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6これって発情期?
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羽化してから数週間、あれからクインスと一緒に眠っていない。
どちらかといえば人型でいる方が気楽なのだが猫の姿じゃないと寝室にも入れてくれなくなった。
猫の姿で眠っても明け方には自動的に人の姿に戻っているから、今は猫の姿でも拒否される。
「なんだか、寂しいかも」
「寂しいなら俺が添い寝しようか?」
「きゃあ!」
背後に、いつの間にかリリウムが立っていた。
デイジーの髪をひと束手に取って髪にキスをした。
驚いてデイジーはリリウムにから体を離すーー。
「お断りします!」
首元に口紅の跡つけてよく他の女を口説けるものだーー。
軽蔑の眼差しを向けるとリリウムはおどけて笑った。
「気が向いたらいつでも俺の部屋においでよ?はい、これ。寝つきを良くするお茶だよ。眠り猫の君には必要ないかもだけど~眠れないならこれをお飲み。お湯に溶かすだけで飲めるハーブティーだよ」
リリウムは茶っ葉の入った小さな缶をデイジーに手渡した。
「…あ、ありがとう」
デイジーが受け取ると、リリウムはあっさりと踵を返して帰って行った。
デイジーは寝室のベッドの上に寝転んだ。
毎日のようにクインスと眠っていたから一人だと寂しくて眠れない。
一時間近くベッドの上で項垂れていた。
「リリウムからもらったお茶でも飲んでみようかな」
茶っ葉の入った缶を持ってお城の厨房へ向かった。
深夜の城内は静まり返っていて時折見回りをしている騎士とすれ違う程度で、人は居ない。
月明かりの差し込む薄明るい厨房の中。
ぬるま湯に茶っ葉を溶かし、ぐびっと飲み干した。
(……ん?なんだか身体が、熱い……?)
お茶の効能かーー身体が火照り、奥が熱く疼く。
腰が抜けて、その場でへたり込んでしまった。
酔っ払ってしまったかのように頭はふらふらするし、ぼうっとする。脚が心もとなくてモジモジと忙しく動く……。
(これって……噂に聞く、発情期?どうして……こんな、突然……?)
「ーーデイジー?」
突然、クインスの低い声が聞こえて身体がビクンッと大きく震えた。
こんな醜態見せたくないと、作業台の影へと隠れた。
だがデイジーの耳だけが作業台からはみ出し、すぐに見つかってしまった。
「デイジー?何してるんだ?こんなところで」
「クインス……えっと……」
急に肩を掴まれて、身体に電流が流れたように熱が巡る。
顔は紅潮し、目はとろんとしていた。
デイジーはクインスから顔をそらした。
「なんでもないよ、喉が渇いたから……白湯を……」
「熱でもあるのか?顔が赤いし目が変だぞ」
クインスはデイジーのおでこに手のひらを当て、熱を測った。
彼に触れられると、彼の匂いがするたびに、腰のあたりが疼いて落ち着かない気持ちなる。
「クインス、離れて」
半泣きしながら言葉を発した。
クインスは不思議そうにデイジーの顔を見ていた。
「ーー俺が嫌になったのか?」
「……え?違う」
思わず彼の顔を見上げると、切なそうな顔をしていた。
目がふいにあってまたドキドキした。
顔を反らすと、クインスは黙ってしまった。
「ち、ちがうの、クインス……そうじゃなくて、えっと、今、わたし、発情期だからーーー!」
察して欲しかった。
宣言するようにこんなことを言ってしまって羞恥心で死にたくなった。
クインスは目を見張ってる。
こんな姿見せたくなかった。
「………んう!」
身体中が熱く疼いて……苦しい。
「俺が楽にしてやろうか」
どちらかといえば人型でいる方が気楽なのだが猫の姿じゃないと寝室にも入れてくれなくなった。
猫の姿で眠っても明け方には自動的に人の姿に戻っているから、今は猫の姿でも拒否される。
「なんだか、寂しいかも」
「寂しいなら俺が添い寝しようか?」
「きゃあ!」
背後に、いつの間にかリリウムが立っていた。
デイジーの髪をひと束手に取って髪にキスをした。
驚いてデイジーはリリウムにから体を離すーー。
「お断りします!」
首元に口紅の跡つけてよく他の女を口説けるものだーー。
軽蔑の眼差しを向けるとリリウムはおどけて笑った。
「気が向いたらいつでも俺の部屋においでよ?はい、これ。寝つきを良くするお茶だよ。眠り猫の君には必要ないかもだけど~眠れないならこれをお飲み。お湯に溶かすだけで飲めるハーブティーだよ」
リリウムは茶っ葉の入った小さな缶をデイジーに手渡した。
「…あ、ありがとう」
デイジーが受け取ると、リリウムはあっさりと踵を返して帰って行った。
デイジーは寝室のベッドの上に寝転んだ。
毎日のようにクインスと眠っていたから一人だと寂しくて眠れない。
一時間近くベッドの上で項垂れていた。
「リリウムからもらったお茶でも飲んでみようかな」
茶っ葉の入った缶を持ってお城の厨房へ向かった。
深夜の城内は静まり返っていて時折見回りをしている騎士とすれ違う程度で、人は居ない。
月明かりの差し込む薄明るい厨房の中。
ぬるま湯に茶っ葉を溶かし、ぐびっと飲み干した。
(……ん?なんだか身体が、熱い……?)
お茶の効能かーー身体が火照り、奥が熱く疼く。
腰が抜けて、その場でへたり込んでしまった。
酔っ払ってしまったかのように頭はふらふらするし、ぼうっとする。脚が心もとなくてモジモジと忙しく動く……。
(これって……噂に聞く、発情期?どうして……こんな、突然……?)
「ーーデイジー?」
突然、クインスの低い声が聞こえて身体がビクンッと大きく震えた。
こんな醜態見せたくないと、作業台の影へと隠れた。
だがデイジーの耳だけが作業台からはみ出し、すぐに見つかってしまった。
「デイジー?何してるんだ?こんなところで」
「クインス……えっと……」
急に肩を掴まれて、身体に電流が流れたように熱が巡る。
顔は紅潮し、目はとろんとしていた。
デイジーはクインスから顔をそらした。
「なんでもないよ、喉が渇いたから……白湯を……」
「熱でもあるのか?顔が赤いし目が変だぞ」
クインスはデイジーのおでこに手のひらを当て、熱を測った。
彼に触れられると、彼の匂いがするたびに、腰のあたりが疼いて落ち着かない気持ちなる。
「クインス、離れて」
半泣きしながら言葉を発した。
クインスは不思議そうにデイジーの顔を見ていた。
「ーー俺が嫌になったのか?」
「……え?違う」
思わず彼の顔を見上げると、切なそうな顔をしていた。
目がふいにあってまたドキドキした。
顔を反らすと、クインスは黙ってしまった。
「ち、ちがうの、クインス……そうじゃなくて、えっと、今、わたし、発情期だからーーー!」
察して欲しかった。
宣言するようにこんなことを言ってしまって羞恥心で死にたくなった。
クインスは目を見張ってる。
こんな姿見せたくなかった。
「………んう!」
身体中が熱く疼いて……苦しい。
「俺が楽にしてやろうか」
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