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【第1部】~ 再起をかけた5回転半ジャンプ ~
白馬祐介の存在
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その人物は、長身で細身で美男の白馬祐介(27歳)。
それから、しばしば氷河琴音に会いに来るようになった。
そんな白馬祐介と氷河琴音の関係に、大空優はいつしか無意識に嫉妬心さえ抱くようになる。
そしてある日、大空優は勇気を出して白馬祐介に氷河琴音との関係を問いかけてみることに。
すると祐介からは、意外な言葉が返ってきた…
「俺は氷河琴音の専属コーチだったんですよ。 フィギュアスケートの。
彼女は千年に一度と言われているほどの逸材で、前人未到のクインティプルアクセル、いや
5回転半ジャンプを歴史上初めて成功させたという、世界屈指の超一流スケーターだったんです。
でも、冬季オリンピック出場資格を兼ねた4年前の国内戦で、あのアクシデントが起こってしまった…」
「アクシデント!? では、それで彼女の右足は?」
「えぇ… というのも彼女は前日のプログラムでミスが重なり、順位を大きく下げていたんだ。
それで最終日のフリープログラムで、俺は彼女にクインティプルアクセルで勝負に出ろと指示を出した。
そして、彼女も5回転半ジャンプで大逆転優勝を狙ったんだ。
しかし、その5回転半ジャンプで着地に失敗し、想像以上の負担がかかった右足に大ケガを負ってしまった…」
「それで琴音さんは再起を願い、あんなに必死になって頑張っていたのですね…」
「あぁ… 元通りになった右足で、またあのダイヤモンドの氷上に舞い戻り、
オリンピックでゴールドメダルを獲ることが彼女の最大の目標なんだ!
それが琴音の人生の全てなんだ!
琴音にとって、これが最後チャンスなんだ!
先生、頼む! 何とか彼女の右足を治してやってくれ!!」
「事情は分かりました。 全力を尽くしましょう!」
「今でも思うんだが、彼女の右足を大ケガさせたあのアクシデントの原因…
それは俺にも原因はあると思っている。
逆転優勝するために、俺がリスクの高すぎる5回転半ジャンプを彼女に要求してしまったからだ。
だが、それよりももっと大きな原因があった。 それは…
あの事故…
それは、悲劇的に起こったあの事故が彼女をそうさせてしまったと、今でも俺はそう思っている。
4年前の国内戦の前日に起こってしまった、あの事故が原因だと…」
「じ、事故!? それはどういう事ですか!?」
とその時、突然、白馬祐介のスマホに緊急の電話が入り、祐介は急いで診療所をあとにする。
奇妙なことに、それ以来、白馬祐介がその診療所に姿を現すことはなかった…
つづく・・・
それから、しばしば氷河琴音に会いに来るようになった。
そんな白馬祐介と氷河琴音の関係に、大空優はいつしか無意識に嫉妬心さえ抱くようになる。
そしてある日、大空優は勇気を出して白馬祐介に氷河琴音との関係を問いかけてみることに。
すると祐介からは、意外な言葉が返ってきた…
「俺は氷河琴音の専属コーチだったんですよ。 フィギュアスケートの。
彼女は千年に一度と言われているほどの逸材で、前人未到のクインティプルアクセル、いや
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でも、冬季オリンピック出場資格を兼ねた4年前の国内戦で、あのアクシデントが起こってしまった…」
「アクシデント!? では、それで彼女の右足は?」
「えぇ… というのも彼女は前日のプログラムでミスが重なり、順位を大きく下げていたんだ。
それで最終日のフリープログラムで、俺は彼女にクインティプルアクセルで勝負に出ろと指示を出した。
そして、彼女も5回転半ジャンプで大逆転優勝を狙ったんだ。
しかし、その5回転半ジャンプで着地に失敗し、想像以上の負担がかかった右足に大ケガを負ってしまった…」
「それで琴音さんは再起を願い、あんなに必死になって頑張っていたのですね…」
「あぁ… 元通りになった右足で、またあのダイヤモンドの氷上に舞い戻り、
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それが琴音の人生の全てなんだ!
琴音にとって、これが最後チャンスなんだ!
先生、頼む! 何とか彼女の右足を治してやってくれ!!」
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「今でも思うんだが、彼女の右足を大ケガさせたあのアクシデントの原因…
それは俺にも原因はあると思っている。
逆転優勝するために、俺がリスクの高すぎる5回転半ジャンプを彼女に要求してしまったからだ。
だが、それよりももっと大きな原因があった。 それは…
あの事故…
それは、悲劇的に起こったあの事故が彼女をそうさせてしまったと、今でも俺はそう思っている。
4年前の国内戦の前日に起こってしまった、あの事故が原因だと…」
「じ、事故!? それはどういう事ですか!?」
とその時、突然、白馬祐介のスマホに緊急の電話が入り、祐介は急いで診療所をあとにする。
奇妙なことに、それ以来、白馬祐介がその診療所に姿を現すことはなかった…
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