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明の知らない嫉妬
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「貴女、後藤さんと付き合ってるらしいですけど、似合ってないです。貴女だってそうは思ってるんじゃないんですか?」
ぎらつく様な目つきで俺にそう言って来る女子生徒。この子は一年生だな。
いかにも俺の存在が不快という感情を隠さず、最早罵倒に近い声音でそう言ってきた。
『あなた』が『貴女』って言われている気がするのは気のせいだろうか。
明ちゃんと付き合い始めた後暫く経ってから、こういった事が起こる様になっていた。
彼女の耳には届いていない様だけど、坂本の奴は知っていた。
けどあいつはいい気味だなんて言ってきたので、間違いなく明ちゃんには言わないだろう。
俺も彼女の耳には届かないで良いと思っているので、別にそれは構わないけどね。
「君がどう思っているのか知らないが、俺が彼女に似合っているかどうかなんて知った事じゃ無い。俺は彼女が好きだし、彼女は俺を好いてくれてる。君に言われる筋合いはない」
そして俺はここ最近何度も言っている言葉を、目の前の女子生徒に投げる。
お前が何を言おうが目の前の存在は揺るがないと、はっきり伝えた。
付き合い始めた最初の頃ならともかく、今は何を言われても何ともない。
むしろ何で部外者に言われなきゃいけないんだ、っていう反発の心の方が生まれる。
「ご、後藤さんは格好良い女性なんです。その隣に立つのが貴女の様な変な人じゃ釣り合ってないです」
「だから?」
それでも引き下がらない女子生徒に、適当な態度でだからどうしたいのかと聞く。
俺は言いたい事は言ったし、それを曲げる気は無い。
そもそも会った事もない人間にいきなり呼び出されてこんな事言われ、はいそうですねなんていうわけが無い。
「別れて下さい。絶対にあの人には釣り合ってないです」
数は少ないが、時々ここまで行ってくる子がいる。
そしてここまで言ってくる子は、何を言っても無駄だと解っている。
こういう事を言い出す手合いは、自分の納得する言葉以外は聞こうとしない。
「君さ、それ明ちゃんに言えるの?」
「あ、明ちゃんなんて呼ばないで下さい!」
これだ。都合の悪い質問の返答はせず、自分の噛みつける所だけ食いつく。
正直な所話し合いには全くなってないし、話を続ける価値もない。
「女の格好している変態の癖に! 何で後藤さんはこんな奴!」
昔からこの格好を受け入れられている俺だが、それは俺に良く関わっている人間だけだ。
俺の日常の所作が完全に女性なせいで、皆は俺を男と見ていない。
けどこうやって、一部の俺しか見ていない人間にはこういう認識もあるだろうな。
勿論男とみられている事自体は喜ばしいが、こういう時だけそう見られるのは不愉快だ。
「その変態が好きなんだってさ、彼女は。悪いけど君とは話が通じる気がしない。もう行かせて貰うよ」
手を振ってもう話す事は無いと背を向ける。
その後も彼女は何か罵倒していた様だけど、特に耳を向ける気も起きない。
どうせ彼女が何を言おうが、俺と明ちゃんの関係は揺らがない。
しっかし明ちゃん、本当に女子生徒には人気だよな。
卒業まで何回有るかな、こういう事。
ぎらつく様な目つきで俺にそう言って来る女子生徒。この子は一年生だな。
いかにも俺の存在が不快という感情を隠さず、最早罵倒に近い声音でそう言ってきた。
『あなた』が『貴女』って言われている気がするのは気のせいだろうか。
明ちゃんと付き合い始めた後暫く経ってから、こういった事が起こる様になっていた。
彼女の耳には届いていない様だけど、坂本の奴は知っていた。
けどあいつはいい気味だなんて言ってきたので、間違いなく明ちゃんには言わないだろう。
俺も彼女の耳には届かないで良いと思っているので、別にそれは構わないけどね。
「君がどう思っているのか知らないが、俺が彼女に似合っているかどうかなんて知った事じゃ無い。俺は彼女が好きだし、彼女は俺を好いてくれてる。君に言われる筋合いはない」
そして俺はここ最近何度も言っている言葉を、目の前の女子生徒に投げる。
お前が何を言おうが目の前の存在は揺るがないと、はっきり伝えた。
付き合い始めた最初の頃ならともかく、今は何を言われても何ともない。
むしろ何で部外者に言われなきゃいけないんだ、っていう反発の心の方が生まれる。
「ご、後藤さんは格好良い女性なんです。その隣に立つのが貴女の様な変な人じゃ釣り合ってないです」
「だから?」
それでも引き下がらない女子生徒に、適当な態度でだからどうしたいのかと聞く。
俺は言いたい事は言ったし、それを曲げる気は無い。
そもそも会った事もない人間にいきなり呼び出されてこんな事言われ、はいそうですねなんていうわけが無い。
「別れて下さい。絶対にあの人には釣り合ってないです」
数は少ないが、時々ここまで行ってくる子がいる。
そしてここまで言ってくる子は、何を言っても無駄だと解っている。
こういう事を言い出す手合いは、自分の納得する言葉以外は聞こうとしない。
「君さ、それ明ちゃんに言えるの?」
「あ、明ちゃんなんて呼ばないで下さい!」
これだ。都合の悪い質問の返答はせず、自分の噛みつける所だけ食いつく。
正直な所話し合いには全くなってないし、話を続ける価値もない。
「女の格好している変態の癖に! 何で後藤さんはこんな奴!」
昔からこの格好を受け入れられている俺だが、それは俺に良く関わっている人間だけだ。
俺の日常の所作が完全に女性なせいで、皆は俺を男と見ていない。
けどこうやって、一部の俺しか見ていない人間にはこういう認識もあるだろうな。
勿論男とみられている事自体は喜ばしいが、こういう時だけそう見られるのは不愉快だ。
「その変態が好きなんだってさ、彼女は。悪いけど君とは話が通じる気がしない。もう行かせて貰うよ」
手を振ってもう話す事は無いと背を向ける。
その後も彼女は何か罵倒していた様だけど、特に耳を向ける気も起きない。
どうせ彼女が何を言おうが、俺と明ちゃんの関係は揺らがない。
しっかし明ちゃん、本当に女子生徒には人気だよな。
卒業まで何回有るかな、こういう事。
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