僕の異世界生活

餡ころ餅

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はじめての冒険者ギルド

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ティグの街。
レンガが敷き詰められて舗装された歩道。
歩道と馬車道に分けられていて、きれいに整備されている。

「おおーーー。すごくきれいな街だー!しかも屋台もたくさんあるし活気があるね」

屋台が並んでいる道を抜けると大きな噴水のある広場に出た。
「ここがティグの街の中央広場だ。ここから北が住宅地区、東が商業地区、西が観光地区となっている」

住宅地区はその名の通りこの街で暮らす人の家がたくさん並んでいる住宅街。
もちろん他の地区に住んでいる人もいるけど、住宅地区に入るためにさらに門があるらしくセキュリティばっちりのようだ。

商業地区は商業ギルド(ティグ支店らしい)をはじめ、市場もあったり雑貨屋や薬屋などなどお店がたくさんあるらしい。もちろん他の地区にもあるとのこと。

観光地区は他の街から来た冒険者や商人、旅人なんかが宿泊する施設が多く、冒険者ギルドもそこにあるらしい。ほかにも冒険者御用達の装備を売ってるお店やポーションなどのお店も多くあるのがこの地区らしい。

「なるほどー。あれ?教会はどこにあるの?」

「教会は住宅地区の近くにある。孤児院も兼ねてる教会が多いから安全のことを考えて住宅地区の門の近くにあるんだ。これはこの国共通だな」

なるほど。たしかに、冒険者が多いとこよりも街に住む人の近くで、それに門番が近くにいるなら何かあってもすぐに駆けつけてもらえるもんな。

ふんふんと説明を聞きながら観光地区を歩いてると大きな建物に着いた。

「ここが冒険者ギルドだ」

そう言い、リアムはスタスタと先に中に入っていく。
中に入ると、僕の持っていたイメージと全然違っていて市役所みたいだ。
奥には食堂があって、なんというか……学校の食堂を思い出す。
というより、学校の食堂よりお洒落だ。マナーの悪そうな人もいないし、きちんとみんな席について食べている。
もしかしなくても、この世界って治安いいのかな。

リアムはどこだろう、とキョロキョロしてたら受付で話し込んでいるのを見つけた。

「カズト、いま説明してたところだ。メリー、彼のギルド登録を頼む」

メリーと呼ばれた受付の女性は微笑み、紙とペンを取り出した。

「私は総合受付担当のメリーといいます。こちらが発行手続きの用紙となりますが代筆は必要ですか?」

差し出された用紙には「ギルドカード発行届」と書いてあり、名前と年齢、誕生日のほかに所持スキル欄、ステータス欄があった。
────ん?

「文字が読める……?」

日本語じゃないのに何故か読める。
読める、というより書いてある文字の意味が分かるのだ。
もしかして、と思い自分の名前を頭に浮かべながら用紙に書き込んでいくとこの世界の文字が並んでいた。

「書けた……」

書けたことに呆然としているとメリーさんが頷きながら教えてくれた。

「カズトさんは異世界から来たとリアムさんからお聞ききました。実は異世界からの転移者や異世界の知識を持って転生する人は少なくないんです」

え!?
転移者って他にもいるの?!と驚いてリアムの顔を見上げると、彼も驚いていた。

「そして、異世界からの転移者は少なからず言語スキルを所持していまして、会話や文字の読み書きなどが問題なくできるそうです。まぁ所持スキルの把握のためにも教会に行かれることをおすすめします。」

「異世界からの転移者が他にもいたなんて知らなかったな。ギルドは把握しているようだが、それは国が管理するということか?」

国が管理?
ギルドって国からは独立した組織なんじゃなかったっけ?いや、そんな説明はなかったな。
今まで読んだ小説とかだと国からの干渉を受けないために独立した組織って設定が多かったし………。
というか、国が管理って監視とかされるのかな…
異世界人は珍しいとかで狙われたり?

どうしよう……と良くないことを考えたらメリーさんは微笑んで大丈夫ですよ、と言ってくれた。

「たしかに異世界人の方をギルドは把握してますし、国の方にも連絡します。ただ、それは異世界人の生活を保障するためとお考えください。
私達と違う世界から来た人たちがこの世界に慣れるまで、生活が安定になるまでの間、生活に困らない程度ではありますが保障金が毎月カードに振り込まれます。
そのためにも教会でステータスを開示してもらい異世界人である証明がでますので、ギルドカードへの登録が必要になります。」

身元だけじゃなく生活まで保証してくれるのか!!
どうやら教会で所持スキルやステータスなどを開示できるらしい。それをもってギルドでカードの更新が必要になるということか。

「では最後にカードの所有者登録を行います。こちらの水晶に自分の血を数滴垂らしてください」

メリーさんから水晶と針を受け取り、目を瞑ってちょんと指を刺した。
水晶に自分の血を数滴垂らしてメリーさんに渡すと、魔法で指の傷を治してくれた。

────ん?傷?
ふと思い出して自分の足を見るが、捻って痛かったはずがいつの間にか治っていた。
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