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上司が恋愛対象です

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なんて言い表せば良いのか分からない。

胸が苦しく

ドクドクと心臓の音がうるさい。

南さんの表情からは何も読み取れない。

怒っているのか、悲しんでいるのか

どちらでもないのか。

「ふっ。君は面白いね。ミナカワ アオイくん。
まぁ、今はまだ、このままでもいい。でも、
いつか本能に抗えなくなる日が来るよ。その時は僕の所までおいで。そうだ、碧くん、君をそう呼んでも良いかな。」

本能に抗えなくなる日、、、。

そんな事言われても俺は想像もしたくない。

新庄さん以外を求めたあの日が

思い出され、怖くなった。

「碧くん?」と心配そうにのぞいてくる南さん。

「えっと、、、すみません。」
俺は、それだけを発すると、その場から逃げるように立ち去った。

南さんが後を追ってくる事はなく、
オフィス近くのトイレに駆け込む。

「はぁ。はぁっ。」

荒れた息を吐きながら俺は泣きそうになった。


ーーーー
食べ損なったお昼。

15時の今、現在、腹の虫が鳴って仕方ない。

「グゥっ。」

また鳴ってしまった。

「なんだ皆川、腹の虫鳴らして、昼食べなかったのか?」

と通りがかりの新庄さんに聞かれて、ビクッとなる。

「はぃ。」

と、返事をしながら、半べそかいて
トイレに引きこもってたなんて口が裂けても言えないと思った。

「ほら、皆川。これやる。」と
新庄さんに差し出されたのは

蜂蜜レモンののど飴だった。

「良いんですか?頂いても。」

そう聞くと

「ああ。」と返事が返ってくる。

新庄さんはそのまま自分の仕事に戻って行き

俺は新庄さんの背中を数秒目で追った。

ふと、手元にある飴に目を向けると、可愛い蜂の絵が描かれていて、食べるのが勿体無く。

そっとポケットにしまった。








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