上 下
16 / 43

第十六話・それぞれの朝・1

しおりを挟む
 ーーいつもとは違う天井。慣れない触れ心地のシーツ。シンが目を覚ました時、そこは自室ではなく、医務室のベッドの上だった。

(あれ、俺、なんでここに・・・・・・)

 寝ぼけ眼で辺りを見回そうとした、その時。

 すぐ隣で眠るアオイの存在に気がつき、ついはっと驚いてしまった。

(ーー思い出した、昨日、俺、アオイの怪我を治すために、ここで・・・・・・)

 昨晩の記憶が鮮明に蘇ってきて、シンは顔を真っ赤に染める。

『ーーね、あぉ、ぃッ・・・・・・‼︎♡ あぁ、き、きもちぃ?♡ アオイも、きもちよく、なってるッ?♡』

 アオイにまたがり、ヘコヘコ腰を振りながらあんあん喘いだことを思い出すと、今更ながら恐ろしいほどの羞恥心が湧き上がってきて。

「~~ッ・・・・・・‼︎‼︎」

 シンはボフッと枕に顔を埋めると、呻き声を上げた。

(き、昨日は、アオイが死にそうな顔でぶっ倒れたもんだから、俺もテンパってたんだ。あんなこと、いつもの俺なら絶対にしないッ・・・・・・‼︎)

『・・・・・・や、あおいぃッ♡ やら、おかしくなるっ・・・・・・まって、まってぇッ‼︎♡♡♡』

 アオイの熱い肉棒を尻にハメられて善がり狂った記憶に、全身がゾクゾク疼く。

(昨日のアオイ、は、激しかったな・・・・・・♡)

 傷が治ってからのアオイが、体勢を逆転して責めてきた時のことを思い出す。

 結腸までアオイのペニスを突き入れられて、強く身体を揺さぶられて。

 メスイキさせられたシンは、そのまま気絶してしまったのだ。

(・・・・・・そういえば、アオイ、何か言っていたような)

 最後の方は連続で絶頂していたせいで記憶が朧げだが・・・・・・シンは、その時聞いたアオイの科白を思い出すことができた。

『ーーシン・・・・・・ッ好きだ、シン』

 アオイの低い声で、吐息混じりに熱っぽく紡がれたその言葉。

(・・・・・・あ、あれって、聞き間違いか? アオイが、俺のこと好きだって)

 かあっと頬が赤くなる。熱で頭の中がこんがらがって、うまく考えられない。

(告白されたってこと? 俺っ・・・・・・うそだろ⁉︎)

 鼓動が激しくなり、シンは隣で眠るアオイの方を直視できなくなる。

 ーーシンは、アオイのことがたまらなく好きだ。

 素直になれなくて気持ちを伝えられたことはないが、アオイが他の皆と親しげに話しているとそれだけで嫉妬するし、アオイと一緒にいるだけで胸がそわそわして冷静ではいられないのだ。

(俺、返事したほうがいいのか? あ、アオイのこと、俺も好きって・・・・・・い、いやでも、どうやって切り出せば良いんだよッ・・・・・・‼︎)

 アオイに好かれていたのだ、と頬を緩めて浮かれつつ、悶々と悩むシン。

 その横で密かに目を覚ましていたアオイが、昨夜つい胸の内を明かしてしまったことを静かに後悔していることも知らず・・・・・・。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

禁断の祈祷室

土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。 アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。 それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。 救済のために神は神官を抱くのか。 それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。 神×神官の許された神秘的な夜の話。 ※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...