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上司が恋愛対象です
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出勤後、今日こそは 南さんとの関係を
どうにかしなければと思い
南さんの席へと視線が向かう。
良かった。ちゃんと出勤してる。
席に座って、パソコン作業をしている南さんに
声をかけようか迷うが
さすがに仕事の邪魔はできないと思い
改める事にした。
それから、昼までの時間が異様に長く感じた。
昼になり、新庄さんに声をかけられる前に
南さんの所に向かう。
南さんは席を立つ所だった。
いつもはメガネをしていない南さんだけど、
パソコン作業中はメガネをかけているようで、
雰囲気がそれだけで変わって見える。
「南さん、すみません。少し良いですか?」
俺から声をかけられると思っていなかったようで、南さんの目が一瞬見張ったように見えた。
南さんは少し考えた後「いいよ」と言って
俺の後をついてきてくれた。
「すみません。いきなり呼び出してしまって」と
前回と同じ倉庫に来て、着くなり振り返りながら
謝る。
「君は大概の馬鹿なのかな?」と優しく言う南さんに「えっ、」と驚く。
南さんがゆっくりとした動作でメガネをとりながら
言う。
「だって、君は此処で一度、襲われかけたのに同じ所に自分から連れてくるなんて危ないと思わないの?」
そう言われて、「確かに、、、」と呟くしかできなかった。
そんな沈黙を南さんは破って、
「僕に話があるんでしょ。どうしたの?
何もしない内に言った方が賢明だよ。」と
サラッと怖い事を言いながら聞いて来る。
おそるおそる俺は口をひらいた。
「あの、、俺のフェロモンのせいで、この間は、すみませんでした。運命の番とかなんとか以前に、そもそも好きでもない俺のフェロモンに当てられてしんどい思いさせてすみません。あれは、南さんの意思じゃ無いし、俺の意思でも無い。だから、お互い無かった事にしませんか?これからは、先輩と後輩として良い関係を作れたら良いなと思っています。」と。
俺は一生懸命に考えた末に
結局、お互いに無かった事にしようと言う
結論に至り、それを伝える。
南さんは考えた素ぶりを見せながらメガネを
胸ポケットにいれると、
「無かった事には出来ないよ。」と言った。
「僕は確かに君の事を、まだ、好きじゃない。
だって、出会ってからまだまも無いし、君を知らない。でも、君を求めたのは俺の意思だよ。俺は君を好きになるよ。」
南さんは俺の目を真っ直ぐ見つめている。
南さんの不意に出る俺って言う一人称が
嘘じゃない事を表しているようで、目が離せない。
「で、でも、俺、、は、」
好きにはならないと言いたいのに、
言葉にする事が出来ない。
どうして。
俺、なんで南さんから目、離せないんだ。
俺、変だ。
南さんが俺との距離を縮めてくる。
「怯えないで。気持ちを否定しないで。
君も本能に逆らわないで認めなよ。」
南さんの言葉が甘く頭に響く。
スッと手を俺の頬に手を添えるように伸ばされたが
振り払う事が出来ず、視線を絡ませる事しかできなかった。
「君も僕を好きになればいい。運命の番とか
関係なく、これから僕を知って、好きになってくれたらいい。それじゃダメなのか?」
そう、切ない目で見られながら言葉にされると
胸が苦しくなるのは
どうして。
「ダメ、っだ。
南さん、ごめん。俺は、好きな人がいるんだ。」
胸が痛むのを気付かないフリをして、そう言いきった。
どうにかしなければと思い
南さんの席へと視線が向かう。
良かった。ちゃんと出勤してる。
席に座って、パソコン作業をしている南さんに
声をかけようか迷うが
さすがに仕事の邪魔はできないと思い
改める事にした。
それから、昼までの時間が異様に長く感じた。
昼になり、新庄さんに声をかけられる前に
南さんの所に向かう。
南さんは席を立つ所だった。
いつもはメガネをしていない南さんだけど、
パソコン作業中はメガネをかけているようで、
雰囲気がそれだけで変わって見える。
「南さん、すみません。少し良いですか?」
俺から声をかけられると思っていなかったようで、南さんの目が一瞬見張ったように見えた。
南さんは少し考えた後「いいよ」と言って
俺の後をついてきてくれた。
「すみません。いきなり呼び出してしまって」と
前回と同じ倉庫に来て、着くなり振り返りながら
謝る。
「君は大概の馬鹿なのかな?」と優しく言う南さんに「えっ、」と驚く。
南さんがゆっくりとした動作でメガネをとりながら
言う。
「だって、君は此処で一度、襲われかけたのに同じ所に自分から連れてくるなんて危ないと思わないの?」
そう言われて、「確かに、、、」と呟くしかできなかった。
そんな沈黙を南さんは破って、
「僕に話があるんでしょ。どうしたの?
何もしない内に言った方が賢明だよ。」と
サラッと怖い事を言いながら聞いて来る。
おそるおそる俺は口をひらいた。
「あの、、俺のフェロモンのせいで、この間は、すみませんでした。運命の番とかなんとか以前に、そもそも好きでもない俺のフェロモンに当てられてしんどい思いさせてすみません。あれは、南さんの意思じゃ無いし、俺の意思でも無い。だから、お互い無かった事にしませんか?これからは、先輩と後輩として良い関係を作れたら良いなと思っています。」と。
俺は一生懸命に考えた末に
結局、お互いに無かった事にしようと言う
結論に至り、それを伝える。
南さんは考えた素ぶりを見せながらメガネを
胸ポケットにいれると、
「無かった事には出来ないよ。」と言った。
「僕は確かに君の事を、まだ、好きじゃない。
だって、出会ってからまだまも無いし、君を知らない。でも、君を求めたのは俺の意思だよ。俺は君を好きになるよ。」
南さんは俺の目を真っ直ぐ見つめている。
南さんの不意に出る俺って言う一人称が
嘘じゃない事を表しているようで、目が離せない。
「で、でも、俺、、は、」
好きにはならないと言いたいのに、
言葉にする事が出来ない。
どうして。
俺、なんで南さんから目、離せないんだ。
俺、変だ。
南さんが俺との距離を縮めてくる。
「怯えないで。気持ちを否定しないで。
君も本能に逆らわないで認めなよ。」
南さんの言葉が甘く頭に響く。
スッと手を俺の頬に手を添えるように伸ばされたが
振り払う事が出来ず、視線を絡ませる事しかできなかった。
「君も僕を好きになればいい。運命の番とか
関係なく、これから僕を知って、好きになってくれたらいい。それじゃダメなのか?」
そう、切ない目で見られながら言葉にされると
胸が苦しくなるのは
どうして。
「ダメ、っだ。
南さん、ごめん。俺は、好きな人がいるんだ。」
胸が痛むのを気付かないフリをして、そう言いきった。
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