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第10話 悪
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なんだか大変なことになっているな
アズちゃんはオーラがかなり靄がかってるし、カナちゃんももうヘトヘトだ、ツガマさんも限界みたいだし、他の人たちもみんな倒れてる
っていうか、キョウドウさん同士討ちを始め出したのか?
それぞれのオーラを分析しながらカクミは歩いていた
(ようやく着いた……)
カクミはラビットタワー地下まで来ていた
なんだかんだ心配で来てしまった
歩いてる途中で横たわっているセタに気づいた
あっ眼力で人を操る人だ
オーラの流れを察するのが得意なカクミは大体の事情は把握していた
キョウドウさん、自分のオーラでチャンバラしてたな……凄いことするなぁ
オーラの流れだけで見てるとキョウドウが何人も増えていくように見えていた
キョウドウがトドロキを倒したまさにその時にカクミは部屋に到着した
部屋を覗き込むとトドロキが起き上がろうとしていた
キョウドウもそれに気付いていたが限界だった…もう立てそうにない
カナがカクミに気が付いた
「来てくれたんだ、でも……」
絶望していた、あんなに強いキョウドウがあれだけすごい攻撃をしたのにまだ立ち上がれるトドロキに……
こんな人に勝てる人なんている訳ない……
「誰かと思ったらキョウドウが実力を見に行った奴か」
トドロキがカクミに気が付いたようだ
カクミはトドロキの方へ歩きだした
「なんだ、いきなり何も言わずにやる気かよ」
トドロキは身構え攻撃に備えた
「…」
カクミは何も言わずにトドロキのことを通り過ぎた、そしてトドロキの奥にいたカナ達の方へ進んだ
「おいなんだ、俺は無視かよ」
状況的にどう見ても敵である自分自身が相手にされなかったことにトドロキは苛立ちを感じた
「ごめん、遅くなっちゃった」
カクミはそういうとカナとアズそれぞれに手のひらを向けた
「カクミさん、来てくれたんですね、この手は……?」
カナがカクミの手を見つめる
?
体が楽になってきてる?
カナは消耗したオーラが回復してきたのを感じた
カクミが回復してくれたようだ
そっかカクミさん、前にツガマさんも回復させてたもんね、私とアズの能力使えちゃうんだった
カナは元気を取り戻し立ち上がった
「カクちゃん?」
アズの声だった
カクミに回復してもらい、アズも意識を取り戻した
「アズ!」
カナがアズに抱きついた
「ちょっ、カナ! なになに? 痛いよ」
ずっと意識のなかったアズはよく理解ができなかったが、安心して泣いているカナを見て、心配させてしまったことに気づいたようだ
「なんか心配させちゃったみたいね、もう大丈夫だから」
アズはカナに向けて優しそうに微笑んだ
近くでツガマが見ていた
(俺も回復してほしいなぁ……)
トドロキは驚いていた
キョウドウが挑みに行ったコイツは前に凄いオーラを一瞬放っていた……おそらくその時のオーラは誰かを攻撃したものだったはず
だか今奴は回復能力を使った
基本能力は1人につき1つしか使えないんじゃないのか?
まさか別の人物か?
自分の理解を超えるカクミに警戒をしていた
「ひとつ聞いていいですか?」
カクミがトドロキに話掛けた
突然声をかけられたことに驚きトドロキは反応できなかった
「なんでこんなことをするんですか? 自分の仲間のキョウドウさんにまで殺意を向けて……」
あぁ、そういうことね
トドロキは何かを悟ったかのようにニヤッとした
「なぜかって? 俺は傭兵だ、戦えればなんでもいいんだよ」
トドロキは元々傭兵をやっていた
感情の波が激しく、時に相手を殺してしまうこともあったが、職務上、刑に問われることは今まではなかった
しかし、相手をいたぶることに興奮を感じているような態度が問題となり居場所がなくなり、トドロキは今の組織にたどり着いた
トドロキは組織の良し悪しを元々考えていない、戦いたい、そして人を合法的に痛めつけたいそれだけで所属しているのだった
「お前は悪い人だ……」
カクミがつぶやいた
トドロキのオーラがドス黒く変化した
「良い悪いなんて関係ねぇんだよ! 俺にとっちゃよぉ」
トドロキがカクミに向けて突っ込んできた
「お前みたいに澄ました奴が絶望するのを見るのが一番気持ちいいんだ!」
トドロキが拳を振り上げカクミに殴りかかろうとした
ドオッッ
それはもはや爆発だった
トドロキの体はカクミと反対方向の壁に吹き飛ばされ壁にめりこんだ
「がっ」
トドロキは何が起きたか理解できてなかった
カクミがやったのは間違いないだろうがなんだこの威力は?
「頑丈だ……」
カクミが少し驚いていた
「少しはやるみたいだが、カミウマは異次元の強さだ、いくらお前が強くても絶対に敵わない、お前程度じゃな」
トドロキはめりこんだ壁から抜け出した
「まあカミウマが相手するまでもねぇ」
トドロキがドス黒いオーラに覆われた
悪意と殺意の塊、それがトドロキの強さでもあるようだ
黒いオーラに覆われたトドロキは悪魔の化身にみえた
「終わらせてやる」
トドロキが再度カクミに飛び込む
「お前は、悪だ……」
カクミがトドロキを睨みつけた
「!?」
トドロキは自分の足が浮いたような感覚を覚えた
そしてそれがトドロキの最期の記憶だった
トドロキの体はとてつもない衝撃波により上に飛んだ
ラビットタワーの壁を全て突き破り、屋上まで飛ばされていった
あまりの出来事に誰も声を出すことができなかった…
アズちゃんはオーラがかなり靄がかってるし、カナちゃんももうヘトヘトだ、ツガマさんも限界みたいだし、他の人たちもみんな倒れてる
っていうか、キョウドウさん同士討ちを始め出したのか?
それぞれのオーラを分析しながらカクミは歩いていた
(ようやく着いた……)
カクミはラビットタワー地下まで来ていた
なんだかんだ心配で来てしまった
歩いてる途中で横たわっているセタに気づいた
あっ眼力で人を操る人だ
オーラの流れを察するのが得意なカクミは大体の事情は把握していた
キョウドウさん、自分のオーラでチャンバラしてたな……凄いことするなぁ
オーラの流れだけで見てるとキョウドウが何人も増えていくように見えていた
キョウドウがトドロキを倒したまさにその時にカクミは部屋に到着した
部屋を覗き込むとトドロキが起き上がろうとしていた
キョウドウもそれに気付いていたが限界だった…もう立てそうにない
カナがカクミに気が付いた
「来てくれたんだ、でも……」
絶望していた、あんなに強いキョウドウがあれだけすごい攻撃をしたのにまだ立ち上がれるトドロキに……
こんな人に勝てる人なんている訳ない……
「誰かと思ったらキョウドウが実力を見に行った奴か」
トドロキがカクミに気が付いたようだ
カクミはトドロキの方へ歩きだした
「なんだ、いきなり何も言わずにやる気かよ」
トドロキは身構え攻撃に備えた
「…」
カクミは何も言わずにトドロキのことを通り過ぎた、そしてトドロキの奥にいたカナ達の方へ進んだ
「おいなんだ、俺は無視かよ」
状況的にどう見ても敵である自分自身が相手にされなかったことにトドロキは苛立ちを感じた
「ごめん、遅くなっちゃった」
カクミはそういうとカナとアズそれぞれに手のひらを向けた
「カクミさん、来てくれたんですね、この手は……?」
カナがカクミの手を見つめる
?
体が楽になってきてる?
カナは消耗したオーラが回復してきたのを感じた
カクミが回復してくれたようだ
そっかカクミさん、前にツガマさんも回復させてたもんね、私とアズの能力使えちゃうんだった
カナは元気を取り戻し立ち上がった
「カクちゃん?」
アズの声だった
カクミに回復してもらい、アズも意識を取り戻した
「アズ!」
カナがアズに抱きついた
「ちょっ、カナ! なになに? 痛いよ」
ずっと意識のなかったアズはよく理解ができなかったが、安心して泣いているカナを見て、心配させてしまったことに気づいたようだ
「なんか心配させちゃったみたいね、もう大丈夫だから」
アズはカナに向けて優しそうに微笑んだ
近くでツガマが見ていた
(俺も回復してほしいなぁ……)
トドロキは驚いていた
キョウドウが挑みに行ったコイツは前に凄いオーラを一瞬放っていた……おそらくその時のオーラは誰かを攻撃したものだったはず
だか今奴は回復能力を使った
基本能力は1人につき1つしか使えないんじゃないのか?
まさか別の人物か?
自分の理解を超えるカクミに警戒をしていた
「ひとつ聞いていいですか?」
カクミがトドロキに話掛けた
突然声をかけられたことに驚きトドロキは反応できなかった
「なんでこんなことをするんですか? 自分の仲間のキョウドウさんにまで殺意を向けて……」
あぁ、そういうことね
トドロキは何かを悟ったかのようにニヤッとした
「なぜかって? 俺は傭兵だ、戦えればなんでもいいんだよ」
トドロキは元々傭兵をやっていた
感情の波が激しく、時に相手を殺してしまうこともあったが、職務上、刑に問われることは今まではなかった
しかし、相手をいたぶることに興奮を感じているような態度が問題となり居場所がなくなり、トドロキは今の組織にたどり着いた
トドロキは組織の良し悪しを元々考えていない、戦いたい、そして人を合法的に痛めつけたいそれだけで所属しているのだった
「お前は悪い人だ……」
カクミがつぶやいた
トドロキのオーラがドス黒く変化した
「良い悪いなんて関係ねぇんだよ! 俺にとっちゃよぉ」
トドロキがカクミに向けて突っ込んできた
「お前みたいに澄ました奴が絶望するのを見るのが一番気持ちいいんだ!」
トドロキが拳を振り上げカクミに殴りかかろうとした
ドオッッ
それはもはや爆発だった
トドロキの体はカクミと反対方向の壁に吹き飛ばされ壁にめりこんだ
「がっ」
トドロキは何が起きたか理解できてなかった
カクミがやったのは間違いないだろうがなんだこの威力は?
「頑丈だ……」
カクミが少し驚いていた
「少しはやるみたいだが、カミウマは異次元の強さだ、いくらお前が強くても絶対に敵わない、お前程度じゃな」
トドロキはめりこんだ壁から抜け出した
「まあカミウマが相手するまでもねぇ」
トドロキがドス黒いオーラに覆われた
悪意と殺意の塊、それがトドロキの強さでもあるようだ
黒いオーラに覆われたトドロキは悪魔の化身にみえた
「終わらせてやる」
トドロキが再度カクミに飛び込む
「お前は、悪だ……」
カクミがトドロキを睨みつけた
「!?」
トドロキは自分の足が浮いたような感覚を覚えた
そしてそれがトドロキの最期の記憶だった
トドロキの体はとてつもない衝撃波により上に飛んだ
ラビットタワーの壁を全て突き破り、屋上まで飛ばされていった
あまりの出来事に誰も声を出すことができなかった…
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