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上司が恋愛対象です
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しおりを挟む二人きりになった部屋。
俺を離さない新庄さんの目に
居た堪れなくなってくる。
「すみません、俺、、、こんな姿もう見せたくなかったのに、、、すみません。俺、、、元から綺麗じゃないし、Ωだし、、、こんな事言える立場でもないのに、、、俺を、、、嫌いにならないでください。
、、、俺、新庄さんに嫌われたら生きていけません。お願いします。まだ側に居させて下さい。仕事頑張ります。掃除も家事も俺がやります。役に立ちたいんです。お願いします。お願いします。」と新庄さんに頭を下げてお願いする。
土下座をした所で許してくれるかは分からない。
でも、これしか方法が思いつかない。
「顔上げろ。」と新庄さんの優しい声が上から聞こえる。
ゆっくりと片膝をついてしゃがんだ新庄さんが
俺の顎に手を添えて上を向かせる。
視線があうと、
少し困ったように笑った新庄さんがいて、
俺の頭をワシャワシャと撫でた。
それから俺の心に指をさしながら
「皆川、お前の此処に刻んどけ、どんなお前を見ても嫌いになんてならない。分かったか。」
と新庄さんはそう俺に問いかける。
俺はその言葉にまた、泣きそうになるのを
グッと堪えた。
「返事は?」と聞かれ、
「、、、はぃ。」と答えるのが精一杯だった。
その後、新庄さんは俺の身体を気遣いながら、今日はこのまま帰った方がいいと言って家の鍵を渡される。俺は、新庄さんの優しさに甘えて早々に帰ることにした。
家に着くとドッと疲れが襲って力が抜ける。
ソファ○に倒れ込んで、大きなため息をついた。
「俺、新庄さんに迷惑かけてばっかりだ。
、、、でも、だからこそ明日から頑張るぞ!」
と言葉が部屋に響いて消える。
そういえば、此処って新庄さんの家なんだよな、、、
このソファ、新庄さんの匂いがする。
当たり前だけど、、、
なんか、安らぐんだよなこの匂い。
ヒートを起こした身体は限界を迎えていて、
そのまま目が閉じて眠りにつく。
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