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本編
10 支え
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もう僕はひとりなのだと自覚したとたん、何かがごっそりと僕の中から抜けていくような感覚がした。
暖かくてかけがえのない何かが抜け出て行った。
ぽっかりと胸に穴が空いたようで、ひゅうひゅうと風が通り抜ける。
途端に寒くなり、身体がガタガタと震えたが動く気にもなれなくてそのまま空を見続けていると突然何か暖かいものに包まれた。
ダグの腕だった。
強く強く抱きしめられ、痛いほどだったのになぜかその力が安心した。
あなたはひとりじゃありません
私がお側におります
いつまでも、いつまでもお側におります
言葉はなかったのに、そう言われているようで、そのまま身体にまわされたダグの腕に縋るように泣き叫んだ。
一度溢れ出た涙は止まることを知らず、ダグの腕の中でただただ、泣き続けた。
ダグは何も言わず抱きしめ続けてくれた。
抜け出たはずの何かがじわじわと、戻ってくるようだった。
暖かくてかけがえのない何か。大切なはずの何か。
それがなんなのか今の僕には分からなかったがそれでもよかった。
ダグの暖かさに身を任せ、泣き続けた。
震えはいつのまにか止まっていた。
僕は、この世界で、生きていく
そう思ったのを最後に、僕の意識は途切れた。
暖かくてかけがえのない何かが抜け出て行った。
ぽっかりと胸に穴が空いたようで、ひゅうひゅうと風が通り抜ける。
途端に寒くなり、身体がガタガタと震えたが動く気にもなれなくてそのまま空を見続けていると突然何か暖かいものに包まれた。
ダグの腕だった。
強く強く抱きしめられ、痛いほどだったのになぜかその力が安心した。
あなたはひとりじゃありません
私がお側におります
いつまでも、いつまでもお側におります
言葉はなかったのに、そう言われているようで、そのまま身体にまわされたダグの腕に縋るように泣き叫んだ。
一度溢れ出た涙は止まることを知らず、ダグの腕の中でただただ、泣き続けた。
ダグは何も言わず抱きしめ続けてくれた。
抜け出たはずの何かがじわじわと、戻ってくるようだった。
暖かくてかけがえのない何か。大切なはずの何か。
それがなんなのか今の僕には分からなかったがそれでもよかった。
ダグの暖かさに身を任せ、泣き続けた。
震えはいつのまにか止まっていた。
僕は、この世界で、生きていく
そう思ったのを最後に、僕の意識は途切れた。
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