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新婚旅行はミレンハン国へ!猫になったシャルロットとポチたま大論争勃発!?
epilogue
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シャルロットとグレース皇子が新婚旅行から帰国して1カ月ほど過ぎた頃ーー。
クライシア大国の城に、ミレンハン国から番犬として10匹の犬と、害獣駆除のために3匹の猫が献納された。
犬達は第一騎士団の寮舎の庭に新たに犬小屋が造られ、騎士団が世話をすることになった。
騎士達はみんな可愛いワンコにメロメロだった。
今日も騎士と番犬がペアになり楽しそうに城内を巡回している。
「ワンちゃんたちみんな良い子だし、お城の中に活気が溢れていいわね」
ただ、クロウはとても不満げだったーー。
今まではチワワ姿で城内を歩けば使用人や騎士や門番からキャッキャッと持て囃されてかまってもらえたり、お菓子をもらえたのに…今では人気や注目を騎士団のワンコ達に奪われてしまっている。
「なんで~?私の方が幻狼だから強いし、国のシンボルだし、かっこいいし可愛いのに~!」
「ふふ、クロウはとてもかっこいいわよ。みんなの分も、私が遊んであげるわ」
シャルロットはオオカミ姿のクロウの首に抱きついた。
単純な性格のクロウの機嫌はすっかり直った。
「うふふ~っ、シャルロット~大好き~」
クロウと2人で回廊を歩いていると、中庭に人集りが出来ていた。
「あら…。陛下だわ。コボルトさんやバルキリー夫人も一緒ね。お茶会かしら」
お日様が照らす中庭、白いパラソルの下でクライシア王と公妾バルキリーが茶会をしていた。
周りには親衛隊や第一騎士団の騎士、侍女らが取り囲む。
クライシア王のプライベートな時間なんだろう、いつもより軽装でニコニコ穏やかに笑いながら騎士団のワンコ数匹と戯れていた。
「ははは、賢い子たちだなあ~」
クライシア王も犬が好きなんだろう。
普段あまり見ることのできないデレデレとした表情で、犬達の顔を撫でていた。
犬達も尻尾を無邪気に振って、王の顔や手をベロベロ舐めている。
そこに幻狼姿のコボルトが唸りながら、割って入った。
「王の身体を無遠慮に舐めるなんて…躾のなってない犬けら共め!退け!退け!野蛮な獣共よ~!レイメイは私の主人だ!近寄るな!」
コボルトは犬達に向かって敵意を剥き出しにして、感情的に吠えている。
クライシア王の身体に自分の身体を擦り付け、犬達からガードしていた。
「コボルト、犬に嫉妬とは大人げないぞ」
クライシア王が苦笑しながらコボルトのおでこに手刀を落とすと、コボルトは魔法にかかりミニチュアピンシャーの犬の姿に変化した。
そしてバルキリー夫人の膝の上に乗せられ、しょんぼりしている。
そんなコボルトを見て、みんな愉快そうに笑っている。
シャルロットも、コボルトの意外な一面を見て、おかしくて笑みをこぼした。
「幻狼はね~、やきもち焼きなの」
クロウが言った。
「ふふ、デジャブだわ」
クロウも、グレース皇子が犬とじゃれ合っていた時にヤキモチ焼いて怒り狂っていたっけ。
シャルロットは旅先での出来事を思い出して、おかしくなった。
そして、ふと考えた。
「ねえ、クロウ。もし私がグレース様の子供を産んだら、その子にも、クロウやグレイや、コボルトさんみたいな幻狼がパートナーになってくれるのかしら?」
「うん、そうなるね~」
「楽しみだわ」
そう遠くない未来、ーー早くそんな幸せな光景が見てみたいとシャルロットは思っていた。
クライシア大国の城に、ミレンハン国から番犬として10匹の犬と、害獣駆除のために3匹の猫が献納された。
犬達は第一騎士団の寮舎の庭に新たに犬小屋が造られ、騎士団が世話をすることになった。
騎士達はみんな可愛いワンコにメロメロだった。
今日も騎士と番犬がペアになり楽しそうに城内を巡回している。
「ワンちゃんたちみんな良い子だし、お城の中に活気が溢れていいわね」
ただ、クロウはとても不満げだったーー。
今まではチワワ姿で城内を歩けば使用人や騎士や門番からキャッキャッと持て囃されてかまってもらえたり、お菓子をもらえたのに…今では人気や注目を騎士団のワンコ達に奪われてしまっている。
「なんで~?私の方が幻狼だから強いし、国のシンボルだし、かっこいいし可愛いのに~!」
「ふふ、クロウはとてもかっこいいわよ。みんなの分も、私が遊んであげるわ」
シャルロットはオオカミ姿のクロウの首に抱きついた。
単純な性格のクロウの機嫌はすっかり直った。
「うふふ~っ、シャルロット~大好き~」
クロウと2人で回廊を歩いていると、中庭に人集りが出来ていた。
「あら…。陛下だわ。コボルトさんやバルキリー夫人も一緒ね。お茶会かしら」
お日様が照らす中庭、白いパラソルの下でクライシア王と公妾バルキリーが茶会をしていた。
周りには親衛隊や第一騎士団の騎士、侍女らが取り囲む。
クライシア王のプライベートな時間なんだろう、いつもより軽装でニコニコ穏やかに笑いながら騎士団のワンコ数匹と戯れていた。
「ははは、賢い子たちだなあ~」
クライシア王も犬が好きなんだろう。
普段あまり見ることのできないデレデレとした表情で、犬達の顔を撫でていた。
犬達も尻尾を無邪気に振って、王の顔や手をベロベロ舐めている。
そこに幻狼姿のコボルトが唸りながら、割って入った。
「王の身体を無遠慮に舐めるなんて…躾のなってない犬けら共め!退け!退け!野蛮な獣共よ~!レイメイは私の主人だ!近寄るな!」
コボルトは犬達に向かって敵意を剥き出しにして、感情的に吠えている。
クライシア王の身体に自分の身体を擦り付け、犬達からガードしていた。
「コボルト、犬に嫉妬とは大人げないぞ」
クライシア王が苦笑しながらコボルトのおでこに手刀を落とすと、コボルトは魔法にかかりミニチュアピンシャーの犬の姿に変化した。
そしてバルキリー夫人の膝の上に乗せられ、しょんぼりしている。
そんなコボルトを見て、みんな愉快そうに笑っている。
シャルロットも、コボルトの意外な一面を見て、おかしくて笑みをこぼした。
「幻狼はね~、やきもち焼きなの」
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「ふふ、デジャブだわ」
クロウも、グレース皇子が犬とじゃれ合っていた時にヤキモチ焼いて怒り狂っていたっけ。
シャルロットは旅先での出来事を思い出して、おかしくなった。
そして、ふと考えた。
「ねえ、クロウ。もし私がグレース様の子供を産んだら、その子にも、クロウやグレイや、コボルトさんみたいな幻狼がパートナーになってくれるのかしら?」
「うん、そうなるね~」
「楽しみだわ」
そう遠くない未来、ーー早くそんな幸せな光景が見てみたいとシャルロットは思っていた。
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