女神×ツンデレ+髪型=可愛い

御厨カイト

文字の大きさ
上 下
1 / 1

女神×ツンデレ+髪型=可愛い

しおりを挟む

「……うぇー、何で今日みたいなクソ暑い日に限ってエアコン壊れてるのよ……」

「修理はもう頼んでいるので明日には直ってると思うんですけどね……」

「明日って言われても暑いのは今なのよ、いーま!……もうホント暑くてイライラしてくる!」

「でも、女神様なんだから周りの気温を下げる力とか無いんですか?」

「そんな力ある訳ないでしょ。というか、そんな力があったらとっくに使ってるわよ、もう!」



「……アイスとか無いかしら」などと呟きながら俺の部屋の冷蔵庫を漁りに行く彼女。


ああ見えても一応女神様である。
……何故、女神がこんな所にいるのかと言われてもただ道端で倒れていたの助けたりしていたら、いつの間にか俺の部屋に入り浸る様になりました、はい。
入り浸っているといっても何だかんだ料理を作ってくれたりするので非常に助かっています。



でも……1つ難点があるとしたら……




バンッ!




「もう!ホントにこの家、何も無いじゃない!」





はあのようにぶっきらぼうで愛嬌が無い所でしょうか。


少しご機嫌斜めになって帰って来た彼女の事を見て、俺は「はぁ……」とため息をつく。




「……だから、前にも言ったと思うけど冷蔵庫の扉は勢いよく閉めずに優しく閉めてよ」

「うるさいわね。あんな大きな冷蔵庫をすっからかんにしているアンタが悪いんじゃない。……うぅ―、暑い」

「ていうか俺思ったんだけど、暑さの原因ってそのもっさりとしている髪の毛なんじゃない?」

「……うん、多分それもあると思う」


現状、彼女の綺麗な金髪は大体腰ぐらいまで伸びており、毛量もすごいからか非常にもっさりとしている。
正直見ているだけで暑苦しい。



「そう言えば、前に『女神は自由に髪型とかを変えられる力がある』って言ってた気がするんだけど、その力は使わないの?」

「あー、アレね。別に使っても良いんだけど凄く疲れちゃうんだよね。体力もゴッソリ持って行かれちゃうし……短くするんだったら余計に」

「へぇー、そうなんだ。でも、短い髪形も見て見たいな。出来れば、ショートカットを所望!」

「……話聞いてた?それにリクエストって……何気にキモイんだけど」

「ウッ」



若干引いたような目でそういう事を言われると、結構傷つく……
いや、まぁ、今のは俺も悪かったけどさ。


そんな感じで少ししょんぼりとしている俺を見て「ふぅ……」と息を吐き、背を向ける彼女。



「あれっ?どっか行くの?」

「……もう今日は天界に帰る」

「えっ!?もう?」

「だって……マジでこの部屋暑すぎるんだもん。まだ天界にいた方がマシ」

「そっか……それは残念だな」

「まぁ、また今度来るから。……それじゃ」



そう言い残すと彼女は前みたいに窓からではなくちゃんと玄関から出て、帰って行った。





……折角、彼女のためにバイトを休んだのに暇になっちゃった。
どうしよ、これから……




彼女がいなくなったことによって少し広くなった部屋の中で俺はそうぼんやりと考えるのだった。








********






……結局、あの後も来なかったな。



日が沈み、暑さも蝉の声も少し和らいできた頃。
結局、彼女はあのまま戻ってこなかった。



晩飯、どうしよ。
作るのは……面倒臭いから出前でいっか。


スマホで適当に料理を頼み、のんびり待つかとスマホを置いた瞬間――




ピンポーン!




インターンが鳴った。


……もう出前が届いたのか?
いや、それにしても余りにも早すぎる。
えっ、怖っ。


ビビりながらも恐る恐るドアを開けてみるとそこには……さっぱりと髪型をショートカットにした彼女(女神)が立っていた。
それも「むすっ」とした顔で。


「えっ、あっ……どうしたの?天界に帰ったんじゃ」

「だ、誰かさんの所為で天界に帰る体力が無くなっちゃったから……今日は泊まる」

「それはまた……急だね。……それにしても、やっぱりその髪型よく似合ってるよ。凄く可愛い」

「……フンッ、そんなのアンタに言われなくても分かってるわよ」


そう言いながらも少し頬を赤らめる彼女。
照れてる。



「あ、あと忘れるところだったけどアイスも買ってきてあげたから……後で一緒に食べよ」


赤くなった顔を隠すように、グッと腕を伸ばしレジ袋を俺に渡してくる。
買って来てくれたアイスを確認すると、俺の好きなアイスが入っていた。
尚の事可愛い。



「……えっ、何でそんなにニヤニヤしてんの。普通にキモイんだけど」



そんな彼女の罵倒が今回はダメージにならないくらい彼女の可愛い所を見れて大満足の俺なのであった。















しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~

吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。 結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。 何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない

絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

振られた私

詩織
恋愛
告白をして振られた。 そして再会。 毎日が気まづい。

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

処理中です...