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49、風呂掃除。
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今日の少女は風呂掃除をやっていた。別に特別今日が珍しくやっているという訳ではない。
普段の仕事の一つとして、今日は浴場を掃除をする様にと言われただけだ。
と言っても少女が何かないかと訊ねて指示をされただけなので、その時余っている仕事を言い渡されているだけなのだが。
だが余り物だろうが何だろうが張り切るのが少女である。
タイル用のブラシとスポンジを手に、浴場用の洗剤でもって洗っていく。
高い所も洗う為に、浴場でも滑らない脚立も持って来ている。準備は完璧だ。
因みに今日は前回男の洗髪をした時の格好だ。
濡れても良い服だというのも理由なのだが、少女はこの格好が少し気に入ったらしい。
最近は浴場の掃除の際にはこの服でやる事が多くなっている。
羊角が水着も用意していたりするのだが、今の所一度も着た事は無い。
以前彼女が却下したので、着たら羊角が怒られるかなと思って着ていないのだ。
だが羊角は諦めていない。水着らしい水着が駄目なのならば、普段着に近いタイプの水着を用意すればいいのだと、そして今度こそ水着撮影をと画策している。
ただしそれは暖かくなってからだろう。
流石に真冬の最中、薄着の水着には少女も好き好んでなりたくは無い。
今の服装も何だかんだと着込んでいるから寒くないし、軽く水を弾く素材なので濡れ難いから着ているのだ。少女もそれなりに実用性を重視しているのである。だって寒いのだもの。
その代わりと言っては何だが、今日は風呂掃除用の靴がプレゼントされている。
浴場でこけない様に滑り難くなっていて、足も濡れない様にしてくれるバスシューズだ。
キュポキュポと音をさせながら歩く様を見て、女の眼光はいつも通り鋭くなっていた。
若干幼児退行している様に見えるのが殊更可愛らしかったのだろう。
貰った時にキャッキャと喜んでいる様は、雨の日の長靴に喜ぶ幼児の様だった。
羊角のコレクションが増えた事は言うまでもないだろう。
ただしそのついでに渡そうとした幼児服のせいで、女にプロレス技で制裁を食らっていたが。
四の字固めにより本気で泣き叫ぶ羊角の声が木霊していた。
浴場を洗う際にはお湯を使う事を許可されている。
なので掃除で凍える事は無く、むしろ少女は少し汗をかいているぐらいだ。
とはいっても、一生懸命動いているうちに体温が上がる事も要因の一つだが。
「角っこちゃん、そろそろ終わったかーい?」
広い浴場の掃除を終え、一息ついている所に彼女が声をかけに来た。
少女は額に落ちる汗をぬぐい、キュポキュポと音をたてながら彼女の下に行く。
彼女はその様子を見て、顔が変な風ににやけてしまうのを感じて思わず顔を背けてしまう。
口元を抑え、後ろを向いてプルプルと震える彼女に首を傾げる少女。
普段なら「可愛いねー」と素直に褒める彼女だが、何か変にツボに嵌ってしまったらしい。
そしてまたキュポキュポと音をさせながら正面に回り込み、顔を覗き込んで来る少女に、彼女は我慢しきれず噴き出した。
「ぷふっ、ヤバイ、これ破壊力高い、くくっ」
その言葉に少女は一層首を傾げるが、尚の事彼女のツボに嵌っている事に気がついていない。
キョトンとした顔を向ける少女にちゃんと言葉を返せたのは、二分程たってからであった。
「あーもう、ほんと角っこちゃんは狡いぐらい可愛いなぁ」
落ち着いて少女の頭を撫でながらの言葉に、良く解らずも褒められた事に笑顔を見せる少女。
角も撫でられてご機嫌な少女は靴を履き替える事を忘れ、まだこの姿を見ていない使用人達にも笑顔を出させるのだった。
何故皆が何時もより微笑ましい目を向けるのか、本人は最後まで解らないままであったが。
普段の仕事の一つとして、今日は浴場を掃除をする様にと言われただけだ。
と言っても少女が何かないかと訊ねて指示をされただけなので、その時余っている仕事を言い渡されているだけなのだが。
だが余り物だろうが何だろうが張り切るのが少女である。
タイル用のブラシとスポンジを手に、浴場用の洗剤でもって洗っていく。
高い所も洗う為に、浴場でも滑らない脚立も持って来ている。準備は完璧だ。
因みに今日は前回男の洗髪をした時の格好だ。
濡れても良い服だというのも理由なのだが、少女はこの格好が少し気に入ったらしい。
最近は浴場の掃除の際にはこの服でやる事が多くなっている。
羊角が水着も用意していたりするのだが、今の所一度も着た事は無い。
以前彼女が却下したので、着たら羊角が怒られるかなと思って着ていないのだ。
だが羊角は諦めていない。水着らしい水着が駄目なのならば、普段着に近いタイプの水着を用意すればいいのだと、そして今度こそ水着撮影をと画策している。
ただしそれは暖かくなってからだろう。
流石に真冬の最中、薄着の水着には少女も好き好んでなりたくは無い。
今の服装も何だかんだと着込んでいるから寒くないし、軽く水を弾く素材なので濡れ難いから着ているのだ。少女もそれなりに実用性を重視しているのである。だって寒いのだもの。
その代わりと言っては何だが、今日は風呂掃除用の靴がプレゼントされている。
浴場でこけない様に滑り難くなっていて、足も濡れない様にしてくれるバスシューズだ。
キュポキュポと音をさせながら歩く様を見て、女の眼光はいつも通り鋭くなっていた。
若干幼児退行している様に見えるのが殊更可愛らしかったのだろう。
貰った時にキャッキャと喜んでいる様は、雨の日の長靴に喜ぶ幼児の様だった。
羊角のコレクションが増えた事は言うまでもないだろう。
ただしそのついでに渡そうとした幼児服のせいで、女にプロレス技で制裁を食らっていたが。
四の字固めにより本気で泣き叫ぶ羊角の声が木霊していた。
浴場を洗う際にはお湯を使う事を許可されている。
なので掃除で凍える事は無く、むしろ少女は少し汗をかいているぐらいだ。
とはいっても、一生懸命動いているうちに体温が上がる事も要因の一つだが。
「角っこちゃん、そろそろ終わったかーい?」
広い浴場の掃除を終え、一息ついている所に彼女が声をかけに来た。
少女は額に落ちる汗をぬぐい、キュポキュポと音をたてながら彼女の下に行く。
彼女はその様子を見て、顔が変な風ににやけてしまうのを感じて思わず顔を背けてしまう。
口元を抑え、後ろを向いてプルプルと震える彼女に首を傾げる少女。
普段なら「可愛いねー」と素直に褒める彼女だが、何か変にツボに嵌ってしまったらしい。
そしてまたキュポキュポと音をさせながら正面に回り込み、顔を覗き込んで来る少女に、彼女は我慢しきれず噴き出した。
「ぷふっ、ヤバイ、これ破壊力高い、くくっ」
その言葉に少女は一層首を傾げるが、尚の事彼女のツボに嵌っている事に気がついていない。
キョトンとした顔を向ける少女にちゃんと言葉を返せたのは、二分程たってからであった。
「あーもう、ほんと角っこちゃんは狡いぐらい可愛いなぁ」
落ち着いて少女の頭を撫でながらの言葉に、良く解らずも褒められた事に笑顔を見せる少女。
角も撫でられてご機嫌な少女は靴を履き替える事を忘れ、まだこの姿を見ていない使用人達にも笑顔を出させるのだった。
何故皆が何時もより微笑ましい目を向けるのか、本人は最後まで解らないままであったが。
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