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告白の後の学校生活
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「最近ご機嫌だね」
学校到着後からホームルームまでのわずかな時間、いつも通りの北島さんの声。
その声に振り向く私は、どうやら機嫌がいいらしい。
自分でも自覚はあるけど、そこまで解り易かっただろうか。
「そんなに解り易い?」
「んー、何となくだよ。そんな気がした」
「すごいね。正解」
「へー、何かあったの?」
「春さんと遠出する約束してる」
「いつも通りじゃん」
ふわーっと欠伸をして、背筋を伸ばす北島さん。
確かにいつもの事ではあるけど、彼女もいつも変わらないな。
毎日毎日眠たそうだ。
「北島さんって、眠たくない日無いの?」
「有るよ」
「いつ? 見た事無いんだけど」
「家でゲームしてるとき」
私の疑問に、彼女は当然だろうという顔で答えた。
いや、確かにその時間は目が覚めているだろうけど・・・。
まあいいか、人の生活に口を出すのは野暮だろう。
「そういえば後藤てゲームすんの?」
「するよ」
PCのエロゲ―だけど。
そういえば春さんは気が付いてたのかな。一応倉庫にあったはずだけど。
春さんはやらないし、何なのか解って無かったかもしれない。
今度ちょっと聞いてみよう。
「へえ、意外。後藤ってそういうのやらないと思ってた」
「別に、気が向いたらやるよ」
「ふーん、どんなの?」
そう彼女に聞かれたところで、教師がやって来た。
なのでそこで会話は終わり、HRが始まり、いつも通りに授業が始まる。
そしていつも通りに昼休みになり、またいつも通りに春さんの下に向かう。
今日は雛がすでに来ていた。
「よっす、明」
「雛、いつも思うんだけど、どうやって来てるの?」
「普通に来てるよ?」
ならなぜ同学年の私と会う事も無くここに来るのか。
疑問に思っても雛がこう答える以上それ以上の答えは無いんだろう。
「春さん、どうぞ」
「ありが―――」
「あんがとう明」
春さんに渡そうとした弁当箱を横から奪い取り、止める暇なく開いて食べだす雛。
そして呆然とする私と春さん。
はっと気が付いた時には、雛はおかずの3分の1を食べてしまっていた。早すぎる。
「雛、何してるの」
「おいしそうだったんでつい」
「ついって・・・坂本、お前なぁ・・・」
春さんは呆れた様子を見せながら弁当を奪い返す。
私は割と平常通りだ。驚いたけど、雛だし珍しい事でもない。
「春さん、減った分は私の分からどうぞ」
「あ、いや、いいよいいよ。ちゃんと食べて」
「そうですか?」
春さんに自分の分を渡そうとするが、きにせず食べろと言われてしまった。
大人しく従って食べ始める。
最近は前と違って、お互い良い意味で遠慮が無くなった気がする。
前なら春さんも私も、お互いの様子を見ながら弁当を渡したり返したりした気がする。
「・・・ふーん?」
雛が何か気に食わなそうにこちらを見つめている。
「どうしたの、雛」
「べーつにー」
「いった、ちょ、何だよ、蹴るな!」
私が聞くと、不機嫌そうに春さんを蹴る雛。
何がそんなに気に食わないんだろう。
・・・しかし二人は相変わらず仲いいなぁ。
学校到着後からホームルームまでのわずかな時間、いつも通りの北島さんの声。
その声に振り向く私は、どうやら機嫌がいいらしい。
自分でも自覚はあるけど、そこまで解り易かっただろうか。
「そんなに解り易い?」
「んー、何となくだよ。そんな気がした」
「すごいね。正解」
「へー、何かあったの?」
「春さんと遠出する約束してる」
「いつも通りじゃん」
ふわーっと欠伸をして、背筋を伸ばす北島さん。
確かにいつもの事ではあるけど、彼女もいつも変わらないな。
毎日毎日眠たそうだ。
「北島さんって、眠たくない日無いの?」
「有るよ」
「いつ? 見た事無いんだけど」
「家でゲームしてるとき」
私の疑問に、彼女は当然だろうという顔で答えた。
いや、確かにその時間は目が覚めているだろうけど・・・。
まあいいか、人の生活に口を出すのは野暮だろう。
「そういえば後藤てゲームすんの?」
「するよ」
PCのエロゲ―だけど。
そういえば春さんは気が付いてたのかな。一応倉庫にあったはずだけど。
春さんはやらないし、何なのか解って無かったかもしれない。
今度ちょっと聞いてみよう。
「へえ、意外。後藤ってそういうのやらないと思ってた」
「別に、気が向いたらやるよ」
「ふーん、どんなの?」
そう彼女に聞かれたところで、教師がやって来た。
なのでそこで会話は終わり、HRが始まり、いつも通りに授業が始まる。
そしていつも通りに昼休みになり、またいつも通りに春さんの下に向かう。
今日は雛がすでに来ていた。
「よっす、明」
「雛、いつも思うんだけど、どうやって来てるの?」
「普通に来てるよ?」
ならなぜ同学年の私と会う事も無くここに来るのか。
疑問に思っても雛がこう答える以上それ以上の答えは無いんだろう。
「春さん、どうぞ」
「ありが―――」
「あんがとう明」
春さんに渡そうとした弁当箱を横から奪い取り、止める暇なく開いて食べだす雛。
そして呆然とする私と春さん。
はっと気が付いた時には、雛はおかずの3分の1を食べてしまっていた。早すぎる。
「雛、何してるの」
「おいしそうだったんでつい」
「ついって・・・坂本、お前なぁ・・・」
春さんは呆れた様子を見せながら弁当を奪い返す。
私は割と平常通りだ。驚いたけど、雛だし珍しい事でもない。
「春さん、減った分は私の分からどうぞ」
「あ、いや、いいよいいよ。ちゃんと食べて」
「そうですか?」
春さんに自分の分を渡そうとするが、きにせず食べろと言われてしまった。
大人しく従って食べ始める。
最近は前と違って、お互い良い意味で遠慮が無くなった気がする。
前なら春さんも私も、お互いの様子を見ながら弁当を渡したり返したりした気がする。
「・・・ふーん?」
雛が何か気に食わなそうにこちらを見つめている。
「どうしたの、雛」
「べーつにー」
「いった、ちょ、何だよ、蹴るな!」
私が聞くと、不機嫌そうに春さんを蹴る雛。
何がそんなに気に食わないんだろう。
・・・しかし二人は相変わらず仲いいなぁ。
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