角持ち奴隷少女の使用人。

四つ目

文字の大きさ
上 下
193 / 247

191、ドレス選び。

しおりを挟む
「はぁん、かわいいぃ~」

うっとりしながらカメラを構える羊角の視線の先には、ドレス姿の少女が立っている。
普段からフリフリ系の服は着るが、今日は大人が着る様なタイプのドレスだ。
背中がバックり空いた物や、スリットの入った物。
女性的な体系を見せる為のぴっちりしたドレスなども着ている。

本来子供用には無さそうな服ばかりだが、どれもちゃんと少女サイズに作られている。
羊角が少女の為に態々仕立てたらしい。器用過ぎる。
とはいえ少女は体型が体系なので、色っぽいとは程遠いのだが。
ポーズもわーいと手を上げたり、可愛くピースをしたりと、どう見ても可愛らしい。

膝から下だけフリルになってる場合など、クルクル回ってキャッキャと楽し気に翻している。
ただこの手のドレスは余り足を開けないので、こけてしまう事もしばしば。
ぴっちりミニスカなどは破らない様に気を付けるせいか、少し動きが大人しくなって女の子らしい可愛さを見せてはいるが。

民族衣装系のドレスも有り、布の綺麗さにほえーっと目を奪われている事も。
そんな時はその姿もシャッターチャンスと、羊角の手は止まらない。
今日一日で何枚撮るつもりなのか。少なくとも既に数百枚は撮っている。

「いや、何でアンタが楽しんでんの。あんたのドレス選びでしょうが」
「天使ちゃんが可愛くて、つい。じゃあ次これ羽織ってくれる?」
「いや、ついっていうなら軌道修正してよ。何で続行してんの」

彼女が途中で突っ込むも、言い訳をする割に着せ替えを止めない。
それもそうだろう。今回は羊角お手製のドレスが複数存在する。
つまりは着せる際の調整は、羊角の手によってされている。
そう、ここに来て久しぶりに、やっと羊角は自分の手での着せかえを成しているのだ。

という訳で当然羊角は止まるはずもなく、次に次にと写真を撮り、次の服をと着せて行く。
一応お目付け役に彼女は居るけども、今回ばかりは好きにさせていた。

「ったく・・・無理にテンション上げちゃって」

彼女も羊角の話は聞いている。
別に内緒にする事でも無いしねぇと、羊角本人の口から語られた。
夜の仕事をしていた羊角が、昔囲われていた相手の話を。
そして、最後は、捨てられたという話を、羊角は笑いながら話していた。

多分今の羊角の行動は、自分の気持ちを誤魔化す為でも有るのだろう。
これから自分のやる事の為に、気分を落とさずに向かう為に。
此処に帰って来ると、またこうやって少女と触れ合うという想いを持って。

「はあああああん! やっと、やっと・・・ああ・・・!」

恍惚の表情で拳を握り締め、とてもじゃないが正気とは思えない様子の羊角。
少女の着替えを手伝う時など、息が荒過ぎて変態と言われかねない勢いだ。
はぁはぁと少女の服を着せる様を録画すれば確実に御用になるだろう。
というか顔が近い。首筋に唇が触れそうだ。そんなに首筋に顔を近づける必要はない。

「・・・違うかもしれない」

先ほどはああ思った物の、少し自身の無くなって来る彼女であった。









撮影後は予定を忘れていた訳ではなく、ちゃんと自分の服とアクセを選び始めた羊角。
その際に出していたドレスには少女に着せた服と同じタイプの物が有り、見つけた少女がキラキラした瞳で羊角に手渡した。

ハイッと元気よく手渡された羊角は少し首を傾げていると、少女はいそいそと同じドレスに着替え始める。
そこで意図に気が付き、クスクスと笑いながら自分も着替えた。
着替え終わった少女は同じく着替え終わった羊角の手を取り、おそろいだねーと首を傾げながら笑いかける。
それだけで羊角は「生涯に悔い無し」と言いそうな様子だったが、まだ続きが有った。

少女はキャーっと羊角に抱きつき、気が付くと彼女がカメラを構えて二人に向けていたのだ。
そしてパシャッと、同じ服でくっつく少女と羊角の写真が撮られた。
角の形に違いこそあれど、中の良い姉妹にも見えなくはない写真。
これが女であれば親子に見えただろう。というのは余計な一言だろうか。

「お揃い・・・! 天使ちゃんとお揃いツーショット・・・・!」

羊角はその写真が絶対に無くならない様にすぐさま複数のバックアップを取り、印刷も複数枚その場でしてしまう。
そして財布とパスケースに入れ、今もうっとりと見つめているのだ。
ただその写真は少女も貰ったので、みてみてーと皆に見せて回っており、知らない所で女の嫉妬を買う羊角であった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

交換した性別

廣瀬純七
ファンタジー
幼い頃に魔法で性別を交換した男女の話

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...