が直してくれたおかげでもう目標は達成できたんだよ」
水晶にはキョウドウ達が倒れている姿が映っていた
「なにこれ、あたし達がやられちゃってるの?」
「未来が映し出されてるってこと?」
「わかるんだよ、これさえあれば……もう少し早く直っていれば組織が壊滅せずに済んだかもしれないけどな」
「……っ」
キョウドウは言葉がでなかった
「だがもういいんだ……これさえあれば……俺とカミウマがいればなんとでもできる……」
サンゲンの表情が冷酷なものになった……
「お前達なんて所詮……捨て駒だ……」
キョウドウの体が浮き上がった
なんだ?
キョウドウが足をバタつかせた
「水晶に映ってたろ? お前らは皆殺しなんだよ」
何もないところからいきなりカミウマが現れた
「うっ……」
キョウドウは首を抑えだした
「大丈夫? キョウドウさん?」
突然浮かび上がり苦しみだしたキョウドウにカナは意味がわからずにいた
ツガマは苦しんでいるキョウドウの首元に何かあることに気が付く
「手? あれは右手か?」
キョウドウは謎の右手に首を絞められ持ち上げられていた
「カミウマ、鎌状のオーラが右手を狙ってると見せかけてお前に飛んでくるぞ」
サンゲンがカミウマに話掛けた
「なっ?」
ツガマは驚いていた
それと同時にツガマからオーラが発射されキョウドウの首を絞めている手を目掛けて向かっていった
そして、ぶつかりそうになった時に方向を変えカミウマに向かっていった
「なるほどね、やるじゃないか」
カミウマは避けるそぶりすらしなかった
オーラはカミウマの体をすり抜けて地面に当たった
「当たったよね今の?」
「うん、当たってると思うけど……かわしたのかな?」
アズとカナは訳がわからず驚くだけだった
「無敵なんだよ、この水晶とカミウマの能力さえあれば」
サンゲンは部屋を出て行こうとした
「ゆっくりいたぶってやれよカミウマ、組織を壊滅させた容疑者達だ、その報いを受けさせてやれ」
出て行こうとするサンゲンの前にカクミが現れた
「なんだ、君か」
「これじゃみんな可愛そうだ……」
「可愛そう?」
サンゲンは少し苛立ったようだ
「結成前日に信じてた仲間に裏切られて組織が壊されたんだぞ、そんな俺よりも可哀想な奴なんていないだろ?」
サンゲンはカクミに水晶を向けた
見えない?
水晶に何も映らない…何故だ?
「カミウマ! キョウドウなんてどうでもいい、まずはこっちを始末しろ!」
予期せぬ事態にサンゲンは焦っていた
カミウマはカクミの方に目をやった
さっきのトドロキの時といい、すごいオーラだったのは間違いないが、俺には関係ない
カミウマが突然姿を消した
キョウドウの首を絞めていた手も消え、キョウドウは床に落ちた
キョウドウは咳き込んではいるが特に命に別状はなさそうだ
「あの右手はカミウマの手……」
キョウドウは何が感じ取っていた
「そんなこともできるんだ……」
カクミがつぶやいた
カクミが目を凝らすとカミウマのオーラがカクミに向かって来ていた
「おそらく、カミウマはオーラそのものになれる」
キョウドウもカミウマの秘密に感づいたようだ
それでもカミウマは余裕だった
わかったところでどうしようもない
俺のオーラそのものになれる能力は誰が何がしようとしても触れられない
そして必要な時だけ実体化して相手を攻撃する
サンゲンの未来予知、俺の能力
これが合わされば誰にも負けることがない
カミウマが両手を実体化させてカクミの首を絞めようとした
「ん?」
動かない……
体が動かせないだと?
カミウマが体が動かせ無くなった、こんなことは今まで経験したことがなかった
ゴッ
カミウマが全て実体化し、床に叩きつけられた
なんだ? 何が起きた?
サンゲンが大量に汗をかき始めた
「まさか……こいつ」
「ちっなんだ今のは」
カミウマは再度全身をオーラに変化させた
「また消えた?」
キョウドウは何かが起きているという事はわかったがついていけてなかった
「無駄だよ」
カクミがつぶやくとカミウマはまた実体化して床に叩きつけられた
サンゲンは大量の汗をかき呼吸も荒くなり今までの冷静な様子がなくなっていた
「ま……まさかコイツ、すべてのオーラを操れるのか?」
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