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【第2部】~ 衝撃の運命 ~
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琴音は前日の転倒で負った傷により、その頭部には幾重もの包帯が巻かれ、とても痛々しい姿だった。
そして、その琴音のすぐ後ろで、深々と土下座をする母の美香の姿もあった…
主人であった故大空正によって、琴音の両親の命を奪ってしまったことへの謝罪の姿だった。
「か、母さん…」
優は土下座しているそんな母親のすぐ隣に走って近づき、美香と同じように深く土下座をする。
「美香先生、優さん、お願いだから、そんな事はしないで下さい。
私の父が医療ミスを犯した院長先生のことをずっと脅迫し続けたから、きっとこんな結果になってしまったの。
だから、別にあなた達が悪いんじゃない…
院長先生と美香先生、そして優さんには、むしろ感謝してるの。
だって私の右足を治してくれた恩人なんだから。
でも、やっぱり今の私はあなた達を素直に受け入れる気持ちにはどうしてもなれないの。 ごめんなさい…」
それから、美香は琴音の左足の状態を『軽度の疲労骨折』によるものだと説明した。
それを側で聞いた優は、これから始まるであろう琴音の壮絶な闘病生活に、体の震えを抑えることができなかった。
そんな時…
心を閉ざしている琴音は、現在刑務所に囚われている、かつての専属コーチであった白馬祐介に会いたいと言い出す。
そして松葉杖をついて歩く琴音は、優に付き添われ、白馬祐介のいる刑務所へ行く。
刑務所の面会室にて、その重い空気の中、白馬祐介が優と琴音に謝罪する。
そして、そこで優は衝撃の真実を知らされることになる。
「俺の本当の名前は、氷河祐介…」
「お兄ちゃんなの。コーチは…」
「そう、琴音は俺の実の妹なんだよ。」
それから祐介は、その辛く悲しい自身の過去を語り出した。
つづく…
そして、その琴音のすぐ後ろで、深々と土下座をする母の美香の姿もあった…
主人であった故大空正によって、琴音の両親の命を奪ってしまったことへの謝罪の姿だった。
「か、母さん…」
優は土下座しているそんな母親のすぐ隣に走って近づき、美香と同じように深く土下座をする。
「美香先生、優さん、お願いだから、そんな事はしないで下さい。
私の父が医療ミスを犯した院長先生のことをずっと脅迫し続けたから、きっとこんな結果になってしまったの。
だから、別にあなた達が悪いんじゃない…
院長先生と美香先生、そして優さんには、むしろ感謝してるの。
だって私の右足を治してくれた恩人なんだから。
でも、やっぱり今の私はあなた達を素直に受け入れる気持ちにはどうしてもなれないの。 ごめんなさい…」
それから、美香は琴音の左足の状態を『軽度の疲労骨折』によるものだと説明した。
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そして、そこで優は衝撃の真実を知らされることになる。
「俺の本当の名前は、氷河祐介…」
「お兄ちゃんなの。コーチは…」
「そう、琴音は俺の実の妹なんだよ。」
それから祐介は、その辛く悲しい自身の過去を語り出した。
つづく…
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