シャルロット姫の食卓外交〜おかん姫と騎士息子の詰め所ごはん

ムギ・オブ・アレキサンドリア

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恐怖のアンデットライン農園へ!首無し騎士と拗らせ女神のアイスクリームパーラー

魔術師の企み

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 ーー街中に入る手前、魔術師の男達はマントを脱いだ。

「あの城の夫人は太客だよなあ。どんなに高値でも買ってくれるしよ~」

「はは、だなぁ。わざわざ墓を掘り起こすより、生きてる人間から刈ってるから手間もかからないし」

 男達は街や村で髪の長い女性を襲って髪を切り取り、その髪でカツラを作り金持ちに転売していた。

 往来であれば墓場や遺体安置所に忍び込み、死体から採取していたのだが、最近では自警団の警備や警察の取り締まりも難しくなっていた。
 魔術師の仕事として死体を盗み、余った髪や歯をこっそり転売していたのだがーー。


「今日は集会もないし、飲みに行こうぜ」

「ああ。……ん?、おい、あの娘を見ろ」

 彼の視線の先には、とても美しい金髪のポニーテールを揺らし、楽しげに歩くシャルロットの姿があった。

 ダークブロンドは割と存在するが、太陽の光を浴びた白金のようにキラキラ輝くトゥヘッドはかなり珍しく希少価値があった。
 それに腰まで伸びたロングヘアで、きちんと手入れも施されおり状態が良い。

 金髪は金持ちの間でも需要があり高く売買されている。
 銀髪に近いほど値段は跳ね上がり、あの髪を採取しカツラにして売り飛ばせば、大豪邸を建ててお釣りがくる程度の大金が手に入りそうだ……。

 男達はニヤッと顔を見合わせて笑うと、シャルロットの後をつけ始めた。
 しかし、周りには何故か見目麗しい男を数人ーー犬まで連れ歩いており、隙がない。


「なんの集団だ?」

「1人になったところを狙うぞ」

「おう」
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