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第20話、食べる
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「野郎ども、打ち上げだー! じゃんけんに負けてまだ仕事中の奴の分も飲んじまえ!」
「「「「「ひゃっはー!」」」」」
ギルマスさんが器を掲げ、周りにいる人達も同じ様に器を掲げる。
そしてその中身を勢いよく飲みほし、また器に注いでいた。
仕事中の人の分まで飲むのは可哀そうだと思う。残してあげて欲しい。
「ジャンジャン焼くから、グロリアちゃんはいっぱい食べなねー」
そして私はその場の端っこに小さな椅子を用意して貰い、目の前に肉が並べられている。
ホカホカ、焼けてる肉。なんだかすごく沢山、テーブルの上に乗っている。
それどころかまだ肉を火にかけていて、どんどん焼き続けている様だ。
勿論焼いた肉を私が全部食べてる訳じゃない。
皆何かを飲みながら、その合間に肉を取って食べている。
でもみんな食べるよりも、飲む方が多い気がするかな。
あれは何なんだろう。ちょっと苦手な臭いかもしれない。
『これは魔獣の肉か。女性陣が何をしているのかと思えば、調理の用意だったのか。道理で先程出てこなかった訳だ。騒動はギルマスに任せ、グロリアの為に用意をしてくれていたのだな』
私が食べる為。そう、なんだ。それを聞いただけで、胸に暖かい物がある。
言われるがままに食べる為の道具を手に取り、突き刺して焼けた肉を口に入れる。
美味しい。ただ焼いただけじゃない。肉以外の色んな味がする。
すぐに呑み込むのがもったいない。そんな気持ちになってしまう。
もしゃもしゃと長く咀嚼し、ゴクリと飲み込む。それだけで幸せな気分だ。
自然と口の端が上がって、笑顔になっている自分を自覚する。
「・・・美味しい」
そんな言葉が口から洩れ、また肉を突き刺して口に入れる。
もぐもぐ。もぐもぐ。やっぱり美味しい。凄く、凄く美味しい。
一口二口だけでも、もう満足してしまいそうになるぐらい。
「あー、可愛いぃ。グロリアちゃん、狙ってないよねぇ。人を惑わす小悪魔じゃないよねぇ」
「フラン、勝手に人を小悪魔にしない様に。グロリアさんは完全に天然だと思いますよ。街への道中もこんな様子でしたし」
「食べてる時の笑顔が可愛いよねぇ。もっと食べさせたくなっちゃうよねぇ。ガンの分だったはずの具をグロリアちゃんに分けちゃっても仕方ないと思わない?」
「・・・キャス、お前な・・・どうりでいつも以上に具が少ねえと思ったよ」
そんな話は初耳だ。まさかガンさんの分を取っていたなんて。
凄く申し訳ない。きっとガンさんだってお腹が空いてたはずなのに。
そういえばリーディッドさんも、自分達より多く渡していると言っていた。
全然気が付いてなかったけど、知らない内に迷惑をかけていたのか。
そんな事を考えながらガンさんを見ていると、彼と目が合った。
「あー・・・良いよ。気にすんなって。リーディッドが無理やり連れて来たようなもんだし、やったのはキャスだ。俺も話してるうちに、ほっておけなくなっちまったしな。大丈夫だよ」
「そうそうグロリアさん、ガンの事は何も気にしなくて良いんですよ。ガンですから」
「ガンはちょっと適当なぐらいで丁度良い扱いだからねー」
「お前らはもうちょっと気にしろ!!」
ガンさんはやっぱり優しい人だ。私の事をずっと気にしてくれている。
あれ、そう言えばガンさんさっきから食べてない様な。
「ガンさんは、食べないん、ですか?」
「あー、俺が駆けつけた時には全部終わってたから、食うのも悪いかなって。まあ後片付けぐらいは手伝ったけど、それぐらいだしなぁ」
「そう、ですか・・・」
街に来るまで食べる量が少なかったのに、また食べられない。
それは辛くないだろうか。少なくとも私は辛い。
お腹が空くのは辛い。体に力が入らないし、頭がぼーっとする。
「・・・じゃあ、ガンさん、どうぞ」
「へ?」
「食べて、ください。私の分、どうぞ」
「あー・・・じゃあありがたく」
突き刺した肉をガンさんに突き出し、彼は一瞬不思議そうな顔をした。
けれど私が意図を伝えると、素直に口にしてくれる。
・・・なんだろう、何だか、また不思議な気分。何故か、食べて貰えたのが、嬉しい。
「お、目茶苦茶美味いなこれ。つーか何だこれ。やたら凝った味だな」
「そりゃーそうでしょう。受付のお姉さま方がグロリアさんの為だけに作ってましたから」
「目茶苦茶気合入ってたね。良かったねー、ガン。グロリアちゃんのおかげで食べられて」
それは私のおかげなんだろうか。違う気がする。
美味しい物を作ったのは女の人達だ。私にはそんな能力は無い。
けれどガンさんが美味しそうに食べるのを見ていると、また渡したくて肉を突き刺す。
「はい、ガンさん、どうぞ」
「え、あー、うん、どうも」
「もっと、要ります、か?」
「もぐもぐ、気持ちだけ受け取っておく。そろそろ自分も食べな。姉さん方の目が痛いし」
「そう、ですか。わかり、ました」
ちょっと残念だ。けど言われた通りかもしれない。
これは私の為に用意してくれたものなんだし。
ガンさんの言う通り、ちゃんと食べないと悪いと思う。
「アンタ、グロリアちゃんの誘いを断るってのかい! しょんぼりしてるじゃないか!」
「いや姐さん、理不尽過ぎる。もっとって言ったらそれはそれで絶対怒鳴ったろ」
「当り前じゃないか! グロリアちゃんの為に作ったんだから!」
「ひっでえ」
新しくもしゃもしゃ食べ始めると、何故かガンさんが責められてしまった。
ただ慌てていると周囲から笑い声が上がり、ガンさんも笑い出した。
怒鳴られているのに笑っている。何でだろう。不思議だ。
でもガンさんが、リーディッドさんとキャスさんが笑ってるなら、それで良いか。
私に肉を焼いてくれる人達も、周りにいる人もみんな楽しそうだし。
『どうも先程のグロリアの説明で、皆の目が優しいな。ふむ、やはり中々良い所ではないか』
私の説明で? 優しくして貰える様な事を私は何か言っただろうか。
思わず首を傾げながら、もぐもぐと肉を食べる。
ただ食べていると頭が上手く働かない。
難しい事は元から解らないけど、口に広がる美味しさに思考が止まる。
口にしている分を呑み込んで新しい肉を口に入れ、その度に頭の中が真っ白になる。
「・・・美味しい」
段々口から洩れるその言葉しか、頭に浮かばなくなって来た。
そうして食べる度に肉が焼かれ、目の前に盛られ、またもしゃもしゃ食べる。
「グロリアちゃん、お肉ばっかりじゃなくて野菜も食べなよー。大きくなれないぞー?」
「はい。わかり、ました」
言われるがままに、盛られた草や根っこを食べる。
リーディッドさんが作る物にも入っていたのでもう慣れた。
ただ味は全く知らない物だったので、思わず目を見開く。
美味しい。とにかく美味しい。もうそれしか考えられない。
『しかし・・・成程、傭兵か。戦闘時、全員量産型ならば扱える反応数値を出していた。おそらくだが彼らもグロリアと同じく、食事でエネルギーの補給をしているのだろう。ただ生で魔獣の肉を食べた時と違い、焼くと随分効率が落ちるな。いや、まさかわざと落としている?』
食べてる間もガライドが何時もの様にぶつぶつ言ってたけど、今回は全く覚えてない。
そうして料理が無くなる頃に、皆が少し驚いた表情で私を見ていた。
もしかしたらもっと前からかもしれない。美味しくて全然気が付かなかった。
「・・・私何か、しました、か?」
「ああいや、良いんだ。気にするなグロリア。そりゃ足りねえわな。その小さな体のどこに入るのか解んねえが、まだまだ食べれそうだもんな。こりゃ大変だ」
恐る恐る尋ねると、ギルマスさんが理由を教えてくれた。
そういえばガライドも最初は驚いていた気がする。
闘技場でも、いっぱい食べた時は驚かれた。
あれ、いっぱい、食べれた。そっか、食べれるんだ。
ガライドの言った通りだった。幸せだけど、食べられる。ガライドは凄いな。
うん、心はすごく、満足、してる。でも体はまだちょっと、大分? 食べられ、そう?
いや、やっぱり解らない。気持ちが幸せだとお腹が空いてるのか判断できない。
それでも食べられる事が解ったのは良かった。これで少しは力になる、かな。
「さて、そろそろ話しかけても良いかな、受付のお姉さま方」
ガライドの凄さを再確認していると、知らない声が耳に入った。
見ると一人だけ雰囲気の違う服装の人が、私に視線を向けている。
ただ何故か女の人達は、気に食わなさそうな顔でその人を見ていた。
『グロリア。多分気が付いていなかったんだと思うが、彼は領主だそうだ。君に話しかけようと近付いたら、彼女達に睨まれて壁の端に逃げていたので、権力が在るのか無いのかは解らん』
リョウシュ、さん?
「「「「「ひゃっはー!」」」」」
ギルマスさんが器を掲げ、周りにいる人達も同じ様に器を掲げる。
そしてその中身を勢いよく飲みほし、また器に注いでいた。
仕事中の人の分まで飲むのは可哀そうだと思う。残してあげて欲しい。
「ジャンジャン焼くから、グロリアちゃんはいっぱい食べなねー」
そして私はその場の端っこに小さな椅子を用意して貰い、目の前に肉が並べられている。
ホカホカ、焼けてる肉。なんだかすごく沢山、テーブルの上に乗っている。
それどころかまだ肉を火にかけていて、どんどん焼き続けている様だ。
勿論焼いた肉を私が全部食べてる訳じゃない。
皆何かを飲みながら、その合間に肉を取って食べている。
でもみんな食べるよりも、飲む方が多い気がするかな。
あれは何なんだろう。ちょっと苦手な臭いかもしれない。
『これは魔獣の肉か。女性陣が何をしているのかと思えば、調理の用意だったのか。道理で先程出てこなかった訳だ。騒動はギルマスに任せ、グロリアの為に用意をしてくれていたのだな』
私が食べる為。そう、なんだ。それを聞いただけで、胸に暖かい物がある。
言われるがままに食べる為の道具を手に取り、突き刺して焼けた肉を口に入れる。
美味しい。ただ焼いただけじゃない。肉以外の色んな味がする。
すぐに呑み込むのがもったいない。そんな気持ちになってしまう。
もしゃもしゃと長く咀嚼し、ゴクリと飲み込む。それだけで幸せな気分だ。
自然と口の端が上がって、笑顔になっている自分を自覚する。
「・・・美味しい」
そんな言葉が口から洩れ、また肉を突き刺して口に入れる。
もぐもぐ。もぐもぐ。やっぱり美味しい。凄く、凄く美味しい。
一口二口だけでも、もう満足してしまいそうになるぐらい。
「あー、可愛いぃ。グロリアちゃん、狙ってないよねぇ。人を惑わす小悪魔じゃないよねぇ」
「フラン、勝手に人を小悪魔にしない様に。グロリアさんは完全に天然だと思いますよ。街への道中もこんな様子でしたし」
「食べてる時の笑顔が可愛いよねぇ。もっと食べさせたくなっちゃうよねぇ。ガンの分だったはずの具をグロリアちゃんに分けちゃっても仕方ないと思わない?」
「・・・キャス、お前な・・・どうりでいつも以上に具が少ねえと思ったよ」
そんな話は初耳だ。まさかガンさんの分を取っていたなんて。
凄く申し訳ない。きっとガンさんだってお腹が空いてたはずなのに。
そういえばリーディッドさんも、自分達より多く渡していると言っていた。
全然気が付いてなかったけど、知らない内に迷惑をかけていたのか。
そんな事を考えながらガンさんを見ていると、彼と目が合った。
「あー・・・良いよ。気にすんなって。リーディッドが無理やり連れて来たようなもんだし、やったのはキャスだ。俺も話してるうちに、ほっておけなくなっちまったしな。大丈夫だよ」
「そうそうグロリアさん、ガンの事は何も気にしなくて良いんですよ。ガンですから」
「ガンはちょっと適当なぐらいで丁度良い扱いだからねー」
「お前らはもうちょっと気にしろ!!」
ガンさんはやっぱり優しい人だ。私の事をずっと気にしてくれている。
あれ、そう言えばガンさんさっきから食べてない様な。
「ガンさんは、食べないん、ですか?」
「あー、俺が駆けつけた時には全部終わってたから、食うのも悪いかなって。まあ後片付けぐらいは手伝ったけど、それぐらいだしなぁ」
「そう、ですか・・・」
街に来るまで食べる量が少なかったのに、また食べられない。
それは辛くないだろうか。少なくとも私は辛い。
お腹が空くのは辛い。体に力が入らないし、頭がぼーっとする。
「・・・じゃあ、ガンさん、どうぞ」
「へ?」
「食べて、ください。私の分、どうぞ」
「あー・・・じゃあありがたく」
突き刺した肉をガンさんに突き出し、彼は一瞬不思議そうな顔をした。
けれど私が意図を伝えると、素直に口にしてくれる。
・・・なんだろう、何だか、また不思議な気分。何故か、食べて貰えたのが、嬉しい。
「お、目茶苦茶美味いなこれ。つーか何だこれ。やたら凝った味だな」
「そりゃーそうでしょう。受付のお姉さま方がグロリアさんの為だけに作ってましたから」
「目茶苦茶気合入ってたね。良かったねー、ガン。グロリアちゃんのおかげで食べられて」
それは私のおかげなんだろうか。違う気がする。
美味しい物を作ったのは女の人達だ。私にはそんな能力は無い。
けれどガンさんが美味しそうに食べるのを見ていると、また渡したくて肉を突き刺す。
「はい、ガンさん、どうぞ」
「え、あー、うん、どうも」
「もっと、要ります、か?」
「もぐもぐ、気持ちだけ受け取っておく。そろそろ自分も食べな。姉さん方の目が痛いし」
「そう、ですか。わかり、ました」
ちょっと残念だ。けど言われた通りかもしれない。
これは私の為に用意してくれたものなんだし。
ガンさんの言う通り、ちゃんと食べないと悪いと思う。
「アンタ、グロリアちゃんの誘いを断るってのかい! しょんぼりしてるじゃないか!」
「いや姐さん、理不尽過ぎる。もっとって言ったらそれはそれで絶対怒鳴ったろ」
「当り前じゃないか! グロリアちゃんの為に作ったんだから!」
「ひっでえ」
新しくもしゃもしゃ食べ始めると、何故かガンさんが責められてしまった。
ただ慌てていると周囲から笑い声が上がり、ガンさんも笑い出した。
怒鳴られているのに笑っている。何でだろう。不思議だ。
でもガンさんが、リーディッドさんとキャスさんが笑ってるなら、それで良いか。
私に肉を焼いてくれる人達も、周りにいる人もみんな楽しそうだし。
『どうも先程のグロリアの説明で、皆の目が優しいな。ふむ、やはり中々良い所ではないか』
私の説明で? 優しくして貰える様な事を私は何か言っただろうか。
思わず首を傾げながら、もぐもぐと肉を食べる。
ただ食べていると頭が上手く働かない。
難しい事は元から解らないけど、口に広がる美味しさに思考が止まる。
口にしている分を呑み込んで新しい肉を口に入れ、その度に頭の中が真っ白になる。
「・・・美味しい」
段々口から洩れるその言葉しか、頭に浮かばなくなって来た。
そうして食べる度に肉が焼かれ、目の前に盛られ、またもしゃもしゃ食べる。
「グロリアちゃん、お肉ばっかりじゃなくて野菜も食べなよー。大きくなれないぞー?」
「はい。わかり、ました」
言われるがままに、盛られた草や根っこを食べる。
リーディッドさんが作る物にも入っていたのでもう慣れた。
ただ味は全く知らない物だったので、思わず目を見開く。
美味しい。とにかく美味しい。もうそれしか考えられない。
『しかし・・・成程、傭兵か。戦闘時、全員量産型ならば扱える反応数値を出していた。おそらくだが彼らもグロリアと同じく、食事でエネルギーの補給をしているのだろう。ただ生で魔獣の肉を食べた時と違い、焼くと随分効率が落ちるな。いや、まさかわざと落としている?』
食べてる間もガライドが何時もの様にぶつぶつ言ってたけど、今回は全く覚えてない。
そうして料理が無くなる頃に、皆が少し驚いた表情で私を見ていた。
もしかしたらもっと前からかもしれない。美味しくて全然気が付かなかった。
「・・・私何か、しました、か?」
「ああいや、良いんだ。気にするなグロリア。そりゃ足りねえわな。その小さな体のどこに入るのか解んねえが、まだまだ食べれそうだもんな。こりゃ大変だ」
恐る恐る尋ねると、ギルマスさんが理由を教えてくれた。
そういえばガライドも最初は驚いていた気がする。
闘技場でも、いっぱい食べた時は驚かれた。
あれ、いっぱい、食べれた。そっか、食べれるんだ。
ガライドの言った通りだった。幸せだけど、食べられる。ガライドは凄いな。
うん、心はすごく、満足、してる。でも体はまだちょっと、大分? 食べられ、そう?
いや、やっぱり解らない。気持ちが幸せだとお腹が空いてるのか判断できない。
それでも食べられる事が解ったのは良かった。これで少しは力になる、かな。
「さて、そろそろ話しかけても良いかな、受付のお姉さま方」
ガライドの凄さを再確認していると、知らない声が耳に入った。
見ると一人だけ雰囲気の違う服装の人が、私に視線を向けている。
ただ何故か女の人達は、気に食わなさそうな顔でその人を見ていた。
『グロリア。多分気が付いていなかったんだと思うが、彼は領主だそうだ。君に話しかけようと近付いたら、彼女達に睨まれて壁の端に逃げていたので、権力が在るのか無いのかは解らん』
リョウシュ、さん?
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