奇跡のクインティプルアクセル ~ 5回転半ジャンプ ~

タヌキのポンちゃん

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【第1部】~ 再起をかけた5回転半ジャンプ ~

最高の瞬間と衝撃の瞬間への序章

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演技を終えた優が琴音の前で膝まづき、シルバーに輝くプラチナダイヤモンドの指輪を琴音へ差し出してきたのだった。



「えっ!?」

「メリークリスマス♪ 琴音さん、貴女のクインティプルアクセルを僕だけのものにさせて下さい!」

小雪の舞うこのクリスマス・イブの夜、優からの突然のプロポーズに我を忘れ、動揺する琴音…

「えっ!? で、でも、それって!?」

「お願いします。^^」

「・・・・・・ は、はいっ…」

優からのそのささやかな愛を大粒の涙を流しながら静かに受け取る琴音。
そして、感極まりながらリンクから出てくるその二人。
その二人を大きな拍手と満面の笑顔で迎える大空正と大空美香、白井天使、安木銀蔵。



「皆さん、今日はありがとうございました。
 この退院祝いは、これまでの人生で最高の瞬間でした。
 あれ程どうしようもなかった足も治ることができて、そして結婚まで…(泣)

 院長先生の手術のおかげです。ありがとうございました。
 美香先生のパワーもたくさん貰いました。
 白井さんの面白い話も何度も心を助けられました。
 おじいちゃんも来てくれてありがとう。
 そして、優さん…

 あなたのリハビリ治療が無かったら、私はここまで回復できなかった。 ありがとう。
 これからも宜しくお願いします。」

「琴音さん、大事な国内戦の出場は確か一週間後だったよね?」
「ぶっちぎりの優勝でオリンピック出場じゃあ~!! ^^」



そして、いつしか小雪もやみ、広いスケートリンク場をその絶頂の幸福ムードが心地よく漂う。
すると、院長の大空正がそっとあることを口にする…

「琴音君、君の右足はもう完治した… 
 よくぞ、この一ヵ月間の辛く苦しい治療とリハビリを耐え抜き、頑張りましたね。
 これで院長である私の役目も終わったという訳だ。
 これで私も心置きなく旅立つことができる…」

「旅立つ? 父さん旅立つって、どういうこと?」

                                つづく… 
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