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【第1部】~ 再起をかけた5回転半ジャンプ ~
再起をかけて
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北海道の景色豊かな大自然の中、そのとある大草原地帯にある小高い丘の上…
北海道の街並みを全て見渡すことのできるこの絶景ポイントには、『大空診療所』という小さな病院が
ひっそりと立っている。
真冬の雪の積もったある日、この診療所に右足を引きずりながら歩く一人の美しい女性がやってくる。
彼女の名前は氷河琴音(25歳)。
どことなく寂しげな雰囲気を漂わせるその彼女は、この診療所の院長である『大空正(47歳)』に、
あることを話してくる。
「私、どうしても一ヵ月後に行われる国内戦に出なくちゃいけないんです…
先生… 私のこの右足を治すことができますか?」
彼女の話によると、これまで世界中の名医に治療してもらったが、治癒の見込みが全くなかった。
そして、藁(ワラ)をもつかむ思いでこの診療所を探し訪ねてきたという。
他でもないこの大空正は、リハビリ科において、世界一、二を争う名医として噂されるほどの人物だったのだ。
そして、執刀医は大空正、助手はその妻である大空美香(45歳)、その息子で研修医の大空優(25歳)、
ナースの白井天使(23歳)による手術が行われた。
その結果、大空正は彼女にこう説明した…
「手術は成功しました。あとはリハビリ次第で右足が完全に治るかどうか? というところですね。
しばらく入院して、リハビリ治療に移りましょう。」
そして、彼女のリハビリ担当は息子である大空優に任され、氷河琴音と二人三脚での辛いリハビリ生活が始まった。
真剣にリハビリへ取り組む氷河琴音は、大空優に対してほどんど沈黙を貫くという気難しい一面を見せつけていた。
更に、辛いリハビリの成果がなかなか表れず、琴音はどんどん自分を追い込むようになってゆく。
「リハビリの成果はすぐに表れますよ。 もう少し一緒に頑張りましょう。
でも、どうして琴音さんの右足はそんなに悪くなってしまったのですか?
たった一人だけでいろんな事を背負っていると辛いだろうし、僕で良かったら何でも話してください。」
そんな琴音を勇気づけようとする大空優。
だが、琴音は心を開くどころか、過去に自分に何があったのかも決して語ろうとはしなかった…
そんな時、これまで誰一人として見舞に来る人間がいなかったその氷河琴音のもとへ、ある謎の人物がやってくる…
つづく・・・
北海道の街並みを全て見渡すことのできるこの絶景ポイントには、『大空診療所』という小さな病院が
ひっそりと立っている。
真冬の雪の積もったある日、この診療所に右足を引きずりながら歩く一人の美しい女性がやってくる。
彼女の名前は氷河琴音(25歳)。
どことなく寂しげな雰囲気を漂わせるその彼女は、この診療所の院長である『大空正(47歳)』に、
あることを話してくる。
「私、どうしても一ヵ月後に行われる国内戦に出なくちゃいけないんです…
先生… 私のこの右足を治すことができますか?」
彼女の話によると、これまで世界中の名医に治療してもらったが、治癒の見込みが全くなかった。
そして、藁(ワラ)をもつかむ思いでこの診療所を探し訪ねてきたという。
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そして、執刀医は大空正、助手はその妻である大空美香(45歳)、その息子で研修医の大空優(25歳)、
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その結果、大空正は彼女にこう説明した…
「手術は成功しました。あとはリハビリ次第で右足が完全に治るかどうか? というところですね。
しばらく入院して、リハビリ治療に移りましょう。」
そして、彼女のリハビリ担当は息子である大空優に任され、氷河琴音と二人三脚での辛いリハビリ生活が始まった。
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更に、辛いリハビリの成果がなかなか表れず、琴音はどんどん自分を追い込むようになってゆく。
「リハビリの成果はすぐに表れますよ。 もう少し一緒に頑張りましょう。
でも、どうして琴音さんの右足はそんなに悪くなってしまったのですか?
たった一人だけでいろんな事を背負っていると辛いだろうし、僕で良かったら何でも話してください。」
そんな琴音を勇気づけようとする大空優。
だが、琴音は心を開くどころか、過去に自分に何があったのかも決して語ろうとはしなかった…
そんな時、これまで誰一人として見舞に来る人間がいなかったその氷河琴音のもとへ、ある謎の人物がやってくる…
つづく・・・
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