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新婚旅行はミレンハン国へ!猫になったシャルロットとポチたま大論争勃発!?
美猫コンテストはバトルロイヤル戦
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ミレンハン国の王立競技場には『美猫コンテスト』を観戦するために人が集まっていた。
グランプリ以外でもランキング上位猫には賞金や賞品が授与されるため、それを目当てに参加する人も多い。
午前中は壇上に上がり、ビジュアルや特技を披露。
国民投票が行われ、1票につき1点を獲得。開票作業が行われている間に、競技場中央に設置されたフィールドアスレチックにエントリーした猫達が放たれ、ここからは身体能力や実力勝負の戦いが始まる。
コンテストの目玉であるバトルロイヤル戦。
エントリーされた猫の首にはマタタビを練りこんだ特殊なチーズがぶら下がった首輪が装着され、他の猫らにチーズを食べられてしまうと失格。
アスレチック内の複雑な迷路や障害物を突破してゴールしなければいけない。
ランキングごとに点数が割り振られており、午前の部で獲得した点数と合算して、一番点数を得た猫がグランプリとなる。
「うそ……見た目を競うだけじゃないの?聞いてないわ!」
金色のソマリ猫シャルロットは愕然とした。
「大丈夫だ!この日のために厳しい特訓をしただろ」
エントリーしている猫の殆どが体格の良いオス猫。
ビジュアル審査よりもバトルロイヤル戦に重きを置いているようだ。
シャルロットは他の猫達よりもひと回りもふた回りも貧相で小柄なメス猫だ。
「頑張れよ」
ゲーテは子猫の鼻先にキッスをした。
そして、スタート地点に放り込まれたシャルロット。
トーマ王子のべべはシャルロットの首元にすり寄った。
『勝負に勝って、俺様はお前とケッコンするぞ。あきらめろ』
「エッ……ええ~!?」
あまり動きたく無い様子のヴェルは隅っこで眠り始めた。
柵の向こうでワンコ騎士団が心配そうにヴェルを見つめている。
猫神様は先頭に立ち、燃えている。
そしてゴングが鳴ったーー、一斉に猫達が走り出す。
スタートダッシュで出遅れたシャルロットは悲鳴をあげながら最後尾を走る。
「わーん!」
真上でギラつく太陽、ぐらつく丸太の上をなんとか進んで地獄の滑り台を降下、複数のハードルを飛び越えーーいろんな障害物を乗り越えていく。
途中で他の猫らがシャルロットに襲い掛かり、チーズを奪おうとしてくるがなんとか逃げ切った。
力では負けるが、身体が小さい分、小回りは他の猫よりも利くみたいだ。
足元や天井に蛇の人形が設置されている蛇トンネルで、他の猫達は怖気付いていた。
「ウフフ、蛇なんて怖く無いわ!」
シャルロットは臆せずトンネルを進んだ。
柔らかな木屑が敷き詰められた深い穴に点在する飛び石めがけてジャンプした。
「木屑のクッションがあるけど……落ちたら自力では這い上がれないかも?」
飛び石の間隔は広くて高さもあり、気を付けないと落ちてしまいそうだ。
最後の足場と向こう岸がかなり広くて難関で、他の猫らもそこらで固まっていた。
猫神様やべべの姿もある。
他2匹の猫も、最後の足場から前へ進めずに困っていた。
「ウーン……」
シャルロットは一つ前の足場で留まり、悩んでいた。
その時だーー、飛び石の周りの柔らかな木屑から煙が立ち込め、ブワッと炎が上がった。
「えっ……?」
シャルロットは驚いて飛び上がる。
他の猫達もびっくりしていた。
「シャルル……!」
「な……!火事か!?」
観客もどよめく。
シャルロットが真上を見上げると、天井にぶら下がった水晶のオブジェ。
太陽の光を集光して木屑が燃え、収れん火災を引き起こしたのか。
毎年この飛び石の池には水を張っていたが、水が嫌いな猫達には可哀想だというクレームが出て、落ちても問題がないように、今年は柔らかな木屑で代用したと話していた。
「うぎゃああ」
猫神様が絶叫している……。
グランプリ以外でもランキング上位猫には賞金や賞品が授与されるため、それを目当てに参加する人も多い。
午前中は壇上に上がり、ビジュアルや特技を披露。
国民投票が行われ、1票につき1点を獲得。開票作業が行われている間に、競技場中央に設置されたフィールドアスレチックにエントリーした猫達が放たれ、ここからは身体能力や実力勝負の戦いが始まる。
コンテストの目玉であるバトルロイヤル戦。
エントリーされた猫の首にはマタタビを練りこんだ特殊なチーズがぶら下がった首輪が装着され、他の猫らにチーズを食べられてしまうと失格。
アスレチック内の複雑な迷路や障害物を突破してゴールしなければいけない。
ランキングごとに点数が割り振られており、午前の部で獲得した点数と合算して、一番点数を得た猫がグランプリとなる。
「うそ……見た目を競うだけじゃないの?聞いてないわ!」
金色のソマリ猫シャルロットは愕然とした。
「大丈夫だ!この日のために厳しい特訓をしただろ」
エントリーしている猫の殆どが体格の良いオス猫。
ビジュアル審査よりもバトルロイヤル戦に重きを置いているようだ。
シャルロットは他の猫達よりもひと回りもふた回りも貧相で小柄なメス猫だ。
「頑張れよ」
ゲーテは子猫の鼻先にキッスをした。
そして、スタート地点に放り込まれたシャルロット。
トーマ王子のべべはシャルロットの首元にすり寄った。
『勝負に勝って、俺様はお前とケッコンするぞ。あきらめろ』
「エッ……ええ~!?」
あまり動きたく無い様子のヴェルは隅っこで眠り始めた。
柵の向こうでワンコ騎士団が心配そうにヴェルを見つめている。
猫神様は先頭に立ち、燃えている。
そしてゴングが鳴ったーー、一斉に猫達が走り出す。
スタートダッシュで出遅れたシャルロットは悲鳴をあげながら最後尾を走る。
「わーん!」
真上でギラつく太陽、ぐらつく丸太の上をなんとか進んで地獄の滑り台を降下、複数のハードルを飛び越えーーいろんな障害物を乗り越えていく。
途中で他の猫らがシャルロットに襲い掛かり、チーズを奪おうとしてくるがなんとか逃げ切った。
力では負けるが、身体が小さい分、小回りは他の猫よりも利くみたいだ。
足元や天井に蛇の人形が設置されている蛇トンネルで、他の猫達は怖気付いていた。
「ウフフ、蛇なんて怖く無いわ!」
シャルロットは臆せずトンネルを進んだ。
柔らかな木屑が敷き詰められた深い穴に点在する飛び石めがけてジャンプした。
「木屑のクッションがあるけど……落ちたら自力では這い上がれないかも?」
飛び石の間隔は広くて高さもあり、気を付けないと落ちてしまいそうだ。
最後の足場と向こう岸がかなり広くて難関で、他の猫らもそこらで固まっていた。
猫神様やべべの姿もある。
他2匹の猫も、最後の足場から前へ進めずに困っていた。
「ウーン……」
シャルロットは一つ前の足場で留まり、悩んでいた。
その時だーー、飛び石の周りの柔らかな木屑から煙が立ち込め、ブワッと炎が上がった。
「えっ……?」
シャルロットは驚いて飛び上がる。
他の猫達もびっくりしていた。
「シャルル……!」
「な……!火事か!?」
観客もどよめく。
シャルロットが真上を見上げると、天井にぶら下がった水晶のオブジェ。
太陽の光を集光して木屑が燃え、収れん火災を引き起こしたのか。
毎年この飛び石の池には水を張っていたが、水が嫌いな猫達には可哀想だというクレームが出て、落ちても問題がないように、今年は柔らかな木屑で代用したと話していた。
「うぎゃああ」
猫神様が絶叫している……。
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