あの人と。

Haru.

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After Story

side.サダン

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「俺だってやればできる……!」

 そう言ってしまい、後に引けなくなった俺。だけど何をどうしたらいいかもわからなくてユキにどうしたらいいか聞けば──俺の見た目は幼く見える友人はどうやら随分と大人だったらしいことがわかった。

「えっと、簡単なやつだと……ダグはね、僕がダグのシャツをダボダボに着てるのが好きだからそれを着たり……その、えっちな服もたまに着る、かな?」

 真っ赤な顔で説明しだしたユキは控えめに言ってエ……ゴホン、可愛かった。シャツか……それならたしかに簡単だけどそもそもラギアスのシャツを持ってないしな……エロい服は論外! 持ってない以前に俺には似合わねぇ! ユキならたしかに似合うだろうけどよ……

「お風呂でダグの身体を洗ってあげるのもダグは喜ぶよ。……かなりの高確率で悪戯されちゃうから、のぼせるのに気を付けないとダメなの」

 ……そりゃあんだけ溺愛してるダグラスさんだもんなぁ。ユキにエロい目的じゃなくとも触られたらそうなるだろうよ。ラギアスの部屋にも風呂は一応あるけど2人で入るには狭いから難しいかもな……

「あとね、恥ずかしいけど……ダグのアレをね、手でしたり……く、口でしたり、とか……? 僕がダグの上に乗ったこともある、よ……」

 そこまでやってんのか……! 純情そうな見た目で意外に進んでるんだな……! 上にってあれだよな。流石にユキがダグラスさんに入れるなんてことはあり得ないだろうし、ユキがダグラスさんの上に乗って自分で入れたってことだよな……上級すぎる!! 俺には無理だ!!

「あのね、ダグに何かするのって恥ずかしいんだけど……それで喜んでもらえたら頑張ってよかったって思えるんだ。その後にダグがいつもよりもっと甘くなるのも好きなの」

 照れたようにはにかんだユキは誰がみても可愛いと思えるものだった。言ってることは結構あれだが。

「ユキは最初からそんな感じだったのか……?」

「そんなわけないよ。僕だって最初はダグにされっぱなしだったし、なんなら今でも基本的にはダグからだよ。それに、僕たちはこの体格差でしょ? 最初は怖さもあったんだよねぇ」

 たしかにぱっと見ダグラスさんものすごく犯罪者っぽいもんな。実年齢知っててもすげぇって思うからなぁ……

「でもダグが僕のこと考えて優しくゆっくり進めてくれたからいつの間にか今の状態だよ。流石に今でも恥ずかしいけど、最初みたいにアタフタすることは減ったかなぁ」

 ユキは今ではそうなったけど、俺とラギアスは付き合ったばかりなんだし、まだまだゆっくり愛を深めるべきだとも言われて、確かにそうかもしれないと思った。ユキは既に結婚して1年が経っているのに比べて、俺たちは付き合い始めて間もない。付き合うまでの間も短くて、なんならお互いのこともまだまだわからないことだらけだ。

 だけど……俺だってラギアスを喜ばせたい。喜んでもらいたい。それだけは確かなんだ。若干モヤモヤしているとユキがこう言った。

「どうしてもっていうならお酒の力を借りるっていう手もあるよ」

「酒か……そうだな、そうしてみる」

 たしかに酔った勢いでならなんとか出来そうだ。……流石にユキみたいには出来ないだろうけど、それでも少しくらいは恥ずかしさも気にならなくなるはずだ。……少しだけ、頑張ってみよう。



******************


 そうして夜、ラギアスの部屋で交代で風呂に入ってから少し酒を飲まないかと誘うと、ラギアスも手持ちの酒を出してくれた。ラギアスの酒は結構いい酒で、美味さについつい目的を忘れて少し飲みすぎてしまった。

 だけど、それくらいが俺にはちょうど良かったのかもしれない。

「サダン、大丈夫か?」

「んー……あいしてる」

 いつもなら恥ずかしくてなかなか言えないのに、スリスリと擦り寄ったりなんてしながらポロっとたやすく溢れた言葉にラギアスの身体が強張ったのを感じた。

「あは! ラギアスガチガチー。すごい筋肉だなぁ……筋肉までかっこいいなんてはんそくだぞー」

 ペシペシ、ペタペタとラギアスの筋肉の感触を確認してからギュッと抱きついてみたら全身で筋肉を感じられた。俺の彼氏、こんなに引き締まったかっこいい身体持ってるなんて自慢だなぁ、なんて考えていたら突然フッと視界が暗くなった。

「んあ?」

 見上げた先にはギラついた目をしたラギアス。……あれ、俺やっちまった……?

「……サダン、お前が悪い」

「ちょ、ま、おれ、酔ってて……!」

 やばいやばいやばい、こんなつもりじゃなかったのに普通に酔ってた……! このラギアスの目はまずい!

 身の危険を察知した俺は酔いも一気に覚めた。な、何か打開策……! くそ、焦っててなにも思い浮かばない! それにどんな策があったとしても逃げられる気がしない!

「そうだな。酒の力を借りて俺に何かしてくれるつもりだったんだろう? 随分可愛い様子を見せてもらったからな。お返しにうんと鳴かせてやる」

「~~っっ!!」

 目論見もバレてるしなんなら失敗したし……! やめておけば良かったと思っても後の祭り。ギラついたラギアスによってベッドへと運ばれるのも諦めて大人しくするしかなかった。




 ベッドへ運ばれてどれくらい経ったかなんてもはやわからない。いつも以上に責め立てられて、声を抑える余裕なんて一切与えられなかった。こんなこと有言実行するなよ……!

 ラギアスの指がしつこくしつこく中を掻き回し、何もかもがどろどろに溶けそうだ。いや、もう溶けてるんじゃないだろうか。ただただ与えられる快感になす術もなく身体を跳ねさせるしかない。

「~っや、らぎ、あす……っ! それやだ……あぁあっ!」

「いやという割にここはガチガチだぞ。中も嬉しそうに締め付けてくるしな」

「い、いうなぁっ……ひぁあっ……それだっ……んやっ、あ、あ、あっ……ひっ、あぁああっっ!」

 中の気持ちいいところをグッと押し込むようにされるとたまらない。そのまま何度も何度も同じように弄られて呆気なくイかされた俺は一切身体に力が入らずぐったりと身体を投げ出した。

「あ、ぅ……っは…………ん……」

「可愛いな、サダン。顔も蕩け切って……ここも、ここも……どこもかしこもトロトロで甘そうだ」

 獲物を前にした獣のようにペロリと唇を舐めたラギアスのその仕草にゾクリと痺れが走り抜けた。ラギアスになら、食べられても良い。いや、食べて欲しい。そう感じた俺はラギアスの首に手を回し、そのまま引き寄せた。

「っ……らぎ、あす……も、きて……!」

「っ、サダン……泣いても止めないからな……!」

「あっ、────ッッ!!」


 愛しい狼に骨の髄までしゃぶり尽くされるが如く貪られた俺は翌日、ベッド生活を余儀なくされたが幸せなことには違いなかった。

 だって────

「サダン、ちゃんと寝ていたか? 歩き回ったりしてないだろうな?」

「だいじょーぶだって。ずっと寝てたから」

 ────こんなに心配そうにされたらなぁ。昼もただでさえ護衛の任務って休憩時間短いのに様子見に来て、俺に昼飯食べさせて甲斐甲斐しく世話してから、自分の食事は流し込むように終わらせて戻っていったからな。こんだけ大事にされたら愛されてるなって実感できる。

「それなら良かった」

 ホッとしたように緩く微笑んで、パタパタと尻尾を振るのが可愛くて絆されるってのもあるけどな。

「昨日のサダンも可愛かった。また一緒に酒を飲もうな」

「も、もうラギアスとは飲まない! 絶対飲まない!!」

 あんな失敗は二度とごめんだからな!! いや、酔った俺が悪いんだけどよ……

 なんて思ってた俺はラギアスの雰囲気がガラリと変わったことに気付かず。

「──なら誰と飲むんだ? ゆっくり聞かせてもらおうか」

「えっ、あっ……ちょ、むりむりむり! ラギアス今日は無理だって……!」

「俺以外とは絶対に飲まないと誓わせてやらないと駄目だろう?」

「~~~~~~っっ!!」

 ────連日愛されることになった俺は起き上がれるようになるまで丸1日、そこからいつも通り生活出来るようになるまでさらに3日かかったのだった……
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