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はじめての異世界ごはん
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協会から出るとメリーさんは早速報告すると言いギルドに帰っていった。
「カズト、たしか魔法適正は風属性だったな?」
魔法適正。
この世界では、火、水、風、土、光、闇、無の7属性に分類されているが全部の属性を扱うことができる。ただ、その中で最も適している属性が一番使いこなせるそうだ。
つまり、僕も風属性が適正だけど少なからず火や水とかも使えるってこと!
「うん。そういえばリアムは風の魔法使ってたけど適正は風?」
「あぁ、風属性と無属性が適正属性だな」
「2つも適正あるの!?」
適正は1つだけではなく、多い人で3つ適正あるらしい。まぁ適正なくても他の属性魔法は使えるみたいだけど。
そんなことを話していたら僕のお腹が盛大に鳴った。
そういえば異世界に来てからまだ何も食べてなかったや。
というより、食欲が出る間もなくバタバタしたもんな…。
「そいや、ずっと食ってなかったな……よし、この街おすすめの店に行こう」
リアムは僕の手を取り観光地区へと向かった。
────観光地区
冒険者ギルドがある大通りから一本ずれた通りはかなり閑散としていた。
そんな中、可愛らしいウサギの絵が描いた看板のお店までやってきた。
扉には「準備中」の札がかかってるけど、リアムは普通に中に入っていった。
「ちょっと!!表の看板見えてないのかい!?───ってリアムじゃないかい」
ザ・食堂のおばちゃんってかんじの人が声を荒げるもリアムの姿を見て笑顔になる。
「すまない、朝から何も食べてなくてな。いつものを俺と彼に」
リアムが僕の背中を押して手前に出すと、おばちゃんは一瞬キョトンとするも優しく微笑んで「ちょっと待ちなね」といって奥の厨房へと消えていった。
「ここはホーンラビット料理がメインの居酒屋兼食堂だ。昼はランチのみ、夜は居酒屋をやってる」
「で、この子は?ここらじゃ見たことない子だけど」
飲み物とサラダを手におばちゃんが戻ってきた。
「あぁ、彼は今日この街に着いたばかりだ」
「カズトといいます」
おばちゃんから飲み物とサラダを受け取り、ぺこりと挨拶する。
「可愛い子ね!あたしはリリーよ、よろしくね」
おばちゃん、もといリリーさんは大きな声で笑いながらまた厨房の奥へと消えていき、入れ替わりに強面のおじさんが料理がのった大皿を2つ持って現れた。
「………うちのがすまんな」
そう言いながら、ジュージュー音がしている料理をテーブルに置いてくれた。
リリーさんの旦那さんらしく、ガンツさんというらしい。元々はランクの高い冒険者だったそうだけど、リリーさんと結婚して子供ができてから引退、そしてこの食堂を開いたそうだ。
ガンツさんとリリーさんは夕方からのお店の準備をし始めたので、僕らも料理が温かいうちに食べることにした。
出てきたホーンラビット料理は照り焼きだった。
照り焼きソースとホーンラビットのさっぱりした味がとても合っていてすごく美味しい。
「あ」
ホーンラビットって鶏肉みたいで美味しいな、ガンツさんの料理美味しいな、など思ってたらふと思い出した。
「ん?どうした?」
僕の様子に気づいたリアムは食べる手を止めこちらを見つめていた。
「あ、いや、大したことじゃないんだけど、教会とかでバタバタしたからマジックバッグもらい忘れたなって」
そうなのだ。
メリーさんの勢いでそのまま教会にいったはいいけど解散してしまって登録時にもらえると聞いていたマジックバッグを貰い忘れていた。
「そういえばそうだったな。食べ終わったらギルドによるか」
「あと、泊まるとこも確保しないとですし」
そう言うと、キョトンとした顔でリアムが僕を見る。
「カズト、さすがに今日異世界に来た初日なんだ。俺の泊まってる宿を紹介したい」
そう言われると断りづらいのでお言葉に甘えることにした。
「カズト、たしか魔法適正は風属性だったな?」
魔法適正。
この世界では、火、水、風、土、光、闇、無の7属性に分類されているが全部の属性を扱うことができる。ただ、その中で最も適している属性が一番使いこなせるそうだ。
つまり、僕も風属性が適正だけど少なからず火や水とかも使えるってこと!
「うん。そういえばリアムは風の魔法使ってたけど適正は風?」
「あぁ、風属性と無属性が適正属性だな」
「2つも適正あるの!?」
適正は1つだけではなく、多い人で3つ適正あるらしい。まぁ適正なくても他の属性魔法は使えるみたいだけど。
そんなことを話していたら僕のお腹が盛大に鳴った。
そういえば異世界に来てからまだ何も食べてなかったや。
というより、食欲が出る間もなくバタバタしたもんな…。
「そいや、ずっと食ってなかったな……よし、この街おすすめの店に行こう」
リアムは僕の手を取り観光地区へと向かった。
────観光地区
冒険者ギルドがある大通りから一本ずれた通りはかなり閑散としていた。
そんな中、可愛らしいウサギの絵が描いた看板のお店までやってきた。
扉には「準備中」の札がかかってるけど、リアムは普通に中に入っていった。
「ちょっと!!表の看板見えてないのかい!?───ってリアムじゃないかい」
ザ・食堂のおばちゃんってかんじの人が声を荒げるもリアムの姿を見て笑顔になる。
「すまない、朝から何も食べてなくてな。いつものを俺と彼に」
リアムが僕の背中を押して手前に出すと、おばちゃんは一瞬キョトンとするも優しく微笑んで「ちょっと待ちなね」といって奥の厨房へと消えていった。
「ここはホーンラビット料理がメインの居酒屋兼食堂だ。昼はランチのみ、夜は居酒屋をやってる」
「で、この子は?ここらじゃ見たことない子だけど」
飲み物とサラダを手におばちゃんが戻ってきた。
「あぁ、彼は今日この街に着いたばかりだ」
「カズトといいます」
おばちゃんから飲み物とサラダを受け取り、ぺこりと挨拶する。
「可愛い子ね!あたしはリリーよ、よろしくね」
おばちゃん、もといリリーさんは大きな声で笑いながらまた厨房の奥へと消えていき、入れ替わりに強面のおじさんが料理がのった大皿を2つ持って現れた。
「………うちのがすまんな」
そう言いながら、ジュージュー音がしている料理をテーブルに置いてくれた。
リリーさんの旦那さんらしく、ガンツさんというらしい。元々はランクの高い冒険者だったそうだけど、リリーさんと結婚して子供ができてから引退、そしてこの食堂を開いたそうだ。
ガンツさんとリリーさんは夕方からのお店の準備をし始めたので、僕らも料理が温かいうちに食べることにした。
出てきたホーンラビット料理は照り焼きだった。
照り焼きソースとホーンラビットのさっぱりした味がとても合っていてすごく美味しい。
「あ」
ホーンラビットって鶏肉みたいで美味しいな、ガンツさんの料理美味しいな、など思ってたらふと思い出した。
「ん?どうした?」
僕の様子に気づいたリアムは食べる手を止めこちらを見つめていた。
「あ、いや、大したことじゃないんだけど、教会とかでバタバタしたからマジックバッグもらい忘れたなって」
そうなのだ。
メリーさんの勢いでそのまま教会にいったはいいけど解散してしまって登録時にもらえると聞いていたマジックバッグを貰い忘れていた。
「そういえばそうだったな。食べ終わったらギルドによるか」
「あと、泊まるとこも確保しないとですし」
そう言うと、キョトンとした顔でリアムが僕を見る。
「カズト、さすがに今日異世界に来た初日なんだ。俺の泊まってる宿を紹介したい」
そう言われると断りづらいのでお言葉に甘えることにした。
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