異世界転生オメガ俺、逆ハー築く

あすか

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「や、ちょ、ちょっとまって!そう思う気持ちは、その分からなくないけど!でもそうじゃなくてね」


俺の言葉を聞いた金髪の方の神様がなにやらあたふたし始めたが俺の頭は違う方向へと思考を飛ばし始めていた。その内容と言えばもちろん発情期が辛すぎた事への対策。
乗り込んできたは良いものの、無いものを強請っても仕方がないという事は理解している。普段よりも妙に落ち着いているのは発情期も明け頭がすっきりしているからか、はたまた触れられたくない部分に触れられ自覚しないままに現実逃避しているのか、それの両方か。
どちらにせよ、あの状態じゃ元の世界に居たあの期間と比べても人間としての尊厳が保たれているかという点に関してはちょっとマシな程度。
今どうにかしなきゃいけない問題の中では堂々第一位だろう。
ああ、嫌だなあ。思い出したくない影がチラつく。

振り切るようにぶんぶんと頭を振り、はたと閃いたのは今まで馴染みが無く敬遠していたけど奴隷を買うという手もある。
俺が居る国、ジャルーガ国では奴隷は原則禁止されているが例外として犯罪を犯した者が労働者として売られる場合がある。とはいえ犯罪者を買うのは気が引けるし、見目が良くても中身が良く無い奴に触れられたら正直吐きそう。契約魔法を施すにしてもちょっと不安すぎる。さてどうしたものか…。
ただ数人居たセフレに頼るのはちょっとリスキーだし、その内の二人は名前しか知らない奴なので勿論論外。うーん。


「これ聞いてる?聞いてます?」

「多分聞こえていないと思いますルジャール様。」

「だよねえ聞いてないよねえ大切な話なのに…。まあちゃんと調べれてない事だし分かったらまた伝えたいから…そうだな、一ヶ月後、教会に来てくれる?優矢くん?聞いてるかな?」

「あ、はい。一ヶ月後にまた来たらいいんですか?」

「そう。よろしくね。あと外の事だけど多分上級神官が来てるみたいだから何か言われるかも…。そうだな、新しいスキルを手に入れたって言ってみて。稀にある事だからそんなに追求はされないと思うよ。スキル名は聞かれても教えなくていいからね、個人情報だから。いつも通り鑑定阻害はするんだよ!」

「俺の親かなこの神様…。」

「優矢さん漏れてます声が。」

「口うるさいって事かな!?でもそうでもしないと最初の頃みたいに騒ぎになるよ優矢君!」


痛いところをつかれて口籠もる。
冒頭でもあった漆黒姫なんていう名前も元はそのちょっとした騒ぎと言うやつが原因だったりしたりしなかったり?
ちょっと人前でフード取ったらやたらめったら騒がれて、というか絡まれて、しかもそこがギルドだったもんだからガラが悪いのなんの。
騒がれるのには慣れているけど余りにもうるさいから全員麻痺させたら麻痺なんていう魔法使える人間が少なかったから急遽募集されてたモンスターの討伐任務へ駆り出されただけ。ちなみに麻痺はこの神様が付けてくれたなんちゃってチート技の一つだったらしく。
あとは空間魔法とか転移とかあるけれど、その話はまた追々するとして。
そのあと何がどうなったのかは知らないが尾ひれが着きまくって、ついた名前は漆黒姫。なんとも恥ずかしい名前だし、髪が珍しい黒だからっていう安直すぎる理由。
顔を隠しても意味が無くなったからフード無しで歩けるのは不幸中の幸いかな。
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