33 / 396
本編
32 国
しおりを挟む授業によればこの世界には海に囲まれた大きな1つの大陸と、どこかの遥か上空に浮かんだ島があるらしい。
大陸には人間の国が大小合わせて現在12カ国あり、上空に浮かぶ島は竜人という種族が国を形成しているんだとか。
竜人は獣人とは違って人型をとってる時は鱗があるわけでもなく、見た目はただの人間らしいんだけど、オーラが違うらしく、見ただけで竜人だ、ってわかるらしい。たとえ始めて見たとしてもね。完全な竜にもなれるらしいよ。ちょっと見て見たいよね!!! いつか会えるかな?
因みに空の上にあるとはいえ、竜人の国は誰も場所を知らず、時折交易のために使者が降りてくるくらいで、その実態はまったく分かっていないらしい。上空にあるなら上を見ればわかるのでは? と思ったがそうも簡単な話ではない、と。
竜人は極めて魔力が強く、その島自体を魔法で隠していて、人間の目には映らないようにしているらしい。魔法とかさすが異世界だよね。まぁ見つけられたとこで人間は生きていけないくらい空気が薄いところにあると言われてるから、どうしようもないらしいんだけどね。
大陸にある国の中で覚えておくべきなのは、この国を合わせた5カ国だけらしい。というのも主要な大国はその5カ国だから。
まずは大陸の東に位置するこの国、ヴィルヘルム王国。国王は言うまでもなくロイ。昔から強かった国だが、二代前の国王がそれまであった奴隷制度を廃止してからはさらに国力が伸びたらしい。
五大国の中でもダントツで国力があり、ロイの治世になってからはさらに他国の追随を許さなくなったとか。かと言って驕ることもなく、周辺国の発展支援もしたりしてるから評判がいいらしい。
次に大陸の北東に位置するコルンガ共和国。この国は五大国の中で唯一ヴィルヘルムと接している国らしい。大国同士で仲は悪いのかな、と思えばそんなことはないらしく、むしろかなり親密な国らしい。同盟を結んでいて、国交もかなり頻繁に行われてるとか。
王族同士の仲が良いことで有名なんだって。
この国も、ヴィルヘルムには及ばないけど五大国の中でかなり国力がある方で、2番目に強い国らしい。
トップ2カ国が同盟結んでたらもう無敵だよね。でもこの2カ国は他国に攻め入ることは良しとしていなくて、戦争をするのは攻め入られた時だけらしい。それも滅多にないらしいけど。そりゃ強いって分かってる国に攻め入るなんてバカなことできないよね。
因みにこの国も奴隷制はヴィルヘルムと同時期に廃止してる。
次に大陸の南に位置するマクレーガ帝国。この国は国力はそんなにないけど周りの小国を吸収しようと結構頻繁に戦争を起こしてるらしい。小国は小国で同盟結んで対抗するからそんなに成果はあげられてない。
国力ないの頻繁に戦争起こして消耗してるせいだと思うんだよね。戦争で得られるものがなかったらそりゃ伸びないよ。
この国は奴隷制度を廃止してなくて、獣人はみつかれば即奴隷に、って国らしい。許せないよね。
かなり貧富の差が激しくて、上流階級が平民からかなり搾取してるらしい。貴族はかなり贅沢な暮らしをして、逆に平民はかなり貧しい暮らしを強要させられてるとか。
いわゆる恐怖政治、ってやつを皇帝が進んでやってるらしく、いつ暴動が起こってもおかしくない状態なんだとか。影ではそのうちあの国は一度解体されるとも言われてるんだって。
次は大陸西に位置するクリストン王国。この国は国力もそこそこで、穏やかな国らしい。周辺の小国とも上手くやっていて、奴隷制度も廃止済み。国王も国民も穏やかな気質で、温厚な性格が他国に好かれているとか。ヴィルヘルムもクリストン王国とはコルンガ共和国ほどではないけど、仲がいいんだって。
ちなみに、温厚ではあるが牙を剥いた国には容赦がないらしい。ある国がその温厚さから弱いとみて攻め入ったらこてんぱんにやられ、その国の王族並びに侵略を画策した大臣達を皆殺しにし、吸収したこともあるんだとか。国民は特にひどい扱いを受けることはなかったため、国民達の反感を買うことはなかったと。
自国民の民を傷つけるのはゆるさねぇ、ってやつだよね。味方ならば心強いタイプの国だね。
最後は大陸北に位置するリステニア国。この国は1年の殆どを雪に包まれていてかなり寒い国らしい。作物も育ち難くて、野菜や果物は輸入に頼っていて、そのかわりに豊富な鉱山資源とそれらを使って作った武器、寒冷地に生息する毛の長い動物の毛を輸出しているらしい。
年中寒い気候に耐えて生きているからか、忍耐強く、意思の強い国民性で有名だとか。戦になれば、長期戦になる前にカタをつけないとかなりやっかいなんだって。この国と戦になったことはないらしいけど。
因みに奴隷制度はまだ廃止には至ってないらしい。廃止について議論が数年前進められているらしいが、なかなかその議論も決着を見せず、現在に至るとか。
大陸はすべての土地がいずれかの国に属す訳ではなく、どの国にも属さない土地が結構あるんだとか。そんな土地があるなら奪い合いの戦争が起きるのでは、と思ったけど実はそんなことはないらしい。
基本的にそんな土地は、国交の時に行き来するために使用されるため、いずれかの国が独占しないというのが暗黙の了解らしい。
どの国も国交なしでは国を回していけないから、たとえ好戦的なマクレーガ帝国みたいな国でも、その土地はそのままにするんだって。
でも確かに国交のために他国を跨いで、ってなるとまた面倒なことにもなりそうだもんね。共用の土地が国家間にあるのはおかしなことじゃあないよね。
因みに竜人の国の名前はドラゴスニア。謎に包まれているけど、味方であればこの国ほど心強い国はないらしい。それはやっぱり竜人は人間や獣人よりも遥かに魔力が多く、その質もよく、その使い方も秀でているからなんだって。
いくら魔力が多くても、制御できなければ暴走するか無意識のうちに自分で封印してしまい使えなくなるだけなんだけど、竜人はその制御が上手く膨大な魔力を簡単に使いこなしてるんだって。
ヴィルヘルムの魔術師も世界的にみてトップレベルで強いらしいんだけど、竜人には到底敵わないらしい。むしろ竜人に通用する人間がいる方がおかしいぐらいなんだとか。
そんな強い力をもつ竜人だけど、基本的には温厚で、多種族を見下すことはないらしい。ただ、竜人を利用しようとしたり、貶めたりすると怒りを買ってとんでもないことになるんだって。
でも一度認めればかなりの庇護を受けれるらしく、色んな国が竜人の気を引こうと必死らしい。まぁ竜人自身はそんな行動には見向きもせず、その国や国民の本質を見極めてるだけに過ぎないから、いくら取り繕って接しても意味はないんだとか。
因みにヴィルヘルムは結構気に入られてるらしくて国交もそこそこ行われてる方らしいよ。
こうして聞いてみるとヴィルヘルムはかなりいい国に思える。でも、実際は獣人に対する差別とかがまだ残っているようだし、まだまだ課題は残されているんだと思う。
他国に比べたら良いんだから、じゃなくていくらでも上は目指せるだろうから、もっと良い国になってくれたらな、って思う。
獣人の差別に関しては、神子の立場として何か出来たらな、って思う。「神子は差別を望まない」なんて言ったらどうだろう?
でも人の心はそう簡単にはいかないよね。まだまだ時間はあるんだし、ゆっくり考えていこう。ヴォイドの授業の中でもっとわかってくることもあるだろうしね。
これからもっと学んで、ゆっくりこの世界や国に対して僕ができることを見つけれたらな、と思う。
28
お気に入りに追加
2,138
あなたにおすすめの小説
近親相姦メス堕ちショタ調教 家庭内性教育
オロテンH太郎
BL
これから私は、父親として最低なことをする。
息子の蓮人はもう部屋でまどろんでいるだろう。
思えば私は妻と離婚してからというもの、この時をずっと待っていたのかもしれない。
ひそかに息子へ劣情を向けていた父はとうとう我慢できなくなってしまい……
おそらく地雷原ですので、合わないと思いましたらそっとブラウザバックをよろしくお願いします。
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
出戻り聖女はもう泣かない
たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。
男だけど元聖女。
一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。
「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」
出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。
ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。
表紙絵:CK2さま
この愛のすべて
高嗣水清太
BL
「妊娠しています」
そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。
俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。
※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。
両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。
αなのに、αの親友とできてしまった話。
おはぎ
BL
何となく気持ち悪さが続いた大学生の市ヶ谷 春。
嫌な予感を感じながらも、恐る恐る妊娠検査薬の表示を覗き込んだら、できてました。
魔が差して、1度寝ただけ、それだけだったはずの親友のα、葛城 海斗との間にできてしまっていたらしい。
だけれど、春はαだった。
オメガバースです。苦手な人は注意。
α×α
誤字脱字多いかと思われますが、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる