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興味の無い男襲来
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「姐さん、見つけた!」
放課後いつも通りに校門を出た所で、聞き覚えのある聞きたくない声が聞こえた。
嫌な予感がするので一切そちらを振り向かずに真っすぐに歩く。
だがその人物はあろう事か私についてきた。
「ストーカーの様なので、110番しますね」
「ちょ、ちょっと、ちょっと待って下さい姐さん! そりゃないっすよ」
「私は姐さんという名前じゃないので」
「ちょ、まっ、マジで勘弁して下さい! こん通りっす!」
私は男性らしき人物の言葉を無視して携帯端末を取り出し、暗証番号を打ち込む。
すると男性は私の行為に本気で焦って、土下座して来た。
「はぁ・・・・」
そのせいで周囲の視線が私に集まる。放課後すぐという事もあって、余計に視線が痛い。
私はこの状況に溜息を吐きつつ端末を仕舞う。そして男性の襟首をつかんで立ち上がらせた。
「うぇ!?」
「往来でみっともない真似しないで下さい」
吊り上げられた男性は変な声を出して、驚いた表情を見せる。
地に足を付いているのを確認してから手を離し、彼を放置して歩を進める。
だが男性は何故か私についてきた。やっぱりストーカーだ。
「姐さん、待って下さいよぉ!」
「何ですか、本当に通報しますよ」
「勘弁してくださいよぉ、ちょと聞きたい事があっただけなんすから」
男性はなおもついて来る。面倒だから本当に通報しようかな。
そう思っていると男性はついて来るどころか私の道を塞ぐ。
私は彼の顔を視認して、心底嫌な気分になった。本当に面倒だ。
「手短に済ませて下さい。後ここはお店じゃないので次やったら本当に通報しますよ」
「うっ、は、はい」
今の状況をどうにかしたい私は彼の要求をのむ事にした。
その代わりこちらも条件を出す事は忘れない。またこんな事が有っては困る。
もしやったら今度は本当に問答無用で通報するつもりだ。そこの容赦をする気は無い。
「その、姐さんが、好きな奴って、同じ学校の奴なんすよね。一度見てやろうと思って」
それで来たのか。迷惑この上ない。というか、あれで諦めてなかったのか。
どうしようかな、さっきはああ言ったけどやっぱり通報しようかな。
このままだと間違いなく春さんに迷惑が掛かっちゃう。
「あれ、明ちゃん何してんの、珍しい」
「春さん、今日は早いですね」
放課後即帰る私と違い、春さんは割とゆったり帰る。
一時春さんは私に合わせようと言ってくれたのだけど、私は毎日私の都合でそうしているので合う日だけで良いですよと言っている。
雛だって気の合う友人だけど、何でもかんでも合わすような事はしていない。
私は心地良い所でうまく距離感を掴んで合わせるのが、一番良いと思っている。
そしてそれはこの間の春さんとの旅行で、心底そう思った。
お互いの想い合う距離、心地よい距離の確認と、自分の意志判断から来る行為だから良いと。
「姐さんのお友達っすか? 可愛らしい方っすね」
「・・・明ちゃん、この人誰?」
不躾に春さんをじろじろと見る男性と、それを受けて嫌そうに私に聞く春さん。
どうしよう、ちょっとイラッとして来た。
いや、ここでは抑えよう。今夕方だし人の目も多い。手を出すのは無しだ。
「バイト先の常連さんです」
「ふーん?」
春さんは私の説明を受けて、物凄く警戒心を露わにしながら男性を見つめる。
だが男性はそれを気にせず私の方に向き直った。
「お願いしますよ、特徴を教えて貰ったらすぐ去りますんで」
「・・・教えたらどうするんですか?」
「そりゃー勿論、どっちが姐さんに相応しいか見せてやるに決まってるじゃないですか」
本気で言ってるんだろうか。私に勝てなかったのに春さんとやるつもりなのか。
この人喧嘩なら本当に強くて怖いのに。
でも今の春さんは受験控えてるし、下手に目立てないか。
少なくとも学校近くでは無理だ。どうしよ――――。
「おい、お前、明ちゃんに近づく野郎かよ」
「あん、なんだお嬢ちゃん、姐さんのお友達みたいだけど、あんまり舐めた口はきかない方が身のためだぞ?」
「うるせえ、明ちゃんの彼氏は俺だ。なんか用かよ」
「・・・は?」
男性の言葉の意図を理解した春さんは、正面切って威圧をした。
勿論可愛らしい春さんの威圧は効いてはいないが、彼の言葉は衝撃だったのだろう。
男性は目を点にして私の方を向く。向いた意味は理解しているので、こくんと頷いて返した。
「う、う、うそだああああ! そういう趣味じゃどうやっても勝ち目ねぇじゃねかああああ!」
そしてそう叫んで、男性は走ってどこかに消えた。
そういう趣味とは春さんと私のどちらに向けたものであろうか。
・・・まあいいか、どっかいったし。
「春さん、今日は買い物行きますけど、どうします?」
「あ、うん、せっかく一緒になったしついて行くけど、あいつほっといて良いの?」
「別に構いません。名前も知らない人ですし」
「あ、そうなんだ・・・」
彼の事は一切興味が無いので、この後どうなろうと知った事ではない。
むしろ二度と顔を見せないで欲しい。
さて、春さんと一緒に買い物だ。
彼に足止めを食らったおかげなので、そこだけは感謝しておこうか。
だとしても名前を覚える気は一切ないけど。
放課後いつも通りに校門を出た所で、聞き覚えのある聞きたくない声が聞こえた。
嫌な予感がするので一切そちらを振り向かずに真っすぐに歩く。
だがその人物はあろう事か私についてきた。
「ストーカーの様なので、110番しますね」
「ちょ、ちょっと、ちょっと待って下さい姐さん! そりゃないっすよ」
「私は姐さんという名前じゃないので」
「ちょ、まっ、マジで勘弁して下さい! こん通りっす!」
私は男性らしき人物の言葉を無視して携帯端末を取り出し、暗証番号を打ち込む。
すると男性は私の行為に本気で焦って、土下座して来た。
「はぁ・・・・」
そのせいで周囲の視線が私に集まる。放課後すぐという事もあって、余計に視線が痛い。
私はこの状況に溜息を吐きつつ端末を仕舞う。そして男性の襟首をつかんで立ち上がらせた。
「うぇ!?」
「往来でみっともない真似しないで下さい」
吊り上げられた男性は変な声を出して、驚いた表情を見せる。
地に足を付いているのを確認してから手を離し、彼を放置して歩を進める。
だが男性は何故か私についてきた。やっぱりストーカーだ。
「姐さん、待って下さいよぉ!」
「何ですか、本当に通報しますよ」
「勘弁してくださいよぉ、ちょと聞きたい事があっただけなんすから」
男性はなおもついて来る。面倒だから本当に通報しようかな。
そう思っていると男性はついて来るどころか私の道を塞ぐ。
私は彼の顔を視認して、心底嫌な気分になった。本当に面倒だ。
「手短に済ませて下さい。後ここはお店じゃないので次やったら本当に通報しますよ」
「うっ、は、はい」
今の状況をどうにかしたい私は彼の要求をのむ事にした。
その代わりこちらも条件を出す事は忘れない。またこんな事が有っては困る。
もしやったら今度は本当に問答無用で通報するつもりだ。そこの容赦をする気は無い。
「その、姐さんが、好きな奴って、同じ学校の奴なんすよね。一度見てやろうと思って」
それで来たのか。迷惑この上ない。というか、あれで諦めてなかったのか。
どうしようかな、さっきはああ言ったけどやっぱり通報しようかな。
このままだと間違いなく春さんに迷惑が掛かっちゃう。
「あれ、明ちゃん何してんの、珍しい」
「春さん、今日は早いですね」
放課後即帰る私と違い、春さんは割とゆったり帰る。
一時春さんは私に合わせようと言ってくれたのだけど、私は毎日私の都合でそうしているので合う日だけで良いですよと言っている。
雛だって気の合う友人だけど、何でもかんでも合わすような事はしていない。
私は心地良い所でうまく距離感を掴んで合わせるのが、一番良いと思っている。
そしてそれはこの間の春さんとの旅行で、心底そう思った。
お互いの想い合う距離、心地よい距離の確認と、自分の意志判断から来る行為だから良いと。
「姐さんのお友達っすか? 可愛らしい方っすね」
「・・・明ちゃん、この人誰?」
不躾に春さんをじろじろと見る男性と、それを受けて嫌そうに私に聞く春さん。
どうしよう、ちょっとイラッとして来た。
いや、ここでは抑えよう。今夕方だし人の目も多い。手を出すのは無しだ。
「バイト先の常連さんです」
「ふーん?」
春さんは私の説明を受けて、物凄く警戒心を露わにしながら男性を見つめる。
だが男性はそれを気にせず私の方に向き直った。
「お願いしますよ、特徴を教えて貰ったらすぐ去りますんで」
「・・・教えたらどうするんですか?」
「そりゃー勿論、どっちが姐さんに相応しいか見せてやるに決まってるじゃないですか」
本気で言ってるんだろうか。私に勝てなかったのに春さんとやるつもりなのか。
この人喧嘩なら本当に強くて怖いのに。
でも今の春さんは受験控えてるし、下手に目立てないか。
少なくとも学校近くでは無理だ。どうしよ――――。
「おい、お前、明ちゃんに近づく野郎かよ」
「あん、なんだお嬢ちゃん、姐さんのお友達みたいだけど、あんまり舐めた口はきかない方が身のためだぞ?」
「うるせえ、明ちゃんの彼氏は俺だ。なんか用かよ」
「・・・は?」
男性の言葉の意図を理解した春さんは、正面切って威圧をした。
勿論可愛らしい春さんの威圧は効いてはいないが、彼の言葉は衝撃だったのだろう。
男性は目を点にして私の方を向く。向いた意味は理解しているので、こくんと頷いて返した。
「う、う、うそだああああ! そういう趣味じゃどうやっても勝ち目ねぇじゃねかああああ!」
そしてそう叫んで、男性は走ってどこかに消えた。
そういう趣味とは春さんと私のどちらに向けたものであろうか。
・・・まあいいか、どっかいったし。
「春さん、今日は買い物行きますけど、どうします?」
「あ、うん、せっかく一緒になったしついて行くけど、あいつほっといて良いの?」
「別に構いません。名前も知らない人ですし」
「あ、そうなんだ・・・」
彼の事は一切興味が無いので、この後どうなろうと知った事ではない。
むしろ二度と顔を見せないで欲しい。
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彼に足止めを食らったおかげなので、そこだけは感謝しておこうか。
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