30 / 144
素直な感想
しおりを挟む
「何読んでんのあんた・・・あらぁ、とうとうあんたも目覚めたんだ」
「うを!?」
手元に集中していて、背後から寄ってきている姉貴に一切気が付けなかった。
驚いて飛びのく俺を見て、姉貴はにやにやと意地の悪い笑みを向けている。
持っている本がの内容が内容だからだろう。揶揄う気満々の笑みで俺を見下ろしている。
「うるせえな、近いうちにこれ全部読まなきゃいけねえんだから、邪魔すんなよ」
「あら、つまんない反応。何それ」
だが一切焦る様子無く姉貴に応えると、一瞬でつまらなそうな顔になった。
こういう時に変に弁明すると面倒な事になる。なるべくそっけなくあしらうのが一番だ。
「ふーん?」
姉貴は置いてある本の一冊を手に取り、パラパラとめくる。
おい、借り物なんだから雑に扱うなよ。
「それ俺の物じゃ無いんだから、汚したり癖付けたりすんなよ」
「ふーん、またなんでこんな物借りたの?」
「お勧めなんだってさ。俺こういうの読まないからな」
小説だけじゃなく、AVもエロ漫画もエロ雑誌も手に取った事はない。
何と言うか、あまり興味が湧かなかった。
知識としては有るけど、どこの誰とも知れない相手に欲情を抱く感覚が俺には無い。
男としてはある意味間違ってる気もするし、以前はもしかしたら俺は男としての感覚が無いのかもしれないなんて悩んだ事も有った。
けど今は違う。勿論手元のこれに興奮するとか、そういう意味じゃない。
ちゃんと女の子に惚れて、女の子にそういった気持ちを抱けると知れた。
あの子に、明ちゃんに対する想いが有ると、知る事が出来た。
そういう意味でも明ちゃんは、俺にとって特別な相手なのかもしれないな。
「んで、これ面白いの?」
「正直、実は結構面白い」
普通の、一般書籍では無い様な表現や、出来ない話が沢山詰め込まれている。
それは単純にエロい話と言う訳ではなく、規制がある類の話だからこその展開と言う物が有って、思っていたよりも面白い。
読む前はもっとこう、目的に沿った類の内容が詰め込まれているだけの物だと思っていた。
「こういう世界も有るんだな・・・」
あの子といると、俺の世界が広がって行く。
あの子と会ってから、どんどんと俺の知らない事を知る機会が増えていく。
あの子のおかげで、楽しい事がもっと楽しくなる。
明ちゃんが居ると、とても、楽しい。
「ふーん、あんたそれ、明ちゃんから借りたんでしょ」
「え、何で」
明ちゃんの事を考えていると、姉貴がそんな事を聞いてきた。
もしかして姉貴は、明ちゃんの趣味知ってたのか?
「あ、やっぱりそうなんだ。ふーん、そっか、明ちゃんこういうの読むんだー」
しまった! カマをかけられた!
どうしよう、明ちゃん隠したがってたのに、簡単にばらしちまった。
「おい、明ちゃんはこの趣味隠したがってるんだから、絶対言うなよ!」
「へぇ~?」
あ、しまった、これは逆に余計な事言った。
姉貴の笑みが面白いおもちゃを見つけた顔になっている。
「ねー、春ー。今度春に着てほしい服が有るんだけどさぁ~」
ニヤニヤしながらカタログを手に俺に迫ってくる姉貴。
くっそ、こいつマジで最悪だな。
「くっ、何着れば良いんだよ」
「話を解ってるねぇ。これこれ」
ニヤニヤしながら俺に着させたい服を指さす姉貴。
クッソムカつくけど、俺が少し悔しい思いをするだけで秘密が守られるなら仕方ない。
でも姉貴に言っちゃった事は今度ちゃんと謝っておこう。
「うを!?」
手元に集中していて、背後から寄ってきている姉貴に一切気が付けなかった。
驚いて飛びのく俺を見て、姉貴はにやにやと意地の悪い笑みを向けている。
持っている本がの内容が内容だからだろう。揶揄う気満々の笑みで俺を見下ろしている。
「うるせえな、近いうちにこれ全部読まなきゃいけねえんだから、邪魔すんなよ」
「あら、つまんない反応。何それ」
だが一切焦る様子無く姉貴に応えると、一瞬でつまらなそうな顔になった。
こういう時に変に弁明すると面倒な事になる。なるべくそっけなくあしらうのが一番だ。
「ふーん?」
姉貴は置いてある本の一冊を手に取り、パラパラとめくる。
おい、借り物なんだから雑に扱うなよ。
「それ俺の物じゃ無いんだから、汚したり癖付けたりすんなよ」
「ふーん、またなんでこんな物借りたの?」
「お勧めなんだってさ。俺こういうの読まないからな」
小説だけじゃなく、AVもエロ漫画もエロ雑誌も手に取った事はない。
何と言うか、あまり興味が湧かなかった。
知識としては有るけど、どこの誰とも知れない相手に欲情を抱く感覚が俺には無い。
男としてはある意味間違ってる気もするし、以前はもしかしたら俺は男としての感覚が無いのかもしれないなんて悩んだ事も有った。
けど今は違う。勿論手元のこれに興奮するとか、そういう意味じゃない。
ちゃんと女の子に惚れて、女の子にそういった気持ちを抱けると知れた。
あの子に、明ちゃんに対する想いが有ると、知る事が出来た。
そういう意味でも明ちゃんは、俺にとって特別な相手なのかもしれないな。
「んで、これ面白いの?」
「正直、実は結構面白い」
普通の、一般書籍では無い様な表現や、出来ない話が沢山詰め込まれている。
それは単純にエロい話と言う訳ではなく、規制がある類の話だからこその展開と言う物が有って、思っていたよりも面白い。
読む前はもっとこう、目的に沿った類の内容が詰め込まれているだけの物だと思っていた。
「こういう世界も有るんだな・・・」
あの子といると、俺の世界が広がって行く。
あの子と会ってから、どんどんと俺の知らない事を知る機会が増えていく。
あの子のおかげで、楽しい事がもっと楽しくなる。
明ちゃんが居ると、とても、楽しい。
「ふーん、あんたそれ、明ちゃんから借りたんでしょ」
「え、何で」
明ちゃんの事を考えていると、姉貴がそんな事を聞いてきた。
もしかして姉貴は、明ちゃんの趣味知ってたのか?
「あ、やっぱりそうなんだ。ふーん、そっか、明ちゃんこういうの読むんだー」
しまった! カマをかけられた!
どうしよう、明ちゃん隠したがってたのに、簡単にばらしちまった。
「おい、明ちゃんはこの趣味隠したがってるんだから、絶対言うなよ!」
「へぇ~?」
あ、しまった、これは逆に余計な事言った。
姉貴の笑みが面白いおもちゃを見つけた顔になっている。
「ねー、春ー。今度春に着てほしい服が有るんだけどさぁ~」
ニヤニヤしながらカタログを手に俺に迫ってくる姉貴。
くっそ、こいつマジで最悪だな。
「くっ、何着れば良いんだよ」
「話を解ってるねぇ。これこれ」
ニヤニヤしながら俺に着させたい服を指さす姉貴。
クッソムカつくけど、俺が少し悔しい思いをするだけで秘密が守られるなら仕方ない。
でも姉貴に言っちゃった事は今度ちゃんと謝っておこう。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる