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本編
5 護衛騎士
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それからヴォイドさんが戻ってくるまで色々とロイと話した。どうやらロイには奥さん(男だけど)がいて、子供も2人いるんだそうだ。ロイ自体は40歳(見た目からしてもっと若いと思ってた)で、奥さんは39歳、子供たちは僕の4つ上の22歳と2つ下の16歳だそうだ。それを聞いて僕の親のつもりって言うのは申し訳ないって言えば、
「そんなことを気にするような人間を伴侶にしたつもりはないしそんな子に育てたつもりもない。むしろ全員ユキのことを歓迎するだろう」
なんて言ってくれた。嬉しかった。お言葉に甘えて僕はロイを親のように思おうと思った。
ロイの家族にはまた後日会わせてくれるらしい。家族の話をするロイは幸せそうな顔だった。ロイがそんな顔になるような家族に僕も会いたくなった。きっとみんないい人に違いない。
そうこう話しているうちにヴォイドさんが1人の男の人を連れて戻ってきた。恐らく彼が僕の護衛騎士となってくれる方だろう。
「陛下、ダグラスをお連れしましたよ」
「ああ、ご苦労。
ダグラス、ここに呼んだ用件は聞いておるか?」
「はっ! ヴォイド様より神子様の護衛騎士となるように仰せつかっております!」
見事な敬礼だ……!!
「うむ、そなたにはここにいる神子、ユキヒトの護衛騎士長を頼みたい。他の護衛騎士は明日にでも決めるが長はそなただ。頼めるか?」
「はっ! 身に余る光栄謹んでお受けいたします!」
どうやら受けてくれるようだ……よかった……
「うむ、ユキはどうにも危機感が薄いのでな。下手な輩を近づけさせんようくれぐれも頼んだぞ。
ユキ、この者が護衛騎士長となる。ダグラスはまだ25と若いがかなり優秀でな。すでに部隊長をするまでに至っている。ユキもしっかりと守ってくれるであろう。これから共にする時間も多いであろう。信頼関係はゆっくりと築いてゆけば良いからの」
「うん、ありがとう、ロイ。
ええと、ダグラスさん、ですよね? 護衛騎士のお話、受けてくださいってありがとうございます。僕は幸仁といいます。ぜひユキ、と呼んでくださいね」
「ご丁寧にありがとうございます。
しかし、ユキヒト様は神子様ですしそのように気軽にお呼びするわけには……」
「僕がそう呼んでほしいんです。いけませんか……?」
「か、かしこまりました。では、ユキ様、と」
「むぅ……様もいらないんですけど……」
「そ、それは……」
しどろもどろになるダグラスさんにロイは笑う。
「ははははは! ユキ、それは真面目で堅物なダグラスには難しいであろうよ! なあに、これからゆっくりと距離を縮めていけばいいさ」
うん、それもそうか。いつか絶対ユキって呼ばせるぞ……!!
「じゃあ、今はそれで我慢します。いつかただユキ、と呼んでくださいね?」
「う、善処します……
しかし、ユキ様、私への敬称や敬語は必要ありません。どうかただダグラス、と」
「む、それでは対等じゃあないじゃないですか」
「しかしユキ様は私の主ですし……」
むぅ……そうなんだろうけどさぁ……
「ユキ、ユキから距離を縮めていくのも手だと私は思うぞ?」
ロイの言葉に確かにそうかも、と思う。
うん、そうだね。じゃあ、そうしよう。
「じゃあ、敬語はやめる。あとね、ダグ、って呼んでもいい?」
「はっ! 勿論でございます!!」
あれ、思ったより嬉しそうだ。
「よかった、これからよろしくね、ダグ」
にっこり微笑んで言えば、ダグはその場に跪いた。ギョッとする僕を尻目に、
「命に代えてもお守りいたします」
なんて言われた僕は不覚にもキュンとしました!
「そんなことを気にするような人間を伴侶にしたつもりはないしそんな子に育てたつもりもない。むしろ全員ユキのことを歓迎するだろう」
なんて言ってくれた。嬉しかった。お言葉に甘えて僕はロイを親のように思おうと思った。
ロイの家族にはまた後日会わせてくれるらしい。家族の話をするロイは幸せそうな顔だった。ロイがそんな顔になるような家族に僕も会いたくなった。きっとみんないい人に違いない。
そうこう話しているうちにヴォイドさんが1人の男の人を連れて戻ってきた。恐らく彼が僕の護衛騎士となってくれる方だろう。
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どうやら受けてくれるようだ……よかった……
「うむ、ユキはどうにも危機感が薄いのでな。下手な輩を近づけさせんようくれぐれも頼んだぞ。
ユキ、この者が護衛騎士長となる。ダグラスはまだ25と若いがかなり優秀でな。すでに部隊長をするまでに至っている。ユキもしっかりと守ってくれるであろう。これから共にする時間も多いであろう。信頼関係はゆっくりと築いてゆけば良いからの」
「うん、ありがとう、ロイ。
ええと、ダグラスさん、ですよね? 護衛騎士のお話、受けてくださいってありがとうございます。僕は幸仁といいます。ぜひユキ、と呼んでくださいね」
「ご丁寧にありがとうございます。
しかし、ユキヒト様は神子様ですしそのように気軽にお呼びするわけには……」
「僕がそう呼んでほしいんです。いけませんか……?」
「か、かしこまりました。では、ユキ様、と」
「むぅ……様もいらないんですけど……」
「そ、それは……」
しどろもどろになるダグラスさんにロイは笑う。
「ははははは! ユキ、それは真面目で堅物なダグラスには難しいであろうよ! なあに、これからゆっくりと距離を縮めていけばいいさ」
うん、それもそうか。いつか絶対ユキって呼ばせるぞ……!!
「じゃあ、今はそれで我慢します。いつかただユキ、と呼んでくださいね?」
「う、善処します……
しかし、ユキ様、私への敬称や敬語は必要ありません。どうかただダグラス、と」
「む、それでは対等じゃあないじゃないですか」
「しかしユキ様は私の主ですし……」
むぅ……そうなんだろうけどさぁ……
「ユキ、ユキから距離を縮めていくのも手だと私は思うぞ?」
ロイの言葉に確かにそうかも、と思う。
うん、そうだね。じゃあ、そうしよう。
「じゃあ、敬語はやめる。あとね、ダグ、って呼んでもいい?」
「はっ! 勿論でございます!!」
あれ、思ったより嬉しそうだ。
「よかった、これからよろしくね、ダグ」
にっこり微笑んで言えば、ダグはその場に跪いた。ギョッとする僕を尻目に、
「命に代えてもお守りいたします」
なんて言われた僕は不覚にもキュンとしました!
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