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第四話 口付け
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『ーーそこの金髪の男と口付けろ、ちゃんと舌を使ってな』
「なっ・・・・・・⁉︎」
予想外の条件に、ナキアは目を丸くして絶句した。
(く、口付け? 俺とサイラスが?)
想像しただけで顔が真っ赤に染まる。
確かに、“幼児になって男と口付け”なんて条件は自尊心の高いナキアを傷つけるには有効なものだったのだろう・・・・・・相手の男が、ナキアの片思いの相手サイラスでなければ。
元の体に戻るため仕方なく、という言い訳で、ナキアは好きな男と口付けることができるのだ。
気づいていない様子だが亡霊側も誤算だったことだろう。
「舌を使った口付け・・・・・・ふふ、子供の口の中って熱くて狭くて気持ちいいんでしょうね」
完全に自分の欲を満たそうとしているサイラスのそんな台詞に、ナキアはわざとらしく舌打ちする。
「クソッ、やるならさっさとやれ、サイラス‼︎ これから俺はまた仕事があるんだ、元の体に戻れないと困る‼︎」
嫌々なんだからなと強調するのようなナキアの生意気な言い回しが、むしろサイラスにとっては好ましいらしい。
ーーサイラスは、クソガキ好きであった。生意気な少年をねじ伏せ、分からせるのが興奮ポイントなのだ。
いよいよ救いようのない変態である。
唯我独尊、悪逆非道の最強魔導士ナキアも、魔法をうまく使えない小さな子供になってしまえばただの尊大なクソガキであった。
「では、始めますね?」
ナキアの幼く細い身体を、サイラスはそっと抱き寄せる。
「・・・・・・とっとと終わらせろ」
抱きしめられるとサイラスの匂いを強く感じて、心臓が高鳴ってしまう。
早くしろ、と言わんばかりに目を閉じて唇を差し出すとーー次の瞬間、ナキアの口の中にサイラスの舌が入り込んできた。
「んぅッ‼︎♡」
小さなナキアの口の中を、いきなりサイラスの舌が蹂躙しだし、ナキアはビクンビクンと細い身体を震わせる。
ふにふにの唇を甘噛みされたり、吸われたりして、その気持ちよさにとろけてしまう。
「ん、んむ♡ ふぁ、は、んむぅ♡」
息が苦しくてサイラスの胸をバシバシと叩くも、子供の手では大人の男を押しのけられるはずもない。
熱く狭い幼子の口の中を舌で舐めまわされ、口蓋を舌先でくすぐられて、ナキアはあまりの快感に腰が抜けてしまった。
息継ぎがうまくできず、酸素不足で意識がとろんとする。
「んむ、ちゅ、ん、はぅ♡ ん、む♡」
ちゅ、ちゅと小さな唇を甘くついばまれたかと思えば、舌を口の中に入れられて、唾液が混ざり合うほどの深い口付けを強いられる。
苦しくて、それなのに気持ちよすぎて、ナキアがぽろぽろと泣き出した・・・・・・その時だった。
体全体が光り、手足が長く伸びていくような感覚を覚えたのは。
「へっ?♡ あ、も、戻った、おれ」
へろへろになってなんとか言葉を発する俺を、サイラスはそっと放す。
「・・・・・・良かったですね、ナキア様」
にこにこしたいつものサイラスの笑顔に、まるで大人に戻った自分には性的な欲求など感じないと言われているような気がしたナキアは、無言のままバッと立ち上がり、サイラスを突き放すように部屋を出て行った。
(・・・・・・なんだよ、クソッ)
ガン、と壁を蹴るも、腰が抜けるほどの口付けの後ではうまく力が入らず、気の抜けた蹴りになってしまう。
(サイラスッ・・・・・・俺が元に戻っても、もう少しくらい口付けを続けてやってもよかったんだぞ‼︎)
決して、自分から「もう少し」などとねだることはできないプライドの高さが、ナキアを素直にさせない。
「ーーお待ち下さい、ナキア様‼︎ お仕事でしたら、側近の俺も同行するのが常でしょう⁉︎」
慌てて部屋から追いかけてきたサイラスをキッと睨みつけると、俺は背後を振り返ることもなく次の仕事へと向けてスタスタと歩き出した。
(サイラスの・・・・・・馬鹿が‼︎)
「なっ・・・・・・⁉︎」
予想外の条件に、ナキアは目を丸くして絶句した。
(く、口付け? 俺とサイラスが?)
想像しただけで顔が真っ赤に染まる。
確かに、“幼児になって男と口付け”なんて条件は自尊心の高いナキアを傷つけるには有効なものだったのだろう・・・・・・相手の男が、ナキアの片思いの相手サイラスでなければ。
元の体に戻るため仕方なく、という言い訳で、ナキアは好きな男と口付けることができるのだ。
気づいていない様子だが亡霊側も誤算だったことだろう。
「舌を使った口付け・・・・・・ふふ、子供の口の中って熱くて狭くて気持ちいいんでしょうね」
完全に自分の欲を満たそうとしているサイラスのそんな台詞に、ナキアはわざとらしく舌打ちする。
「クソッ、やるならさっさとやれ、サイラス‼︎ これから俺はまた仕事があるんだ、元の体に戻れないと困る‼︎」
嫌々なんだからなと強調するのようなナキアの生意気な言い回しが、むしろサイラスにとっては好ましいらしい。
ーーサイラスは、クソガキ好きであった。生意気な少年をねじ伏せ、分からせるのが興奮ポイントなのだ。
いよいよ救いようのない変態である。
唯我独尊、悪逆非道の最強魔導士ナキアも、魔法をうまく使えない小さな子供になってしまえばただの尊大なクソガキであった。
「では、始めますね?」
ナキアの幼く細い身体を、サイラスはそっと抱き寄せる。
「・・・・・・とっとと終わらせろ」
抱きしめられるとサイラスの匂いを強く感じて、心臓が高鳴ってしまう。
早くしろ、と言わんばかりに目を閉じて唇を差し出すとーー次の瞬間、ナキアの口の中にサイラスの舌が入り込んできた。
「んぅッ‼︎♡」
小さなナキアの口の中を、いきなりサイラスの舌が蹂躙しだし、ナキアはビクンビクンと細い身体を震わせる。
ふにふにの唇を甘噛みされたり、吸われたりして、その気持ちよさにとろけてしまう。
「ん、んむ♡ ふぁ、は、んむぅ♡」
息が苦しくてサイラスの胸をバシバシと叩くも、子供の手では大人の男を押しのけられるはずもない。
熱く狭い幼子の口の中を舌で舐めまわされ、口蓋を舌先でくすぐられて、ナキアはあまりの快感に腰が抜けてしまった。
息継ぎがうまくできず、酸素不足で意識がとろんとする。
「んむ、ちゅ、ん、はぅ♡ ん、む♡」
ちゅ、ちゅと小さな唇を甘くついばまれたかと思えば、舌を口の中に入れられて、唾液が混ざり合うほどの深い口付けを強いられる。
苦しくて、それなのに気持ちよすぎて、ナキアがぽろぽろと泣き出した・・・・・・その時だった。
体全体が光り、手足が長く伸びていくような感覚を覚えたのは。
「へっ?♡ あ、も、戻った、おれ」
へろへろになってなんとか言葉を発する俺を、サイラスはそっと放す。
「・・・・・・良かったですね、ナキア様」
にこにこしたいつものサイラスの笑顔に、まるで大人に戻った自分には性的な欲求など感じないと言われているような気がしたナキアは、無言のままバッと立ち上がり、サイラスを突き放すように部屋を出て行った。
(・・・・・・なんだよ、クソッ)
ガン、と壁を蹴るも、腰が抜けるほどの口付けの後ではうまく力が入らず、気の抜けた蹴りになってしまう。
(サイラスッ・・・・・・俺が元に戻っても、もう少しくらい口付けを続けてやってもよかったんだぞ‼︎)
決して、自分から「もう少し」などとねだることはできないプライドの高さが、ナキアを素直にさせない。
「ーーお待ち下さい、ナキア様‼︎ お仕事でしたら、側近の俺も同行するのが常でしょう⁉︎」
慌てて部屋から追いかけてきたサイラスをキッと睨みつけると、俺は背後を振り返ることもなく次の仕事へと向けてスタスタと歩き出した。
(サイラスの・・・・・・馬鹿が‼︎)
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