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本編
108 そろばん
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レイにラスとリアムさんに別れを告げてリディアと話しつつ部屋へ戻る。きっと今日は頑張っただけ夜ご飯もいつもより美味しく食べられるよ!
「お疲れ様でございました。お部屋に戻りましたら疲労回復効果のあるお茶をお入れしましょう」
「ありがとう。ちょっと疲れたけど楽しかった!」
あんなにひたすら計算したの久しぶりだよ。計算機もそろばんもなしにひたすら計算し続けるのって結構大変だね。
「それはようございました。ですがご無理はなさらないでくださいね」
「わかってるわかってる。でもこの世界に計算機とかってないんだねぇ。全部暗算って大変そう」
僕は暗算得意だし全然問題ないけど慣れてなかったらかなり時間かかりそう。単純な作業でもそういうのでミスが出そうだ。
「けいさんきとは?」
そっか、なかったら名前通じないか。
「計算したい数字を入力したら自動で計算してくれる機械だよ」
「それは便利ですね。それがあれば会計書類も随分と速く片付きそうです」
「そうだねぇ。でもどうやって作るんだろ? そろばんなら作れそうなんだけど」
あのひし形みたいな珠をいくつも作ってもらって細い木の棒に通して枠にはめて……計算機よりは確実に作れるね。計算機は構造知らないからなぁ……
「そろばん、ですか?」
「そろばんは自動で計算してくれるものではないけど、慣れたら暗算よりは速く計算できると思う。あとで図を描いて説明するよ」
「ぜひに。作れそうならば作らせましょう」
「多分作れるとは思うけどそれを使って計算が速くなるかが問題だよね。慣れないものを使って逆に非効率に、なんてなったら大変。道具とかなくても文官って計算とか速そうだし」
ものすごく暗算が速いならそろばんの価値ないよね。
「確かに計算の速い文官ならばいくらでもおりますでしょうが、ユキ様のようなスピードはなかなかおりませんよ。それに計算間違いもしばしばあるのです」
「なるほど、それならそろばん使っても良さそうかなぁ……まぁそこらへんはリディアが判断したらいいと思う」
「そうですね、そうしましょう。ユキ様からご説明いただいた後に試作品を作らせてみて判断いたします」
というわけでそろばんの件について纏まったところで丁度部屋についた。
中に入り、リディアは僕へさっき言っていた疲労回復のお茶を入れると夕食の準備へと出て行った。慌ただしくて申し訳ないと思いながら入れてくれたお茶をゆったりと飲む。
あー……美味しい……リディアのお茶ほんっと癒される……
あ、今のうちにそろばんの図だけでも描いておこうか。そしたら食べ終わってからすぐに説明できるし。
えーと、全体図とそれとは別に珠の形も描いておこう。珠は上の段に1つ、下の段に4つでいいよね。定位点は3桁ごとに……何桁分いるかな。国家予算の計算に使うなら結構桁多めにとっておこうかな。……いや、そこらへんはリディアに判断してもらおうか。断じて桁を多く描けば珠を描くのが面倒になるからではない。
よし、こんなもんかなぁ。うん、我ながら結構よく描けた! ちゃんと立体だよ!! 無駄に頑張ってみた!
まぁいいや、とりあえずこれは置いておいてあとで説明しよっと。
「ユキ様お待たせいたしました。ご夕食をお持ちしましたよ」
「はぁい」
丁度よくリディアが戻ってきた。お茶を飲み干してからテーブルに向かうとどうやら今日はコースじゃないみたい。主食もメインもサラダもスープ全部並べられて好きなように食べれるやつだ。
「本日はお疲れでしょうから気楽に食べていただけるようにこの形にいたしました」
リディア……!
「ありがとう、嬉しいよ。どれも美味しそうだ」
見た感じこってりよりもさっぱりしてそう。夏向けの味付けと予想できる。スープも冷製で飲みやすそうだ。
あー……おいしい……予想通りのさっぱりとした味付けが食べやすい……
僕リディアのおかげで夏バテ知らずだ。日本にいた頃は毎年のように夏バテして食欲落ちてたのに、こっちに来てから夏バテなんてしてない。
まぁ日本の夏よりも比較的涼しいのもあるのかもしれないけど、それでも全く暑くないわけではないしやっぱり夏バテ知らずなのはリディアのおかげだろうなぁ。
しつこさの全くない味付けのおかげでそこそこボリュームのあった夕食をあっさりと食べ終え、果実水をゴクゴクと飲み干す。果実水も夏向けのさっぱりとした味だ。
「ごちそうさまでした! 食べやすくて美味しかった! いつも僕好みのご飯用意してくれてありがとうね」
「いいえ、ユキ様のお口に合ってよかったです。ですが万が一お嫌いなものがございましたらご遠慮なく申してくださいね」
嫌いなものかぁ……でもリディアに出されるものでこれは無理! ってなったもの一度もないような?
「うーん、今のとこないなぁ。どれも美味しいよ」
「それはよろしゅうございました。さあ、カウチの方で食休みを取られてください。すぐにお茶もお入れしますから」
「はーい」
お気に入りのカウチに移動してさっき描いた紙をもう一度確認しておく。まぁそんな複雑なものじゃないしそうそうおかしなことにはならないだろうけど念のためだよ。
うん、おかしなとこはないね。
「そちらは?」
「あ、お茶ありがとう。これがさっき言ってたそろばんだよ。この珠が動くようになっててこれを弾いて使うんだ」
こうやって数字を表すんだよ、と説明したらリディアはなるほど、という表情で。
「ふむ……これならば確かに作れそうですね。慣れたら計算間違いも減って良さそうです。一度作って見ましょう」
「木でできるからそんなに材料費もかからないと思う」
よくわからない鉱石や宝石を使うものじゃないからコストは悪くないはず……いや木もピンからキリまであるだろうけども。宝石よりはマシでしょう。
「木でいいのですね。どのような木が良いでしょう?」
「弾くから硬くて耐久性のあるものがいいかな」
「わかりました、試してみましょう。出来次第使い方を詳しく教えてくださいね」
「うん、もちろん」
作るなら基本の桁の数は23桁だよ、と教えておいてそろばんの件はとりあえず終了。
そろばんのことも話し終わり、いくらか食休みをとった後にいつものようにリディアにお風呂に入れてもらった。
念入りにマッサージしてもらって気分爽快! なん、だけ、ど……
「リディア」
「どうなさいました?」
「……この服」
「ダグラスのシャツにショートパンツがどうかなさいましたか?」
そうなんだよ、ダグのシャツを着せられてるんだよ。いわゆる彼シャツってやつです。
あの朝に僕が着てみなければ……!
「……なんでもない」
まぁいいや。とんでもなく恥ずかしいけどダグのシャツは安心する。
とりあえず手が全く出ないためリディアに折ってもらった。折りすぎると折り目がもこもこになって不格好だから数回だけ。
「……指先しか出ない」
「これをお召しになるとユキ様とダグラスの体格の差がわかりやすいですね。肩もこんなに違いますし」
そう言われて脱衣所にある全身鏡を見てみたら確かに肩幅が全くあってなかった。まさに大人と子供くらい違う。
「ほんとだ……すごいなぁ」
ダグ大きいなぁ……かっこいいなぁ……
「ふふ、さぁダグラスももう来ているでしょうからお部屋へ戻りましょう」
「うん」
ダグは今日は他のお仕事で護衛じゃなかった。でも夜は夜間業務が当たってない日だから一緒に寝るの。
膝から下が丸出しなのが恥ずかしくて、リディアの後ろにへばりついて部屋に戻ると突然の浮遊感が。
「ユキ、着てくれたのか。可愛い」
「う……脚恥ずかしい」
「ユキの脚は綺麗だから恥ずかしがることないだろう」
「僕もっと男らしい脚が良かった」
せめて筋肉ほしい。男の脚って感じで程よく筋肉のついた引き締まった脚になりたい。
「俺はユキの脚好きだぞ?」
「……ならいいや」
単純な僕。ダグが好きだというならもうこのままでいい。ただ白いだけで筋肉のかけらも見当たらないような脚になんだか愛着さえ湧いてくる。
「俺も風呂を借りるから少し待っててくれ」
「うん」
僕をカウチに降ろすとジャケットを脱いで膝にかけてくれた。今の今まで着てたやつだからあったかい。
「寒くはないか?」
「うん、あったかい」
「そうか、よかった。風呂借りるな」
「うん、いってらっしゃい」
ふりふりと指先しか出ない手で手を振るとなぜか一瞬固まったダグ。
「……すぐ戻る」
え? ゆっくりでいいのに。疲れ取れないよ??
まぁいいや。その間リディアが入れてくれたお茶飲んで待っていよう。
「お疲れ様でございました。お部屋に戻りましたら疲労回復効果のあるお茶をお入れしましょう」
「ありがとう。ちょっと疲れたけど楽しかった!」
あんなにひたすら計算したの久しぶりだよ。計算機もそろばんもなしにひたすら計算し続けるのって結構大変だね。
「それはようございました。ですがご無理はなさらないでくださいね」
「わかってるわかってる。でもこの世界に計算機とかってないんだねぇ。全部暗算って大変そう」
僕は暗算得意だし全然問題ないけど慣れてなかったらかなり時間かかりそう。単純な作業でもそういうのでミスが出そうだ。
「けいさんきとは?」
そっか、なかったら名前通じないか。
「計算したい数字を入力したら自動で計算してくれる機械だよ」
「それは便利ですね。それがあれば会計書類も随分と速く片付きそうです」
「そうだねぇ。でもどうやって作るんだろ? そろばんなら作れそうなんだけど」
あのひし形みたいな珠をいくつも作ってもらって細い木の棒に通して枠にはめて……計算機よりは確実に作れるね。計算機は構造知らないからなぁ……
「そろばん、ですか?」
「そろばんは自動で計算してくれるものではないけど、慣れたら暗算よりは速く計算できると思う。あとで図を描いて説明するよ」
「ぜひに。作れそうならば作らせましょう」
「多分作れるとは思うけどそれを使って計算が速くなるかが問題だよね。慣れないものを使って逆に非効率に、なんてなったら大変。道具とかなくても文官って計算とか速そうだし」
ものすごく暗算が速いならそろばんの価値ないよね。
「確かに計算の速い文官ならばいくらでもおりますでしょうが、ユキ様のようなスピードはなかなかおりませんよ。それに計算間違いもしばしばあるのです」
「なるほど、それならそろばん使っても良さそうかなぁ……まぁそこらへんはリディアが判断したらいいと思う」
「そうですね、そうしましょう。ユキ様からご説明いただいた後に試作品を作らせてみて判断いたします」
というわけでそろばんの件について纏まったところで丁度部屋についた。
中に入り、リディアは僕へさっき言っていた疲労回復のお茶を入れると夕食の準備へと出て行った。慌ただしくて申し訳ないと思いながら入れてくれたお茶をゆったりと飲む。
あー……美味しい……リディアのお茶ほんっと癒される……
あ、今のうちにそろばんの図だけでも描いておこうか。そしたら食べ終わってからすぐに説明できるし。
えーと、全体図とそれとは別に珠の形も描いておこう。珠は上の段に1つ、下の段に4つでいいよね。定位点は3桁ごとに……何桁分いるかな。国家予算の計算に使うなら結構桁多めにとっておこうかな。……いや、そこらへんはリディアに判断してもらおうか。断じて桁を多く描けば珠を描くのが面倒になるからではない。
よし、こんなもんかなぁ。うん、我ながら結構よく描けた! ちゃんと立体だよ!! 無駄に頑張ってみた!
まぁいいや、とりあえずこれは置いておいてあとで説明しよっと。
「ユキ様お待たせいたしました。ご夕食をお持ちしましたよ」
「はぁい」
丁度よくリディアが戻ってきた。お茶を飲み干してからテーブルに向かうとどうやら今日はコースじゃないみたい。主食もメインもサラダもスープ全部並べられて好きなように食べれるやつだ。
「本日はお疲れでしょうから気楽に食べていただけるようにこの形にいたしました」
リディア……!
「ありがとう、嬉しいよ。どれも美味しそうだ」
見た感じこってりよりもさっぱりしてそう。夏向けの味付けと予想できる。スープも冷製で飲みやすそうだ。
あー……おいしい……予想通りのさっぱりとした味付けが食べやすい……
僕リディアのおかげで夏バテ知らずだ。日本にいた頃は毎年のように夏バテして食欲落ちてたのに、こっちに来てから夏バテなんてしてない。
まぁ日本の夏よりも比較的涼しいのもあるのかもしれないけど、それでも全く暑くないわけではないしやっぱり夏バテ知らずなのはリディアのおかげだろうなぁ。
しつこさの全くない味付けのおかげでそこそこボリュームのあった夕食をあっさりと食べ終え、果実水をゴクゴクと飲み干す。果実水も夏向けのさっぱりとした味だ。
「ごちそうさまでした! 食べやすくて美味しかった! いつも僕好みのご飯用意してくれてありがとうね」
「いいえ、ユキ様のお口に合ってよかったです。ですが万が一お嫌いなものがございましたらご遠慮なく申してくださいね」
嫌いなものかぁ……でもリディアに出されるものでこれは無理! ってなったもの一度もないような?
「うーん、今のとこないなぁ。どれも美味しいよ」
「それはよろしゅうございました。さあ、カウチの方で食休みを取られてください。すぐにお茶もお入れしますから」
「はーい」
お気に入りのカウチに移動してさっき描いた紙をもう一度確認しておく。まぁそんな複雑なものじゃないしそうそうおかしなことにはならないだろうけど念のためだよ。
うん、おかしなとこはないね。
「そちらは?」
「あ、お茶ありがとう。これがさっき言ってたそろばんだよ。この珠が動くようになっててこれを弾いて使うんだ」
こうやって数字を表すんだよ、と説明したらリディアはなるほど、という表情で。
「ふむ……これならば確かに作れそうですね。慣れたら計算間違いも減って良さそうです。一度作って見ましょう」
「木でできるからそんなに材料費もかからないと思う」
よくわからない鉱石や宝石を使うものじゃないからコストは悪くないはず……いや木もピンからキリまであるだろうけども。宝石よりはマシでしょう。
「木でいいのですね。どのような木が良いでしょう?」
「弾くから硬くて耐久性のあるものがいいかな」
「わかりました、試してみましょう。出来次第使い方を詳しく教えてくださいね」
「うん、もちろん」
作るなら基本の桁の数は23桁だよ、と教えておいてそろばんの件はとりあえず終了。
そろばんのことも話し終わり、いくらか食休みをとった後にいつものようにリディアにお風呂に入れてもらった。
念入りにマッサージしてもらって気分爽快! なん、だけ、ど……
「リディア」
「どうなさいました?」
「……この服」
「ダグラスのシャツにショートパンツがどうかなさいましたか?」
そうなんだよ、ダグのシャツを着せられてるんだよ。いわゆる彼シャツってやつです。
あの朝に僕が着てみなければ……!
「……なんでもない」
まぁいいや。とんでもなく恥ずかしいけどダグのシャツは安心する。
とりあえず手が全く出ないためリディアに折ってもらった。折りすぎると折り目がもこもこになって不格好だから数回だけ。
「……指先しか出ない」
「これをお召しになるとユキ様とダグラスの体格の差がわかりやすいですね。肩もこんなに違いますし」
そう言われて脱衣所にある全身鏡を見てみたら確かに肩幅が全くあってなかった。まさに大人と子供くらい違う。
「ほんとだ……すごいなぁ」
ダグ大きいなぁ……かっこいいなぁ……
「ふふ、さぁダグラスももう来ているでしょうからお部屋へ戻りましょう」
「うん」
ダグは今日は他のお仕事で護衛じゃなかった。でも夜は夜間業務が当たってない日だから一緒に寝るの。
膝から下が丸出しなのが恥ずかしくて、リディアの後ろにへばりついて部屋に戻ると突然の浮遊感が。
「ユキ、着てくれたのか。可愛い」
「う……脚恥ずかしい」
「ユキの脚は綺麗だから恥ずかしがることないだろう」
「僕もっと男らしい脚が良かった」
せめて筋肉ほしい。男の脚って感じで程よく筋肉のついた引き締まった脚になりたい。
「俺はユキの脚好きだぞ?」
「……ならいいや」
単純な僕。ダグが好きだというならもうこのままでいい。ただ白いだけで筋肉のかけらも見当たらないような脚になんだか愛着さえ湧いてくる。
「俺も風呂を借りるから少し待っててくれ」
「うん」
僕をカウチに降ろすとジャケットを脱いで膝にかけてくれた。今の今まで着てたやつだからあったかい。
「寒くはないか?」
「うん、あったかい」
「そうか、よかった。風呂借りるな」
「うん、いってらっしゃい」
ふりふりと指先しか出ない手で手を振るとなぜか一瞬固まったダグ。
「……すぐ戻る」
え? ゆっくりでいいのに。疲れ取れないよ??
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