シャルロット姫の食卓外交〜おかん姫と騎士息子の詰め所ごはん

ムギ・オブ・アレキサンドリア

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恐怖のアンデットライン農園へ!首無し騎士と拗らせ女神のアイスクリームパーラー

後始末

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 めちゃくちゃになった客間をシャルロット達は掃除していた。
 グレイも人型に戻り、駆け付けた騎士のアヴィやアーサーと一緒に割れたティーカップや窓ガラスを片付けていた。

 スノウはユーシンに抱っこされながら、耳を垂らして落ち込んでいた。

「スノウは産まれたばかりで、まだ魔法のコントロールができないんだろうね」

「ごめんなしゃい…」

 ベンジャミンに頭を撫でられたスノウは彼の顔を見上げて、泣きそうな目をしながら謝罪した。

「私も昨夜、ナッツを食べ過ぎて勝手に火の魔法が出ちゃったわ」

「妃殿下、スノウはまだ身体が不安定ですから、魔力を必要以上に溜め込むのは危ないですよ」

「そうよね…」

 幻狼エステルは元気のないスノウを励ました。

「スノウ~。ぼくも赤ちゃんの頃は魔法で失敗したんだよ~!みんな、失敗するんだよ~!元気出して!」

「はは、そうですよね。エステル様も魔法を暴走させて、自分とアーサーを東大陸までぶっ飛ばしちゃった事がありましたね」

「しかも森の中に転移させられましたね」

 イルカルとアーサーはケラケラ笑っていた。
 エステルは恥ずかしそうに耳と尻尾を垂らした。

「うう~。で、でも、ぼく、今は転移魔法も上手にできるもん!ね、ママ」

「ええ。赤ちゃんの頃は空も飛べなかったものね。立派になってママも嬉しいわ、エステル」

「へへへ~。ジョンシアといっぱい魔法の勉強したもん。あっ、じゃあ、ぼくがスノウに魔法を教えてあげる~!」

「それがいいわね。よろしくね、エステルお兄ちゃん」

 シャルロットはエステルの頭をヨシヨシと撫でてあげた。
 エステルは誇らし気に笑うと、張り切って魔法を使い、部屋の片付けに取り掛かった。
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