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しおりを挟む「ごめんねえ、ほんとごめんねえ!死なせるつもりはなかったんだけど、コイツが間違って狩っちゃったみたいで!ほんとうにごめんねえ!」
「たいへふもふしわけありまへん」
「いや…その人顔原型留めてないけど…?」
「その代わりと言ってはなんだけど、チートっぽくして知り合いの神様の世界に行けるようにしたから…!美形揃いだから君好みだと思うし、君程の容姿なら憧れの的…求婚されまくりだし!あ、チートって分かる?あ、分かるの!ならよかったよ!なにかあったら教会へおいで、少しならお話出来るからね!あ、でも目立つ事にはなるから……」
と、うんぬんかんぬん。長々と続けられる説明にふんふん頷く俺。
そして目の前には漫画みたいにボッコボコに腫れた顔で謝る赤髪短髪に、涙を流しながら謝る超、長髪美人…男だから美形?が二人。
そこからあれよあれよと言う間に見知らぬ世界に降り立ち、言っていたように良い塩梅のチート技を駆使して冒険者として悠々自適に暮らしてはや一年。
今思い返せばこんな事もあったなあ…て感じだ。
ちゃんとこの世界のマニュアルみたいなのも用意してくれてたし、かといって魔王討伐!とかもなく。
魔物も自然湧きだから、要は世界悪なんてものがない。困る事もなかったからその教会とやらには近付かなかった。そう、困る事なんて今までなかったんだ。言ってた通り美形ばっかだし、この世界でも俺はモテた。男にも女にもモテた。大モテだ。
セフレも出来て、冒険者の中でも上位者!ではなく中堅者としてそこそこ稼ぎ、そこそこ発散して、満足満足大満足。
だが、話が違う。聞いていた話とぜんぜん違う。
「ぅ、あ…むりぃ!な、なんでだれも…!」
「やだぁ、さびしい…せつないぃ………だれも…だれもきてくれない…!」
ぐちゃぐちゃと溢れる蜜壷から水音が響く。
自分でも分かる程フェロモンがぶわりと溢れて、強者を、αを引き寄せる為だけにさらに強くなる。
今日に限ってだれも連絡が付かない。
いつもなら、いつもなら。そう、一年前なら。
この時期は絶対に誰かが傍に居てくれた。離れなかった。
「アルファがいな、いなんて聞いてないぃ……!」
通信機越しでセフレから言われた言葉。
"発情期…?なんだいそれ、魔物じゃあるまいし。まさかクスリでも?"
"オメガ、かい?すまない、聞いた事は無いな…。誘ってくれるのは嬉しいがその日はその街に居ないのでね。またの日に"
そんなの、アルファが居ないなんて聞いてない!
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