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84、ぷにぷに。
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その日の少女は蕩けていた。
目は完全に垂れ下がりに、へにゃッとした笑顔でうつらうつらと頭が揺れている。
ただそれは少女が寝不足だから等ではなく、目の前に居る彼女が原因であった。
「相変わらずプニプニだなぁ・・・触ってるこっちが気持ち良いんだけど。何これ」
彼女は少女の手を楽し気にプニプニと触っている・・・という訳では無い。
いや、感触を楽しんでいるのは間違いないのだが、彼女は少女をマッサージしていたのだ。
と言っても簡単なハンドマッサージで、少女の正面に座って手と腕を揉んでいるだけではあるが。
「何時も頑張っている角っ子ちゃんに、おねーさんが気持ち良い事を教えてあげよう!」
と、皆が居る前で言った事で複眼に蹴りを貰って取っ組み合いになり、その後ハンドマッサージをするつもりだったと説明して何とか騒動は収まる。
少女はその時何が起こったのか解らずオロオロして、とりあえず一番近くに居た女に抱きついたのだが、女は少女を抱きしめて険しい顔で固まっているだけだった。
二人の喧嘩なぞどうでも良い女は、今日一日気分良く仕事が出来る事であろう。
「んじゃ、そこに座って手を出して下さいな。テーブルの上に乗っけてて良いからね」
彼女にそう言われた少女はワクワクしながら手を出した。
そして最初こそ気持ち良さげなぽややんとした顔を見せているだけだったが、時間が経つにつれてゆっくりと瞼が落ちていき、今や完全に寝始めているという訳だ。
「何であれだけ農作業しててプニプニなのこの子。ほんと羨ましいわぁ・・・」
農作業のみならず、水仕事もしているはずの少女の手はプニプニであった。
勿論風呂掃除などはビニール手袋などを使っているが、それでも力仕事をしているはずの手にしては柔らかい。
とってもプニプニなその手に彼女は段々目的を忘れかけている程だ。
「角っ子ちゃん、逆の手をやるねー」
彼女は一応宣言をしてから逆の手を取り、また同じ様にマッサージをしていく。
少女は声をかけられた事で一瞬ビクッとして目を覚ますものの、すぐに眠りにつき始めていた。
どうも気持ち良さに逆らう能力が少女には無いらしい。
「両手ともプニプニだなぁ。何だこれ本当に。ずっと触ってても飽きないぞ」
最早彼女は何の為にやっているのか、完全に方向性を迷い始めている。
一応マッサージはしているのだが、無駄にプニプニと触る時間が増えているのも確かだった。
ただ少女はそうやって触られる事も悪く無いらしく、口元がにやけた形でむにゅむにゅと動いて気持ち良さげだ。
「あんた何時までやってんの・・・」
「いやだって、気持ち良いんだって、角っ子ちゃんのおてて」
そして何時までも終わらないマッサージにいい加減複眼が声をかけたのだが、彼女の返答は返事になっていない物だった。
そのせいで複眼は溜め息を吐きながら頭を抱える。
「あんたが気持ち良くなってどうすんのよ・・・」
とは言うものの、複眼も少女の手は気持ち良いと思っている。
何度か手を繋いだ時の感触はとても心地良かったと。
ただそこで、複眼はハッと何か思いついた様な顔を見せた。
「あんた、実はそっちが目的だったでしょ」
「・・・ばれた?」
てへっと笑顔を見せながら言う彼女に、盛大に溜息を吐く複眼。
実は彼女はマッサージを建前として、少女の手をプニプニしたいだけだった様だ
「ったく、ちみっこの腕が痛くならないように気を付けなよ」
「へーい、そこはちゃんと気を付けまーす」
そう言いながらも少女の手を離さない彼女を見て、適当な所で蹴りを入れに来ようと思う複眼であった。
目は完全に垂れ下がりに、へにゃッとした笑顔でうつらうつらと頭が揺れている。
ただそれは少女が寝不足だから等ではなく、目の前に居る彼女が原因であった。
「相変わらずプニプニだなぁ・・・触ってるこっちが気持ち良いんだけど。何これ」
彼女は少女の手を楽し気にプニプニと触っている・・・という訳では無い。
いや、感触を楽しんでいるのは間違いないのだが、彼女は少女をマッサージしていたのだ。
と言っても簡単なハンドマッサージで、少女の正面に座って手と腕を揉んでいるだけではあるが。
「何時も頑張っている角っ子ちゃんに、おねーさんが気持ち良い事を教えてあげよう!」
と、皆が居る前で言った事で複眼に蹴りを貰って取っ組み合いになり、その後ハンドマッサージをするつもりだったと説明して何とか騒動は収まる。
少女はその時何が起こったのか解らずオロオロして、とりあえず一番近くに居た女に抱きついたのだが、女は少女を抱きしめて険しい顔で固まっているだけだった。
二人の喧嘩なぞどうでも良い女は、今日一日気分良く仕事が出来る事であろう。
「んじゃ、そこに座って手を出して下さいな。テーブルの上に乗っけてて良いからね」
彼女にそう言われた少女はワクワクしながら手を出した。
そして最初こそ気持ち良さげなぽややんとした顔を見せているだけだったが、時間が経つにつれてゆっくりと瞼が落ちていき、今や完全に寝始めているという訳だ。
「何であれだけ農作業しててプニプニなのこの子。ほんと羨ましいわぁ・・・」
農作業のみならず、水仕事もしているはずの少女の手はプニプニであった。
勿論風呂掃除などはビニール手袋などを使っているが、それでも力仕事をしているはずの手にしては柔らかい。
とってもプニプニなその手に彼女は段々目的を忘れかけている程だ。
「角っ子ちゃん、逆の手をやるねー」
彼女は一応宣言をしてから逆の手を取り、また同じ様にマッサージをしていく。
少女は声をかけられた事で一瞬ビクッとして目を覚ますものの、すぐに眠りにつき始めていた。
どうも気持ち良さに逆らう能力が少女には無いらしい。
「両手ともプニプニだなぁ。何だこれ本当に。ずっと触ってても飽きないぞ」
最早彼女は何の為にやっているのか、完全に方向性を迷い始めている。
一応マッサージはしているのだが、無駄にプニプニと触る時間が増えているのも確かだった。
ただ少女はそうやって触られる事も悪く無いらしく、口元がにやけた形でむにゅむにゅと動いて気持ち良さげだ。
「あんた何時までやってんの・・・」
「いやだって、気持ち良いんだって、角っ子ちゃんのおてて」
そして何時までも終わらないマッサージにいい加減複眼が声をかけたのだが、彼女の返答は返事になっていない物だった。
そのせいで複眼は溜め息を吐きながら頭を抱える。
「あんたが気持ち良くなってどうすんのよ・・・」
とは言うものの、複眼も少女の手は気持ち良いと思っている。
何度か手を繋いだ時の感触はとても心地良かったと。
ただそこで、複眼はハッと何か思いついた様な顔を見せた。
「あんた、実はそっちが目的だったでしょ」
「・・・ばれた?」
てへっと笑顔を見せながら言う彼女に、盛大に溜息を吐く複眼。
実は彼女はマッサージを建前として、少女の手をプニプニしたいだけだった様だ
「ったく、ちみっこの腕が痛くならないように気を付けなよ」
「へーい、そこはちゃんと気を付けまーす」
そう言いながらも少女の手を離さない彼女を見て、適当な所で蹴りを入れに来ようと思う複眼であった。
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