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第一章 放課後告白しそこねました。
二話 怪物
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「・・・・・・・・・・・・」俺は目の前の光景に驚きすぎるあまり声も出なかった。なぜなら俺の目の前には身長は軽く三メートルはある巨人が十人ほど、逆に手のひらほどのサイズの人までいる。どこからどう見ても人間には見えない。牙はあるし爪は黒い。いったいなんなんだ!! こいつらは!?
そう言えば朝川はどこだ? い、いた! でも危ない! 怪物共の真下にいる。しかも怪物共はものすごい剣幕で朝川を睨んでいる。朝川を助けなきゃと思うのに怖くて体が動かない!
「ぁ、朝川危ねぇぞ・・は、早く逃げろ・・・」
やっとの思いで絞り出した声は弱々しかった。あー! ほんと情ねぇ俺。
「大丈夫よ。黒澤くんこそ逃げて。」
自分よりも何倍もでかいヤツらを前にしても一切動揺せず大丈夫という朝川がとても綺麗だなと場違いにもそんなことを思った。
「おい、そこのチビ。てめぇ誰だ?」
怪物の中の一人が聞いてきた。というかてめぇ誰だ? って、こっちが聞きたいんですけど・・・・・・でもここは適当に相手を刺激しないように答えておくか。
「えっと、俺はく・・・・・・」
「この人の名前は黒澤 蓮よ。私のクラスメイト。」
なぜか朝川が質問に答えてくれた。でもよくこんなに堂々としてられるな。なんか俺が知ってる朝川とはまるで別人みたいだ・・・・・・
「へぇ、蓮の種族は?」
「人間よ」
「マジか!人間なんて珍しい」
「馬鹿なの?ここは人間界よ。この世界で生活しているひとはほぼ人間よ。逆にあなた達のような存在の方がこの世界では珍しいわ」
え? え? いったいなんの話をしてるんだ!? 人間が珍しい? なんだそれ? どういう意味だ? そして朝川は何か知っているのか? 分からない。頭が混乱して壊れそうだ。
「ところで人間界に何しに来たの?」
「あ? 分かってるだろ? わかってるのに聞くなんて相変わらずだな。なぁ女王様よー」
は? また謎が増えたぞ。今この怪物が朝川の事を女王様って言ったよな? どういう事なんだ?
「もう一度聞くわよ。何しに人間界に来たの?」
「じゃぁこっちからの質問にも答えろよ。お前はなんで人間界で人間に変装してまで生活してるんだ?」
「そ、それは今関係ないわ。先に私の質問に答えて」
「チッ、分かったよ。俺らは19年前のあの事件でどっかの人間の体に入っちまったシャルムを奪いに来たんだよ」
「へぇ」
「で、お前も俺の質問に答えろ。なぜ人間界に居るんだ?」
「私はお前らがまたシャルムを狙うのは予測がついたわ。だからシャルムを奪われないようにするためにここにきたの。だから私とあなたは敵よ」
「フッ、大人しくシャルムを持つ人間を差し出せばいいのによー。お前にはもう分かってんだろ?どいつがシャルムを持ってるかくらい」
「当たり前よ」
「まぁでもお前も馬鹿だよなぁ。俺だって流石に気づいてるぜ? シャルムを持つ人間が誰か・・・・・・あいつだろ」
そう言って指さした先は俺だった。
そう言えば朝川はどこだ? い、いた! でも危ない! 怪物共の真下にいる。しかも怪物共はものすごい剣幕で朝川を睨んでいる。朝川を助けなきゃと思うのに怖くて体が動かない!
「ぁ、朝川危ねぇぞ・・は、早く逃げろ・・・」
やっとの思いで絞り出した声は弱々しかった。あー! ほんと情ねぇ俺。
「大丈夫よ。黒澤くんこそ逃げて。」
自分よりも何倍もでかいヤツらを前にしても一切動揺せず大丈夫という朝川がとても綺麗だなと場違いにもそんなことを思った。
「おい、そこのチビ。てめぇ誰だ?」
怪物の中の一人が聞いてきた。というかてめぇ誰だ? って、こっちが聞きたいんですけど・・・・・・でもここは適当に相手を刺激しないように答えておくか。
「えっと、俺はく・・・・・・」
「この人の名前は黒澤 蓮よ。私のクラスメイト。」
なぜか朝川が質問に答えてくれた。でもよくこんなに堂々としてられるな。なんか俺が知ってる朝川とはまるで別人みたいだ・・・・・・
「へぇ、蓮の種族は?」
「人間よ」
「マジか!人間なんて珍しい」
「馬鹿なの?ここは人間界よ。この世界で生活しているひとはほぼ人間よ。逆にあなた達のような存在の方がこの世界では珍しいわ」
え? え? いったいなんの話をしてるんだ!? 人間が珍しい? なんだそれ? どういう意味だ? そして朝川は何か知っているのか? 分からない。頭が混乱して壊れそうだ。
「ところで人間界に何しに来たの?」
「あ? 分かってるだろ? わかってるのに聞くなんて相変わらずだな。なぁ女王様よー」
は? また謎が増えたぞ。今この怪物が朝川の事を女王様って言ったよな? どういう事なんだ?
「もう一度聞くわよ。何しに人間界に来たの?」
「じゃぁこっちからの質問にも答えろよ。お前はなんで人間界で人間に変装してまで生活してるんだ?」
「そ、それは今関係ないわ。先に私の質問に答えて」
「チッ、分かったよ。俺らは19年前のあの事件でどっかの人間の体に入っちまったシャルムを奪いに来たんだよ」
「へぇ」
「で、お前も俺の質問に答えろ。なぜ人間界に居るんだ?」
「私はお前らがまたシャルムを狙うのは予測がついたわ。だからシャルムを奪われないようにするためにここにきたの。だから私とあなたは敵よ」
「フッ、大人しくシャルムを持つ人間を差し出せばいいのによー。お前にはもう分かってんだろ?どいつがシャルムを持ってるかくらい」
「当たり前よ」
「まぁでもお前も馬鹿だよなぁ。俺だって流石に気づいてるぜ? シャルムを持つ人間が誰か・・・・・・あいつだろ」
そう言って指さした先は俺だった。
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